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2019年6月14日

意見 「100年安心な年金」はどこにいったのか
〜「政府は受け取らないと決断した。報告書はもうない」という問題ではありません〜

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 小林 正明

 

金融庁の金融審議会が6月3日に「高齢社会における資産形成・管理」の報告書を発表しました。これは金融審議会・市場ワーキング・グループにおいて、2018年9月より、計12回にわたり、「高齢社会における金融サービスのあり方」など「国民の安定的な資産形成」を中心に検討・審議を行い、とりまとめられたものです。

報告書の原文にはこうあります。

「夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20〜30 年の人生があるとすれ ば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円〜2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支 出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。」

そして、年金だけでは老後の資金を賄うことができないため、95歳まで生きるには夫婦で2,000万円の蓄えが必要になるとして、そのため現役期から「つみたてNISA」や「iDeCo」などを用い、資産形成するように促しています。

かつて政府は「年金100年安心プラン」を謳っていました。2004年当時の小泉純一郎首相によって、国庫の負担を増やし、支払う年金額を抑える仕組みを導入し、更に現役世代が支払う年金保険料を13年間、段階的に引き上げることにしました。そしてこうした“痛み”に耐えれば年金は安泰だと、太鼓判を押していた筈です。

これがガラリと変わり、「100年安心」ではないのだと。

「暮らしていける公的年金を保障するのは国の責任。その信頼関係があるから、高い保険料を国民は払ってきた。それを年金だけでは暮らせないから自分で投資して資産をつくれたとは何だ」と国民が怒り・批判するのは当たり前ではないでしょうか。

わたしたちの年金は、いったいどうなってしまうのだろうか。高い保険料を支払い続けている国民に誠実に説明するのは、政府の義務です。徹底的に議論するのは、国会の役割です。

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