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2018年7月7日

第5次エネルギー基本計画の閣議決定について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

7月3日、第5次エネルギー基本計画が閣議決定されました。

今回のエネルギー基本計画では、常に踏まえるべき点として「東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むこと」等を原点として検討を進め、2030年(エネルギーミックスの確実な実現へ向けた取組の更なる強化)、2050年(エネルギー転換・脱炭素化に向けた挑戦を掲げ、あらゆる選択肢の可能性を追求していく)に向けた方針が示されていることになっています。

そうなっているでしょうか。

 

1.決定に至るプロセスはどうであったのか

エネルギー政策の立案に関しては、多くの市民団体が繰り返し要請したのにもかかわらず、公聴会を開くことなく、パブリック・コメントについても論拠を上げて脱原発の必要性を指摘する意見が多かったのにもかかわらず、まともな回答はされませんでした。「ご意見箱」を作ってもそこによせられた意見に対する分析や検討等もされませんでした。

「国民の意見を一応聞く形は取ったがそれ以上のものではない」という典型です。

いくら文章上「国民の信頼の回復」を繰り返し、「一方的に情報を伝えるだけでなく、丁寧な対話や双方向型のコミュニケーションを充実することにより、一層の理解促進を図る」としてはいても、言っていることとやっていることがこれほど真逆では、国のエネルギー政策に対して信頼を寄せることはできません。

 

2.事実を無視している

基本計画では相変わらず原発は、「運転コストが廉価」「安定供給に優れている」「準国産」「世界で最も厳しい水準の規制基準」とし、事実を曲げても原発維持を正当化するものになっています。

国は東京電力福島第一原発事故が起したこと、事故以降で明るみに出た多くの事実に向き合うべきです。

 

3.抜本的なエネルギー政策の見直しを

エネルギー政策を考える際のベースは、福島第一原発事故への深い反省でなくてはなりません。

福島第一原発事故は未だ継続中で甚大で回復不可能な被害が広範囲にわたり生じています。事故原因の究明は終わっていません。廃炉・除染・賠償等の費用は膨れ、政府試算でも5兆円、さらに上振れするといわれています。大量の除染土は行きどころがなく、公共事業で使うというとんでもない方針まで出されています。ふるさとや文化、自然や人々のつながり、暮らしは失われました。住宅の提供を打ち切られた避難者は困窮し貧困化しています。分断された人々は被ばくによる健康リスクと不安を口にすることすらできない空気にもなっています。

更に根本的な問題としては、解決できない核のゴミ、地震大国に立地するための事故のリスク、事故に対応するための膨大なコストと想定される広範な国土の荒廃、そもそも被ばく労働を前提とする原発、など数多あります。

2012年に行われたエネルギーの未来に関する「国民的議論」においては、検証委員会は「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会にしたいという方向性を共有している」と結論づけている筈です。

温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の発効や近年のエネルギー情勢の変化と国際的動向を踏まえ、抜本的なエネルギー政策の見直しを求めます。

  • 原発は「ベースロード電源」と位置づけるのではなく、早期の脱原発を明記すべきです。また原発輸出も止めるべきです。
  • 破綻している核燃料サイクルは中止を明確にすべきです。
  • 原発廃炉、核のゴミ処理、再生可能エネルギー分野の技術革新、省エネ・エネルギー需要削減のために、国の費用と技術を集中させるべきです。
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