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2017年11月27日

「県庁本庁機関の再編」について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

この件に関しては11月14日に消費生活課長との懇談、11月16日付でメールによる総務局組織人材部人事課長名の回答を受けましたが納得できませんので三度目となる意見を表明します。

 

1.危機管理部局である安全防災局の中に消費生活部門が入ることには強い違和感を覚えます。

私たちの仲間が日本全国の都道府県の組織を調べてみましたが、危機管理部局の中に消費者生活部門が所属しているところは一つもありませんでした。危機管理部局である安全防災局の中に消費生活部門が所属することは、受け持つ仕事の性格からいって無理があると思います。「もう安心まちづくり部門が入っているからいいじゃあないか」という問題ではありません。県民は「安全防災局」から「消費生活」は想起できるものではありません。

 

2.人権施策の推進強化こそ「県政の重要課題に的確に対応する」ものです。

この間、神奈川県においては、川崎市における老人ホーム投げ落とし殺人事件、川崎市のヘイトスピーチ、県における朝鮮学校の学費補助金不交付、東京電力福島第1原発事故で福島県から横浜市に自主避難した男子生徒がいじめを受けていた問題、小田原市の生活保護担当職員による不適切ジャンパー着用問題、海老名市議会議員が「同性愛者は異常動物」と発言した問題、知的障害者施設県立津久井やまゆり園で発生した 19 人が死亡、 27 人が負傷した元職員が起こした殺傷事件など人権を踏みにじる深刻な事案が相次いでいます。

また神奈川県は津久井やまゆり園の殺傷事件を踏まえ、2016年10月に策定した「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念を広げるため、広報啓発の推進事業費の一つとして著名人らの協力を得て「共生フェスタ(仮称)」を秋ごろに開くとしました。「名は体を表す」といいます。多くの批判意見があり「みんなあつまれ2017」(台風のため中止)と変更されましたが、県自身の人権意識の到達点は「共生フェスタ(仮称)」という名前に端的に表れています。「フェスタ(Festa)はイタリア語で祭とか祭事のことです。県立施設で起こった深刻な事件を踏まえた取り組みが、何で「フェスタ」となるのでしょうか。

世界的に強まっている効率主義や排外主義と同根である「命に優劣がある」とする優生思想(実際にネット上では凶行を行った者への「共感」が多く表明された)に対して、県は強い問題意識を持って人権政策を根本から見直し、障がい者の環境を改善し、健常者が障がい者とじかに触れ合って無知や無関心を解消していくべきなのではないでしょうか。

人権は、「すべての人々が生命と自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」であり、「人間が人間らしく生きる権利で、生まれながらに持っている権利」です。学校や地域で、ゆがんだ価値観や格差の拡大が放置されていないか、個人の尊厳を踏みにじる差別や偏見の存在から目を背けてこなかったのか、そもそも県の施策が機能していたのかが問われています。

神奈川県の「かながわ人権施策推進指針」のリーフレットの表紙には「人権がすべての人に保障される地域社会をめざして」とあります。

今こそ人権行政を県政の重要課題として的確に対応すべきです。

 

3.外国からの観光客をお迎えするためには、「共生」を言葉だけにしてはなりません。

政府観光局の発表による訪日外国人観光客を国別にみると多い順に、@中国637.3万人、A韓国509万人、B台湾416.7万人、C香港183.9万人、D米国124.2万人、Eタイ90.1万人、その他442.5万人となっており、圧倒的に近隣のアジア諸国からの訪日者が多いことがわかります。

また県国際課発表による県内外国人住民数は164か国・地域16万6,006人で、県民の約55人に1人が外国籍です。国別には、@中国5.4万人、A韓国・朝鮮2.9万人、Bフィリピン1.8万人、Cベトナム0.85万人、Dブラジル0.78万人の順となっています。

2020年東京オリンピックを意識して観光客をお迎えするならば、「神奈川県にお金を落としてくれる観光客」としての上っ面の考えで済ませるのではなく、まず土台として日本語を母語としない子どもたちや海外にルーツを持つ県民との「共生」を、前述の人権問題として捉えて積極的に位置づけ取り組んでいく姿勢が重要と考えます。

 

<資料>

神奈川県からの回答

 

日頃から県政にご理解とご協力をいただき、厚くお礼申し上げます。

このたびは、「わたしの提案(神奈川県への提言)」に本庁機関の再編に関して貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。

消費生活課は、幅広い消費生活行政の課題に対応するため、関係団体の皆様のご協力をいただきながら、県民の皆様の安心を支えてきたものと考えています。今回の再編により安全防災局に移りますが、消費生活課がこれまで行ってきた業務や役割はもちろん、関係団体の皆様との関係においても何ら変わることなく、引き続き「かながわ中央消費生活センター」として、しっかりと消費生活行政を担っていくことを、まずはご説明させていただきます。

さて、消費生活部門の移管先である安全防災局は、危機管理や災害対策といったイメージが強いですが、防犯や交通安全等安全・安心まちづくり部門も所管しています。安全・安心まちづくり部門はかつて県民部が所管していた部門でもあり、消費生活部門とは、特殊詐欺や悪徳商法の被害未然防止のための情報交換やキャンペーン等で日頃から連携するなど、業務の関連の深い部門です。

ご指摘のとおり消費生活行政は消費者被害の未然防止だけではありませんが、高齢社会を迎える中、高齢者の方々に対して、防犯や交通安全と一緒に、高齢者が狙われやすい特殊詐欺や悪徳商法の被害未然防止を推進していくことは効果的であると考えています。幅広い消費生活行政への対応のご懸念については、県では、どの局においても県民生活に関する施策を部局横断的に推進していますので、消費生活行政がどこの局に再編されても、これまでと同様に対応していきます。

また、共生社会の実現に向けた取組みについては、全庁を挙げて取り組むべき重要な課題であると考えており、再編後は、保健福祉局の福祉部門、県民局の次世代育成部門、人権男女共同参画部門を統合して設置する福祉子ども局(仮称)がその中心となり、引き続き推進してまいります。

行政改革推進本部での議論が必要とのご意見についてですが、行政改革推進本部の所掌事項は、行政改革の基本方針や第三セクターの設立等の基本方針、指定管理者制度の運用方針等と多岐に渡っています。そのため、行政改革の具体的取組みのすべてを行政改革推進本部で決定しているわけではなく、取組実績の一つとして、組織再編の進捗状況を報告しています。

今回の再編は、県政の重要課題に的確に対応するためには、どういった組織体制がよいかという視点で検討しているものです。県としては、消費者の皆様の安全を第一に考え、消費者被害の救済や未然防止はもちろん、消費者教育の推進、食品や製品の安全性、表示の適正化など、幅広い消費生活行政のより一層の推進に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。

今後とも、消費者行政の推進に当たり、ご理解とご支援をよろしくお願いします。

平成29年11月16日
神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘 様

 

神奈川県
総務局組織人材部人事課長 河鍋 章

問合せ先

人事課人事企画グループ 吉田 電話(045)210-2160

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