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2018年10月6日

海洋プラスチック廃棄物対策に日本のリーダーシップを求めます

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

6月8日及び9日にカナダにて開催されたG7シャルルボワ・サミットにおいて、日本と米国が、深刻化する海のプラスチックごみを減らすための数値目標を盛り込んだ文書に署名せず、環境団体から批判が相次いだと報道がありました。

7月には、ドイツのヘルムホルツ環境研究センター(UFZ)の研究プロジェクトによる、海洋に流出するプラスチック廃棄物のおよそ9割が、わずか10の河川から流れ込んでいるとの報告がされました。中国の長江、黄河、海河、珠江、ロシアとの国境のアムール川、メコン川、インダス川、ガンジス・デルタ、ナイル川、ニジェール川だそうです。

 

プラスチック廃棄物が海洋に流出し、海洋生態系を脅かすようになって久しく、世界全体で年間800万トンのプラスチック廃棄物が海洋に流れ込んでいると推定されています。世界の海岸清掃で回収されたごみ上位10種類のうち8種類は、ペットボトルなど使い捨てプラスチック製品だそうです。

更に米ミネソタ大などの研究グループによれば、世界13か国の水道水のほか欧米やアジア産の食塩、米国産のビールに、マイクロプラスチックが広く含まれていることも報告されています。水道水の検出率は81%と高く、ほとんどは繊維状で繊維製品由来とみられています。マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響は不明ですが、研究グループは「日常生活で避けられない水道水の汚染が世界に広がっていることは大きな懸念材料だ」と警告しています。

東京都環境局によれば日本近海のマイクロプラスチックは、2015年時点で日本周辺海域では北太平洋の16倍、世界の海の27倍にも及ぶとのことです。UNEPによると、2015年の世界のプラスチックごみのほぼ半分が、包装容器などの使い捨て製品。総排出量は中国が最多ですが、1人当たりの排出量では米国に次いで日本は2番目に多いそうです。

 

こうした現状を踏まえて、欧米ではプラスチック使用の禁止や規制が進んでいます。今年5月にはEUが、一部の使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する新たなルールを提案しました。国連環境計画(UNEP)によれば、レジ袋や発泡スチロール製食器など、海洋汚染を引き起こす使い捨てプラスチック製品の生産を禁止したり、使用時に課金したりする規制を導入済みの国・地域が、少なくとも67に上るとまとめています。

 

1人当たりの排出量が世界で2位の日本でも、環境中への放出を規制するとともに、課金などを通じて製品の使用を抑える方策を取るべきではないでしょうか。規制や抑制策は、プラスチックに代わる素材の開発や普及の促進になります。閣議決定された国の循環型社会形成推進基本計画にも「プラスチック資源循環戦略」を新たに策定することが盛り込まれており、早急な対策強化を行い、世界を主導するべきです。

 

使い捨てのライフスタイルを見直し、プラスチックによる海・河川・地域社会の汚染を抑えるため、使い捨てプラスチック製品の生産・消費を削減し、リデュース・リユースをすすめましょう。

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