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2018年12月21日

意見 日欧EPA批准について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

日本とEU(欧州連合)との経済連携協定(日欧EPA)の承認案が、この12月8日未明の参院本会議で可決されました。多くの疑念が残るままで、わずかな「審議」時間で批准が強行されたことは残念でなりません。

 

日欧EPAは、「成長戦略の切り札」と喧伝されているものです。しかしその内容は、自動車の輸出にかかる関税を撤廃する見返りに、農産品の82%の品目で関税を撤廃し、EUが強い競争力を持つソフト系チーズに新たに低関税輸入枠を設定するなど、TPPをも上まわる農産物の市場開放です。これは日本の農業、とりわけ畜産業に破壊的な打撃を与えることは必至です。また、地方自治体の物品・サービス調達や鉄道事業への欧州企業の参入など、地域経済や国民の生活基盤にさまざまな影響を及ぼすことが懸念されます。

 

この間、これらの問題を質してきた市民団体に対して、政府担当者は農業への影響について、「国内対策を行うので生産量も農家所得も維持される」と根拠も示さず繰り返すばかりで、影響試算については「計算の前提条件が変わればいろいろな結果が出る」と開き直るなど、不誠実な対応に終始していました。

国会審議においても同様で、野党が求めた参考人質疑や連合審査も行われないまま、衆参両院ともわずか4時間半の審議で採決してしまいました。国民生活に大きく関わる問題に対する議会の役割についての自ら放棄することは、議会制民主主義の危機とも言わざるを得ません。農業者をはじめとする多くの国民の不安を足蹴にする暴挙です。

 

12月30日にはTPP11が発効します。日欧EPAもEU側の手続きを待って来年2月に発効するとされています。更に年明けからは日米FTAの交渉が始まろうとしています。

相次ぐ「メガFTA」の影響は、農業分野にとどまるものではなく、金融や保険、医療、公共サ−ビスなどをはじめとする国民生活のあらゆる領域に及ぶものと思われます。

私たち消費者は、この間すすめられている多国籍企業の利益のために人々のいのちや暮らしや幸せを切り売りする「成長戦略」・際限のない「自由化」には同意できません。

政治のモノサシは、国民一人ひとりの命と暮らし、そして幸せでなければなりません。

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