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2017年7月17日

川村隆・東電ホールディングス会長の「トリチウム海洋放出」発言に抗議します

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

東京電力福島第1原発でたまり続ける放射性物質「トリチウム」を含む水の処分方法を巡り、東電ホールディングスの川村隆会長が7月13日に「(海洋放出の)判断はもうしている」と発言した問題で、福島県漁連は14日、発言の撤回を求め川村会長に抗議文を出し、吉野正芳復興相も同日の閣議後の記者会見で「(放出すれば)風評被害は必ず発生する」と反対の意向を示しました。

 

福島県漁連の抗議文は、「県民に大きな不安を与え、試験操業に大きな影響を及ぼしかねない」と批判。「トリチウム水の海洋放出に断固反対する」と改めて表明しています。県漁連の野崎哲会長は記者の取材に対して、「東電はトリチウム水を構内のタンクで貯留すると約束してきた」との認識を強調し、有識者による国の小委員会が処分方法を審議中であることに触れて、「ずいぶん唐突な話だ。汚染水対策に協力してきた漁業者が反発するのは必至だ」とし、「科学的に海洋放出は問題ない」とする原子力規制委員会の田中俊一委員長と「同じ意見だ」との川村会長の発言には「東電のトップがある種の予断を持っているということであり、不安を覚える」と述べたと報道されています。

 

廃炉過程にある東京電力福島第1原発では、現在敷地内の約580基のタンクに約77万7千トンの汚染水があります。この間も東京電力は、13年7月22日、それまで隠していた福島第1原発での汚染水海洋流出事故を突然公表し、15年2月にも別の長期にわたる汚染水流出事故の隠ぺいが発覚しています。

 

この間、福島の漁民たちは消費者に向けて、福島の魚の安全を証明し信頼を取り戻そうと試験操業の取り組みを慎重に行ってきました。漁民の気持ちや取り組みを足蹴にするような川村会長の発言には、「トリチウム水の海洋放出が最も低コスト」(そりゃそうでしょう!)で海洋放出を唯一の方針として作業を急ごうとする政府の動きが透けて見えます。

2013年7月に汚染水海洋流出事故が明るみに出て間もなく、ブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会総会で安倍晋三首相が、汚染水の状況は「 コンプリートリー・ アンダーコントロール」と国際社会に明言して2020年東京オリンピック招致しました。2020年の前には汚染水問題を海に流して片付けてしまいたいのだとしか思えません。

 

福島の漁業者は言います。「国が前面に出ると政府は繰り返してきた。福島県の漁業者も汚染水対策を承認する条件として、トリチウム水の海洋放出だけはしないで欲しい、と求めてきた。それだけ影響の大きな問題なのに、政府は合理性を前面に押し出して福島県の漁業者を追い込むような空気をつくり、最終判断の責任をひとり負わせようとしているのはどうなのか」と。

 

私たちは消費者として、東京電力や政府が原発事故の責任を取ろうとせず、福島の漁業者を追い詰めていく一連のやり方に抗議します。

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