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私たちが求める「食の安全・安心推進条例(仮称)」とは(案)

かながわ食の安全・安心条例(仮称)」制定をすすめる連絡会

1.「食の安全・安心推進条例(仮称)」でめざすもの

2003年に制定された食品安全基本法の基本理念には、“国民の健康の保護が最も重要である”と位置づけられ、リスク分析の考え方や地方自治体・事業者の責務と消費者の役割が明文化され、国の食の安全・安心に係る考え方が大きく変わりました。

しかしながら、食品安全基本法の制定は食の安全・安心行政をすすめる上での法制度が整備されたということであり、食の安全・安心の社会的な仕組みが出来上がった訳ではありません。これから、国・地方自治体・生産者・食品関連事業者・消費者・学者・専門家など、食の安全・安心の確保に係るすべての関係者による実効性のある取組みが大切になっています。

地域の自然的経済的社会的諸条件等を考慮し、食品安全基本法の考え方や体系を具体的な制度や施策として、実行に移すのは地方自治体の仕事です。 

地方自治体にはこれまでの行政のあり方を見直し、リスク分析の考え方に基づく食の安全・安心行政の体系の確立するとともに、生産から家庭における消費までのフードチェーン全体にわたる、途切れのない、「食の安全・安心対策のしくみ=食の安全・安心社会システム」をすべての関係者の協働の力でつくりあげていくことが求められています。

2.「食の安全・安心推進条例(仮称)」の基本的な考え方

(1) 神奈川県における「食の安全・安心推進条例(仮称)」の位置づけ

神奈川県の食の安全・安心の取組みは、条例をその根拠としてではなく、

年度計画として策定され、推進されています。今回、制定が期待されている食の安全・安心条例はこれまでの取組みの不十分な点を補強し、新たな食品危害等への適切な対応を行うものであるとともに、県政の決意を県民に表明し約束するものであると言えます。神奈川県の食の安全・安心行政が、県政の最重要課題にふさわしく、より一層充実強化されていくことを期待します。

私たちが暮らす神奈川県は全国第2位の890万人の人口をかかえる首都圏

有数の大消費地であるとともに輸入港をかかえ、多くの輸入食品の窓口・流通拠点として位置しています。また、都市農業・漁業がいきづいている地域であり、食の安全・安心を基本にして、都市農業、消費、食育を総合的に発展させていく必要があります。こうした神奈川県の地域特性も考慮して検討することが必要です。

(2) 理念条例ではなく、実効性のある条例に

今なお、多くの消費者が食の安全に対して不安を感じており、その理由として食品事業者との信頼関係の欠如と情報提供の不十分さを指摘しています。

最近の相次ぐ食品偽装や食品事故の発生は、現行法制度の不備を明らかにするとともに、理念的な条例ではもはや何の役にも立たないことがはっきりとしました。

また、これまでの生産者、事業者重視の政策では食の安全・安心は確保できず、国民のいのちと健康が守られないことも明らかになりました。

食の安全・安心推進条例(仮称)は消費者の目線・消費者の立場に立って、これまでとは違った大胆な政策転換をはかっていくことが求められています。

食の安全・安心を確保できる実効性のある条例とするためには、 

1 食の安全確保に係る「規制措置」を盛り込む。

2 行政、生産者・食品事業者としての責任と行動、および消費者の果たすべき役割を明確にする。とりわけ、食の安全確保において第一義的な責任のある生産者・食品関連事業者の責務を明確にする。

あわせて、食の安全・安心の確保にあたってはすべての関係者による「協働」の取組みが欠かせないことを明示し、施策を具体化する。

3 県民参加をすすめ、政策形成過程への県民参加の場である「食の安全・安心審議会」を設置する。
行政は食の安全・安心に係る施策を県庁部局内の狭い範疇にとどめず、県民の知恵とエネルギーに依拠した食の安全・安心県民運動として推進していく。

4 行政はすべての関係者をつなぐ位置にある。
食の安全・安心に係る情報収集と正確な情報公開を促進するとともに、生産者・食品関連事業者・消費者のそれぞれを有機的につなぐコーディネーターとして役割を発揮すること。
ことが必要です。

(3) 条例を検討していく上で大切にしたい視点

1 生産から消費まで

2 消費者の視点

3 科学的視点・予防措置

4 情報公開

5 県民参加、リスクコミュニケーション、すべての関係者による協働

6 部局横断の推進組織

3.「食の安全・安心推進条例(仮称)」施策策定にあたっての考え

(1) 中長期(3年〜5年)の食の安全・安心到達目標と施策の方向性を定めた総合的な基本計画をつくること

(2)  生産現場を最も熟知し食の安全・安心の確保に第一義的な責任を有している生産者・食品事業者の役割を明示し、必要な規制措置を施し、違反した場合の罰則および公表制度等、実効性をともなう施策とすること

(3)  生産・管理記録の記帳と保管、トレーサビリティ制度導入を制度化し、行政による食の安全に関する科学的な調査・検証を強化し、事前の予防的な観点に立った未然防止の措置を講じること

(4)  遺伝子組換え農作物、食育、地産・地消を食の安全・安心条例の条項に明記し、別途必要な安全・安心措置等の根拠を明確にすること

(5)  情報の収集・分析、一元管理・共有等をすすめるとともに、機敏で適切な県民への情報提供により、被害の拡大防止をはかること

(6)  関係者によるリスクコミュニケーションの促進をはかり、政策形成過程への県民の参画を保障すること

(7)  すべの関係者による協働の取組みを強化し、食の安全・安心県民運動のダイナミックな推進をはかること

(8)  窓口を一本化し、庁内の部局横断的な推進組織をつくること

消費者庁の創設を念頭において、消費者行政と食の安全・安心行政を統合し、消費者の目線に立った強い権限を持った庁内組織をつくること

4.食の安全・安心推進条例(仮称)に盛り込んでもらいたい施策(案)

項目
施策

中長期計画

 

関連法規の趣旨を受けて、県民の意向を反映し、中長期の食の安全・安心の目標(なっていたい姿)と施策の方向を定めた「食の安全・安心基本計画」を策定する。

安全・安心施策
(リスク管理)

■原料の調達から生産、輸送、販売、消費までの全ての段階で安全管理と品質管理を行う食の安全・安心システムづくり
■食の安全確保に第一義的な責任を負っている事業者(生産者を含む)に社会的責任を発揮してもらう施策、並びに行政による事業者の自主的な取組み支援策および監視指導の強化

≪施策の例≫

  • 生産現場での安全性確認(記帳、自主検査、行政検査)
  • トレーサビリティ導入促進
  • 輸入食品等事業所の届出制度
  • 輸入食品の市場流通品の監視強化
  • 消費者の選択に資する適正な表示の推進
  • 国の基準・規格に定めのない食品、食品添加物、残留農薬、飼料等の検査・評価・管理施策
  • 抜き打ちによる立入検査と是正勧告
  • 法律・条例に違反した場合の罰則措置
  • 遺伝子組換え農産物の混入と交雑の防止措置
  • 食育、地産地消、都市農業の推進

情報収集・情報提供

 

 

 

 

 

■食の安全・安心の確保には、情報の果たす役割は大きく、消費者は信頼できる情報提供を求めている。情報は氾濫しているが、消費者には必ずしも正確で適切な情報がわかり易く提供されているとは言えず、一面的な取り上げ方や不安や不信を煽るものもある。

■また、県民からの苦情、申し出では健康危害の未然防止、拡大防止に役立つものも少なくない。情報は一元的に管理し、集積・分析によって見えてくるものもある。

≪施策の例≫

  • 内部告発・通報制度
  • 自主回収公表制度、回収終了報告制度
  • 県民からの危害の申し出で制度
  • 食品行政の広域的連携システム

リスクコミュニケーション

 

 

 

 

■リスクコミュニケーションは関係者間の双方向的なコミュニケーションの場である。何らかの結論を得る場ではなく、問題点の発掘や関係者の信頼関係を高めていく場として重要である。リスクコミュニケーション推進機関を設置し、開かれたフォーラム方式や消費者団体との懇談その他による多様な形式が必要である。

≪施策の例≫

  • 公開農場、工場見学受入制度
  • 出前学習会
  • 食の安全・安心交流会
  • 公開討論会

県民の参画

■食の安全・安心施策の策定・推進・振り返りにあたっては、幅広い県民の参加によって、その意見を政策に反映させる制度を整備・充実させる必要がある。

≪施策の例≫

  • 食の安全・安心審議会の設置、
  • 県民公聴会の開催
  • 県民による表示監視制度(拡充)
  • 県民モニター制度(拡充)

推進組織

■部局横断の食の安全・安心行政推進組織
■すべての関係者による協働の取組み
■食の安全・安心県民運動の展開


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