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2017年7月17日

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン(案)についての意見

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

川崎市において、重大な人権侵害を受けているマイノリティの人権を守る取り組みが検討されていることについて、評価するものです。

ヘイトスピーチを巡っては、国や自治体に相談体制の整備や、教育、啓発活動の充実を求める「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ対策法)が2016年の通常国会で成立し、6月に施行されています。

今回、川崎市が「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく『公の施設』利用許可に関するガイドライン」(案)を策定し、行政機関として人権被害を未然に防ぐことに強い意志を示すことには大いに賛成します。ぜひガイドライン施行時には、福田紀彦川崎市長自身による「ヘイトスピーチを許さない」との声明発信によって川崎市の「許さない」強い意志を表明することを期待します。また今後、ガイドラインに留まらず、「多文化共生を推進する人権条例」制定も検討し実現してください。

 

ガイドラインを評価する立場で、いくつか補強のための意見を出します。

 

1. 基本的な考え方について

「不当な差別的言動が行われるおそれが客観的な事実に照らして具体的に認められる場合については、不許可にすべき」「恣意的な判断を避けるために」という内容は明示されていることが必要です。

また不許可、許可取り消しの要件として「差別的言動が行われる恐れが客観的な事実に照らして具体的に認められる場合(言動要件)であり、かつ、その者などに施設を利用させると他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険のあることが客観的な事実に照らして明白な場合(迷惑要件)と判断される時に限って行うことができる」としていますが、以前に福田紀彦市長が行った公園使用不許可の際の声明、「市民の安全と尊厳を守る、という観点からこのような判断に至りました」とは大きな違いが感じられます。差別される市民の安全と尊厳を守り人権被害を未然に防ぐという市の姿勢を明確に示すことが基本的な考えの根幹でなければならないと考えます。

 

2. 対象となる本市施設について

「これ以外の本市施設」については、ガイドラインの対象となる施設に準じて、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、施設の設置・管理者が適切に判断する必要があると考えるとされています。どのような施設を意味するのか明記することが必要です。

 

3. 選挙運動を利用したヘイトスピーチについて

公職選挙法の適用を受ける選挙運動等については同法に基づいて判断しなければならないとありますが、報道機関の取材に対し法務省人権擁護局は、「選挙運動だからといってヘイトスピーチが許されないことに変わりはない」との見解を示しています。判断について、は公職選挙法に限定することなく「ヘイトスピーチ解消法及び公職選挙法基づいて判断しなければならない」と明記することが必要です。

 

4. 判断方法について

判断方法」に関しては、申請者・団体側の情報発信(告知内容)等を確認するほか、申請者・団体の性質及び活動歴等も勘案の上、総合的に判断しなければならないとあります。その確認手段にはヘイトスピーチに反対する側も含めて情報を収集し、判断をしてください。

 

5. 第三者機関への意見聴取について

第三者機関を構成する人数は、大阪市ヘイトスピーチ審査会と同様に少なくとも5人とし、その中に必ず被害当事者とマイノリティーの人権問題に詳しい学識者や弁護士を入れてください。

 

6. 関係者の研修について

判断に当たる職員をはじめとする多文化共生に係わる職員に対する人権、人種差別、ヘイトスピーチに関する研修を継続的にすすめてください。その際には、マイノリティー当事者をはじめ反差別運動に当たっているNGOや市民団体、学識者など外部の人材を講師に招いてください。

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