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2017年10月27日

建設アスベスト神奈川第2陣訴訟の横浜地裁判決を受けて

建設アスベスト訴訟の早期全面解決と被害者補償基金制度の創設を求めます

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

10月24日、横浜地裁において一つの判決が下されました。

建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込み肺がんなどになったとして、神奈川県などの建設労働者や遺族61人が国と建材メーカー43社に約16億7千万円の損害賠償を求めた第2陣集団訴訟の判決です。

 

アスベストは大量に産出され、安く、加工しやすく、軽く、断熱性・耐火性・耐薬品性・電気絶縁性・防音性が高い・通常環境条件下では分解も変質もしないなどの特質を有することから「奇跡の鉱物」と重宝がられ、特に建築資材に使われていました。

この「奇跡の鉱物」が今や「悪魔の鉱物」と呼ばれています。アスベストが発がん物質で危険だということが国際的な共通認識になったのは今から50年以上前になります。それにも関わらずアスベストが日本で使用を禁止されたのは2006年とほんの最近です。アスベストを吸って病気になるまでには10年〜40年ほどの潜伏期間があるとされており、今後被害者がどんどん増加していくと言われています。

建築資材にアスベストが使われていて危険であることも知らされないまま、建築現場で働き続けてきた建築職人さんたちが今、アスベスト被害に苦しんでいます。

今後は、建物の解体も増加していきます。

 

横浜地裁は国とメーカー2社(ニチアス、ノザワ)に対し、計約3億5百万円を原告39人に支払うよう命じました。全国6地裁で起こされた集団訴訟で企業側の責任を認めたのは、昨年1月の京都地裁判決に続き2例目となります。また国の責任認定は6例目です。大竹優子裁判長は、「74年ごろにはアスベスト関連疾患を発症する危険性を認識でき、76年までに防じんマスクの使用や作業現場への警告表示を義務付けるべきだった」と指摘しました。またメーカーについても「メーカーは1976年にはアスベストの危険性を警告すべき義務があった」と認定。「発症にどのくらい寄与したか不明でも、被害者が建設現場で吸い込んだと認められる建材を製造したメーカーの責任を認めるのが相当」として、メーカー2社に賠償を命じました。

しかし原告の中うち個人事業主の「一人親方」については、労働基準法で保護される労働者に当たらないとして、従来通り国の責任は認められず、2人についてはメーカーのみの賠償となりました。本当に残念です。

 

建設アスベスト訴訟は、2012年12月5日の東京地裁判決以降、5つの地裁で国の責任を認める判決が連続して言い渡されてきました。今回の横浜地裁判決は、これらに続くものであり、国の責任を認める司法判断は不動のものとして確立されたと認識します。

また今回、2016年1月29日の京都地裁判決の「一定以上のシェアを有する建材メーカーに対して損害賠償を命じた」判決に続き、建材メーカーに損害賠償を命じました。

 

この間の連続する判決を、国と建材メーカーは正面から受け止めるべきです。

国と建材メーカーは、今こそ建設アスベスト訴訟の早期全面解決と建設アスベスト被害者補償基金制度の創設を決断すべきです。

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