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2018年12月14日

ヘイトスピーチを許さず、人種差別撤廃基本法の制定を

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

2016年6月にヘイトスピーチ解消法が施行されました。同年暮れには、政府による初の外国人の人権状況に関する調査が行われ、入居や就職等における深刻な差別の実態の一端が明らかとなりました。

しかしながら、ヘイトスピーチ・デモ、街宣は未だに継続的におこなわれています。ヘイトスピーチ解消法の施行後、デモの件数は減少しているようですが、街宣は増加傾向にあり、そこでの表現は過激になっていると報告されています。差別禁止法がないために法的規制はされず、行政機関が許可するなかでヘイトスピーチはヘイトクライム(暴力)へと移行さえしています。また「解消法」や条例制定の動きにも正面から対抗しています。公人の差別発言も後を絶ちません。2018年2月には、朝鮮総聯中央本部銃撃という重大なヘイトクライムが発生しましたが、政府はこれを非難する表明すら行いませんでした。

 

2018年3月に採択された日本の人権状況に対する普遍的・定期的審査(UPR)の結果文書でも、多数の国から人種差別を含む差別を禁止する包括的な差別禁止法の制定が勧告されましたが、日本政府は受け入れていません。日本の差別撤廃政策が国際人権水準から掛け離れていることは明らかです。

日本に求められているのは、ヘイトスピーチ解消法の実効化のみならず、人種差別を明確に禁止し、被害者が法的救済を受けることを可能にするとともに、国及び地方自治体が差別を解消するための実効性ある施策を講じるための根拠法となる、人種差別撤廃基本法の制定ではないでしょうか。

 

神奈川県は、「ともに生きる社会かながわ憲章」を掲げています。

私たちは、マイノリティの権利と尊厳が守られる社会は、すべての人の権利と尊厳が守られる社会につながります。

国際化という視点から見ても、日本とアジア諸国との輸出入は約74兆円(2017年)と米国やEUを大きく上回っており、県内3大港(横浜港、川崎港、横須賀港)のアジア貿易の割合は、輸出額の54.1%、輸入額の43.9%と、アジア諸国との関係は大変強いものがあります。

また、神奈川県の外国籍県民は約20万人、中国、韓国、フィリピン、ベトナム、ブラジル、ペルーの順で、県民の46人に1人が外国籍県民であり、多様な文化が共存する神奈川の魅力ある地域社会を作っています。

 

ヘイトスピーチは「表現の自由」で守るべき法益ではなく、処罰すべき犯罪です。

人間の尊厳にたいする犯罪として抑止すべき対象です。刑法的規制で処罰するだけでなく、民法的規制や行政的規制、人権教育など、「根絶すべき社会悪」との認識を持ち、トータルで強力に抑止を推進することが必要です。法執行に携わる公務員には、人権侵害を禁止し予防する責任を定めた国連の法執行官行動綱領の遵守を強く求めます。

 

参議院法務委員会では、「ヘイトスピーチ解消法は第一歩であって、終着点ではない」 と決議しました。

 

マイノリティの権利と尊厳が守られる社会は、すべての人の権利と尊厳が守られる社会につながります。私たちはそういう日本で暮らし、命を育みたいと願います。

ヘイトスピーチ、差別煽動や不当な差別的取扱いを厳しく規制する包括的な差別禁止を含む人種差別撤廃基本法の制定を求めます。

 

共に生きるために。

 

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