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2017年2月18日

平成29年度神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)に対する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

 

平素より県民の食の安全・安心に係る重要な取り組みにご尽力を頂いていることに感謝致します。この食品衛生監視指導計画も年々判りやすくまた充実したものになっており、今後も継続的改善を期待するところです。

食の安全・安心の確保は行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものでありますが、これからも引き続き県の積極的な役割発揮を期待して以下に意見を述べます。

 

1. 意見募集について

この間の神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)に対して提出された意見は、2016年の意見提出者6(3団体・3個人)の意見項目数34件でした。この間の状況はそう変わっておりません。

食品衛生法において位置付けされている本制度ですが、毎年食生活を不安にする出来事が起こっている一方で、意見募集への提出者の少なさについては本当に残念に思います。県の食品衛生担当部局も食品衛生課から生活衛生課と変更となり、食品衛生の位置づけが弱まってはいないかとも心配してしまいます。

より多くの県民・食品関連事業者に食の安全・安心の確保の取り組み及び食品衛生監視指導計画を認識し関心を持っていただくためにも、引き続き更なる工夫や連携のあり方について検討してください。

食の安全・安心の確保は、行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものとして関係者の積極的な関与がすすむようにこれからも努めてください。

 

2. 第1 「食品衛生監視指導計画」策定の基本的考え方について

国及び県等は監視指導その他の食品衛生に関する様々な施策を策定し実施する責務があります。勿論、行政の施策実施だけでその目的を達成することは困難で、まず食品の安全性を確保する第一義的な責任は食品を提供するものとして食品関連事業者にあります。また消費者も食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、安全施策について適切な意見を提言するよう努めるなど、積極的な役割を果たすことが期待されています。

従って、確かに「食品の安全性の確保は一義的に食品関連事業者の責務である」訳ですが、監視・検査体制の充実とともに、消費者に対する食の安全性確保に関する知識の普及啓発を図り、消費者・食品関連事業者・県の三者での取組みを通じて相互理解を深め、リスクコミュニケーションの推進により、食に対する信頼の醸成を図ることが重要と考えられます。

「県、食品関連事業者、消費者の役割分担」、「フードチェーンの各段階における監視指導の実施に関する基本的方向」等、基本的考え方として記述をしておく方がより理解がすすむように思われるので検討して下さい。毎年意見として出していることですがご容赦下さい。

 

3. 国の平成29年度輸入食品監視指導計画(案)との関係について

平成29年度の国のモニタリング検査延計画数は97,500件、重点的に監視指導を実施すべき項目は4点とされ、@輸入届出の審査による食品衛生法への適合性確認、 Aモニタリング検査の実施(病原微生物に係るモニタリング検査の重点的な実施/肥育ホルモン剤等に係る検査について、一定の検査数を確保して実施/モニタリング検査強化品目の解除要件に輸出国での再発防止対策を追加/ モニタリング検査実施時に従来よりも検査結果が判明する期間を短縮できる試験法の導入を推進/ Bモニタリング検査以外の行政検査の実施、C検査命令の実施、D包括的輸入禁止措置の検討、E海外からの問題発生情報に基づく緊急対応、であるとしています。県民からみれば行政の食品衛生の取り組みは、国+県+保健所設置市の取り組みとして、特に輸入食品については国の輸入食品監視指導計画ともリンクをした県の食品衛生監視指導計画ですので、簡略に関係が示されていると、理解も増すものと思われます。

 

4. 重点監視指導事業について

(1) 食中毒予防対策

食中毒の発生場所が食品事業者側が多いことに鑑み、食品等事業者、調理従事者における取り組みを継続的に強化して下さい。また食肉の生食の裏メニュー化を許さないためにも、情報提供や啓発・教育に関して、業界団体とともに消費者団体等と連携をして下さい。

(2) 適正な食品表示の徹底

食品表示法の施行により、周知について食品等事業者に対して積極的に行うのはもちろんですが、その表示を活用しくらしを支えているのは消費者です。生協では消費者運動としても歴史的に安全性の確保の取り組みの柱として適正表示の課題に取り組んできました。消費者への啓発・教育については積極的に生協等とも連携・活用して、新しい表示の理解が進み、健康的なくらしをつくるために表示が活用されるようにして下さい。

(3) 危害分析・重要管理点方式を用いた衛生管理の普及啓発

HACCPの導入は確実に、授業員の衛生管理に対する意識やモチベーションの向上、従業員の経験やカンに頼らない安定した安全な製品の生産、不具合が生じた場合の対応が迅速化等につながり、社外へのアピール力にもなります。今後も普及啓発を図ってください。

(4) 輸入食品の監視

厚生労働省生活衛生・食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室の2016年1月16日に公表によると、2016年4月から9月の輸入届出件数は約116万件、輸入届出重量は1,187万トンで、これに対し検査件数は約9万8千件、このうち法違反件数358件であったとされ、諸外国の食品衛生に係る情報の収集及び輸入動向に応じた監視体制の強化を行うこと、輸出邦政府及び生産者等へHACCPによる衛生管理の普及推進に努めるとなっています。

県においても引き続き「輸入食品衛生対策」を重点監視指導事業としていることを評価します。

 

5. 第10 県民との意見交換及び情報提供について

(1) 「食品衛生情報の提供」

行政の媒体だけではなく、引き続き消費者に近い生協や消費者団体などの様々な媒体との連携により、多くの県民の目に触れる工夫をして下さい。神奈川県生協連としても様々な食品衛生情報の提供、食中毒の注意喚起と予防に関する知識の普及啓発等、食品衛生情報の提供について今後も全面的に協力をしていきます。

食品表示や食や「健康」情報等をテーマにした情報提供や意見交換の場も引き続きすすめてください。

 

6. 第12 食品衛生に係る人材の育成について

(1) 「食品等事業者等の人材育成」

適正表示は消費者の求めるところですが、現行はわかりにくくかつ適切ではない表示も散見されます。業界団体を通じて全体のレベルの底上げを図ることは大変重要であり積極的な取り組みを期待します。メニューや食品表示の偽装、更にはあろうことが廃棄食品の横流しまで発生しています。人材育成には終わりはありません。消費者の期待を裏切ることのない食品業界となるよう食品関連事業者の育成推進を求めます。

また一方で消費者も食品衛生に関わる当事者です。食の安全・安心の確保は、行政・食品関連事業者・消費者の三者で連携して取り組むものです。消費者が食品安全基本法で謳われている「消費者の役割」を果たすためには、食や健康、食品の安全に関する「消費者力」を高めることが大切です。そのためには生協等消費者団体を位置づけ、連携や活用を図ってください。

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