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2018年7月7日

核兵器禁止条約採択1周年を迎えて

神奈川県生活協同組合連合会
代表理事会長 當具伸一

2017 年 7月 7日、ニューヨークの国連本部で 122 ヵ国の賛成のもと、核兵器禁止条約が採択されました。ここに、これまで国際法で明確に禁止されることのなかった唯一の大量破壊兵器である核兵器が「違法である」と認識され、「核兵器のない世界」へ世界は歴史的な一歩を踏み出しました。

 

採択から1年。国際政治においても各国でも前向きな変化が生まれています。

9月20日に調印・批准が開放された核兵器禁止条約は、7月5日現在で調印:59か国、批准:11か国(ガイアナ、タイ、バチカン、メキシコ、キューバ、パレスチナ、ベネズエラ、パラオ、オーストリア、ベトナム、コスタリカ)となりました。

朝鮮半島では、4月27日、板門店で南北首脳会談が開かれ、「完全な非核化」と「(朝鮮戦争の)終結を宣言 し、停戦協定を平和協定に転換」するという歴史的合意がなされました。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は7月6日、ドイツ、イタリアなど北大西洋条約機構(NATO)加盟4カ国で、それぞれ千〜2千人の18歳以上の住民の世論調査を行い、3分の2以上が「自国政府は核兵器禁止条約に署名すべき」と回答したとする結果を発表しました。ICANは、米国の「核の傘」下の国でも「核兵器が非人道的な惨禍をもたらすと認識され、明確に拒否されるようになっている」と指摘しています。

また国内では、日本政府に核兵器禁止条約への調印・批准を求める意見書は7月6日現在、37都道府県の290自治体議会で採択され、県議会レベルでは、岩手、長野、三重が賛成多数で採択。4番目の沖縄は初の全会一致となりました。

この時期、被爆者とともに国民が長年にわたり熱望してきた核兵器完全廃絶につながる画期的な核兵器禁止条約、条約実効へと世論と運動を発展させる「ヒバクシャ国際署名」を呼びかけ、核兵器禁止条約をアピールする「PeaceWave2018」が神奈川をはじめ全世界で行われています。

 

核兵器禁止条約では前文において、「核兵器の使用の被害者(Hibakusha)及び核兵器の実験により影響を受けた者にもたらされる容認しがたい苦しみと害」に心を寄せ、「核兵器によりいかなる威嚇又はいかなる使用も武力紛争に適用される国際法の規則、特に国際人道法の原則及び規則に違反する」「核兵器のいかなる使用も人道の諸原則及び公共の良心に反する」ものであり、「核兵器の法的拘束力のある禁止は・・・核兵器のない世界の達成及び維持に向けた重要な貢献」としています。

条約は国際的な法律上の規範となり、核兵器に依存しない21世紀の安全保障の形をつくることにつながります。「核兵器は違法だ」と言えるようになることは大きな成果であり、国連総会が1946年第1号決議で「核軍縮を国連の最優先目標」として以来、核兵器を無くす取り組みの偉大な一歩です。

 

人間がつくり出した核兵器は人間のみが無くすことができます。

国連の軍縮部門トップの中満事務次長が述べているように、「採択をきっかけに核保有国と非保有国の対話が進み」、地球上の全ての国がこの核兵器禁止条約を承認することを望みます。

そして私たちは、唯一の戦争被爆国である日本こそが積極的な役割を果たしていくことを強く願っています。

 

昨年のノーベル文学賞を受賞した原爆を経験した母親を持つ英国人作家カズオ・イシグロさんは朝日新聞などのインタビューに応じて、母に「記憶を次の世代につないでいくことが大事」と言われたことを「どのように世界は間違った方向に行って、どれほど悲惨なことが起きるのか、知ること」「日本でもヨーロッパでも、第2次世界大戦を生き抜いた人たちがどんどん亡くなっている。少なくとも私たちは、第2次世界大戦を生き延びた人たちに育てられた。彼らの話を次の世代に受け継いでいくことは私たちの世代の責任だ。」と話されたと報道されています。

 

私たちは、記憶を受け止め、神奈川県原爆被災者の会の皆さまとともに、すべての国が核兵器禁止条約に参加することができるように、これからもヒバクシャ国際署名への多くの市民の賛同を呼びかけ、核兵器のない地球の実現をめざします。

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