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2017年12月29日

原子力規制委員会の東京電力柏崎刈羽原発6号機、7号機に対する審査書決定について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

原子力規制委員会は12月27日の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発の6号機と7号機の安全対策が新規制基準に適合していると認める「審査書」を決定し、同日午後には原子力規制庁より東京電力に合格したことを示す文書が交付されました。

東京電力原発の合格は、福島第1原発の大事故以来初めてであり、更に福島第1原発と同型の「沸騰水型」としても初めてです。

報道によれば更田豊志原子力規制委員会委員長は、「福島の事故の当事者である東京電力が許可を受けたことについて、道義的な責任に照らして言えば厳しい批判があって当然であり、規制委員会も当然そういう思いは持っている。ただ、私たちはできるだけ感情論に左右されずに技術的能力を見てきた。難しさもあったが、できるだけのことはやったというのが率直な所感だ」と記者会見で述べたそうです。

 

規制委員会の決定は、「どんなことがあっても二度と福島第一原発のような事故があってはならない、起こって欲しくない」とする国民の気持ちとかけ離れています。規制委員会は、失墜した原子力行政に対する信頼を回復するために設置された筈ですが、柏崎刈羽原発6、7号機の審査は他社原発より優先して進めるという特別扱いをし、更に「運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はない」と結論づけた上での「審査」です。

しかし東電は、福島第1原発事故の最中に、当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と社内に指示し、その事実をひた隠しにしてきた会社です。今なお、肝心の事故原因は十分には解明されていません。巨額の公的支援を受けているにもかかわらず、損害賠償や廃炉といった事故処理は遅れています。本来は株式会社として淘汰される筈の東電です。

 

神奈川県消団連は、11月8日に以下の要旨の意見書を出しました。

福島第一原発の大事故による放射能の環境汚染や汚染水漏れ、事故の原因究明と対策、原発被害者への支援は解決のめどが立っていません。そもそも原発事故を起こした当事者であり、自ら起こした大事故に対して解決能力のないことが明らかである東京電力に、「原発を再稼働したい」とする資格があるのか疑問です。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号炉、7号炉の再稼働は認めるべきではありません

 

1.東京電力に柏崎刈羽原発の設置者としての適格性はありません。

原子力規制委員会は東電の適格性を判断するために7項目の「基本的考え方」を示していますが、東電の回答に具体性は何もありません。

福島第一原発の実情を見れば、さまざまなずさんな実態が明らかになっています。廃炉のメドはたたず、放射能の垂れ流しは続いています。汚染水はたまり続け、発生を止めることすらできていません。

規制委員会は東京電力について「運転を適確に遂行するに足りる技術的能力がないとする理由はない」と結論づけています。最初から結論ありきのこのような評価は、原子力規制委員会の役割を放棄するものです。

 

2.東京電力に原発を運転し事故発生に対応できる経理的基盤はありません。

東京電力は、自らが起こした事故の費用負担について、「このままでは債務超過に陥る」と公的資金の注入を求めました。国が東京電力救済のために、廃炉・賠償費用に公的資金などを注入できる仕組みを作った結果、東京電力は破綻を免れているのではないでしょうか。

審査には経理的基礎の確認も含まれている筈です。世間ではこのような場合、「経理的基礎はない」と判断します。

 

3.汚染水対策は方針でしかありません。体制整備はなされておらず、原子炉設置者としての適格性はありません。

審査書では、「放射性物質を含んだ汚染水が発生した場合の対応策について、福島第一原子力発電所事故における経験や知見を踏まえた対策を行うとともに、事後の収束を円滑に実施するため、平時から必要な対応を検討できる協力体制を継続して構築する方針である」としか記載はありません。現状において体制整備がされていないことは明らかです。

 

4.新規制基準にはないものを設備として使用するのであれば、代替システムの実証実験及び評価は不可欠の筈です。

今回の東京電力提案としては、原子炉格納容器内の圧力および温度を低下させるために、代替循環冷却および格納容器ベントを必要な対策としています。

代替循環冷却は原子力規制委員会の新規制基準にはないものであり、であるなら原子力規制委員会は代替循環冷却システムの実証実験を行い評価すべきです。

 

5.5号炉原子炉建屋内緊急対策所は免震構造になっていません。

原子力規制委員会の新基準は免震重要棟の設置を求めていますが、5号炉原子炉建屋内緊急対策所は耐震構造ではあっても、免震構造ではありません。

従って新基準に適合しているとはいえません。

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