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2017年12月22日

神奈川県消費生活条例の改正にかかる県知事答弁について

 

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

2017年12月5日の神奈川県議会本会議の代表質問において、黒岩県知事が行った神奈川県消費生活条例の改正にかかる答弁は、条例改正のプロセスにおいても、消費者被害への認識についても、消費者行政に責任を持つべき知事の発言としては見過ごすことはできません。消費者団体として、また消費生活審議会委員として強く抗議の意を表明します。

 

1.知事の答弁は、自身が諮問し8月20日に消費生活審議会より提出された答申、及び答申を踏まえて9月27日から10月26日に行なわれた「改正骨子案」県民意見募集の結果を無視したものです。

(1) 消費生活審議会においては、事業者委員も含めて慎重な審議が重ねられ「ステッカー等により拒絶の意思表示をした世帯への訪問販売を禁止する規制を設けること」を含む答申がまとめられました。審議会の「答申」内容は尊重されるべきであり、否定されるいわれはありません。多数の訪問販売被害者を身近に知っている消費者団体として、今回の消費生活審議会の答申には強い期待を寄せておりました。

(2) 県から消費生活審議会に示された神奈川県消費生活条例改正に向けてのスケジュールは、審議会の答申を受けて県は骨子案を作成し、骨子案に対して県民意見募集を行い条例素案が作成され、11月開催の消費生活審議会で議論し、2018年の2月県議会に条例改正議案として提案することとなっていました。

しかしながら、11月に予定されていた消費生活審議会は延期となり、県民意見募集の結果は、1,200件を超える意見のうち半数が訪問販売規制に関するもので、うち7割が規制を設けることに賛成意見であると聞いておりますが、県のホームページで公表されていません。消費生活審議会も未だ開催されていません。

(3) 本来の検討の過程を無視し、内容においてもステッカーに関する規定を「削除」して県議会に提案されました。また県議会冒頭の代表質問の段階で、尊重すべき審議会答申、県民意見募集の結果を否定した「削除」を結論づけた県知事答弁がされたことは、県民の代表である県議会での議論を無視するものであり、許されません。

 

2.知事の言う「削除」理由はすでに審議会でも議論され尽くしたこと。

(1) 知事は答弁の中で、「削除」の理由として「ステッカーを貼ってある家庭への狙い撃ち」、「見守り活動への弊害」「健全な事業者への影響」を挙げました。「ステッカーを貼ってある家庭への訪問販売禁止」は必ずしも最善策ではない。「自主規制の拡大」に期待し、「知事の宣言」で悪質訪販の被害を防止すると述べました。

消費生活審議会でも知事が答弁したことと同様に発言が事業者委員から出されましたが、十分な議論の中で、被害件数の多さ、勧誘方法の悪質さ、高齢者の占める割合の高さ、高額被害による老後の生活が脅かされている現実、などの実態から、消費者を守るためには消費生活条例に位置付けることが必要との内容で事業者委員も含め合意し答申に反映された経過があります。

(2) 自主規制でいえば、自主規制は重要ですが、自主規制があっても守られていない実態を知るべきです。自主規制頼りでは消費者被害は防げません。ましてや知事が「宣言」をしてどうにかなるというものではまったくありません。

(3) すでにステッカーを条例上位置づけた自治体においては、知事が懸念として挙げた問題はなく、むしろステッカーと連動した見守り活動などで効果が得られているとも指摘されています。先行して実施している自治体ではどうなっているのか、事実を把握するべきではないでしょうか。

(4) 地域社会に根付いた健全な事業者であれば、健全なルールを歓迎します。

 

重大な問題をはらむ知事の今回の答弁には抗議し、撤回を求めます。消費生活審議会の答申及び、県民意見募集の結果を尊重し、プロセスを正常化させ、訪問販売規制を含めた条例改正案に立ち戻って審議がされる事を求めます。

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