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2018年10月20日

南海トラフ地震の危機が迫る中、伊方原発の再稼働は止めてください

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

四国電力伊方原発3号機の運転を差し止めた2017年12月の広島高裁の仮処分決定について、広島高裁は9月25日、四国電力の保全異議を認めて決定を取り消しました。差し止めの法的拘束力がなくなったことを受け、四国電力は、10月27日にも愛媛県の伊方原発3号機を起動し、11月28日に営業運転再開を目指すとしています。

今、南海トラフ地震の危機が迫っています。東日本大震災の被害総額は放射能被害額を除いても17兆円だそうですが、南海トラフ地震の被害予測は何と最悪20年間で1,410兆円と土木学会が推計を発表しています。
原子力規制委員会によると、伊方3号機の基準地震動は650ガルです。しかしこの9月6日の北海道胆振東部地震は震源地に近い安平町で1,505ガルを記録しました。大事故が起こるとよく「想定外」という言葉で逃げを打ちます。

南海トラフ地震の予兆と言われるスロースリップ地震は、日向灘ですでに観測されています。伊方原発で「想定外」の事故が起きれば、どうなるでしょうか。伊方原子力発電所を今敢えて稼働しなければならない理由がどこにあるのでしょうか。

伊方原発は稼働しないでください。

 

理由

1.「想定外」ではありません。災害史に向き合うべきです。

  • 伊方原発は佐田岬半島の付け根に位置します。佐田岬半島は中央構造線の南縁に当たり、活断層が原発の6kmほど沖を通っています。 中央構造線の地震では、1596年9月1日に伊予でM7、9月4日に豊後でM7〜7.8の地震が起き、続いて9月5には伏見と連動して起きた慶長大地震が有名です。1605年には南海プレートが動いたとされる大津波が日本各地を襲っています。私たちは辛い大災害の経験をしてきています。
  • 地震調査委員会の評価によって、中央構造線で地震発生確率が最も高いSランクとされているのが、愛媛県にある石鎚山脈北縁西部の断層帯です。今後30年以内の発生確率は3%以上で、全体が動いた場合の地震規模は最大でM7.5。地域によっては、「M8.0からそれ以上」とされています。
  • 広島高裁は2017年12月、阿蘇山の過去最大の噴火による火砕流が伊方原発敷地に到達しなかったと判断することはできないので、「立地不適」として、伊方原発3号機の運転を差し止めたのです。

 

2.避難計画の実効性が確保できないままの再稼働は、「人命無視」以外の何物でもありません。

  • 伊方原発のPAZ(予防的防護措置を準備する区域)及びUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)は、愛媛県の伊方町、八幡浜市、大洲市、西予市、宇和島市、伊予市、内子町と山口県の上関町と、2県の5市3町が含まれ、55,510世帯、12万3,838人の人口を擁します。
  • 言葉だけでなく「安全確保を最優先に慎重に取り組む」のであれば、少なくとも再稼働決定の判断をする前に30キロ圏の全住民の避難の図上訓練と実地訓練を行うことは不可欠です。例えば、緊急避難時における災害時要援護者(寝たきりの高齢者や障がい者、妊婦など)のための寝台車や船舶の確保、在宅の要援護者の避難先での対応(病院や施設などの確保)、避難する住民や車両のスクリーニング(放射線汚染検査)の場所の設定、緊急時のバス等移動手段の手配等をはじめとして、避難先の避難施設数、道路の渋滞状況の想定、人が多く集まる施設や企業での避難等が十分に解決されていなければなりません。その上で住民に説明責任を果たすことは社会的な義務の筈です。
  • これらの社会的義務を果たすことなく、まず再稼働ありきで前のめりにすすむ国民の命をないがしろにする政策には同意できません。
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