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2017年2月18日

大学・研究機関における軍事研究について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

日本が引き起こした先の戦争において、大学や研究機関は戦争に協力する学問を生みだし、軍事研究に深くかかわり、また多くの学生を戦場に送り出したという苦い経験をしています。

日本学術会議は、「これまでわが国の科学者がとってきた態度について強く反省し、平和復興と人類の福祉増進のために貢献することを誓う」と1949年1月の第1回総会で表明して誕生しました。また朝鮮戦争前夜の1950年4月の第6回総会では「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」を採択し、1967年10月には「軍事目的のための科学研究を行わない声明」と、その確認を積み重ねてきました。また、1967年9月の日本物理学会「一切の軍隊からの援助、協力関係を持たない」決議や1980年代後半には大学非核平和宣言運動もあり、大学や研究機関ごとで平和宣言・平和憲章なども制定されてきました。

 

しかしながらこの間、米軍や防衛省による軍事研究のための資金提供や、経団連の「防衛産業政策の実行に向けた提言」や「武器輸出を国家戦略として推進すべきとの提言」に見られるように、研究や産業における軍事指向の動きが加速化しています。

2013年12月の「平成26年度防衛計画大綱」では「大学や研究機関との連携の充実により、防衛にも応用可能な民生技術(デュアルユース技術)の積極的な活用に努める」との方針が打ち出され、2014年3月には武器輸出三原則に代わる「防衛装備移転三原則」が閣議決定され、防衛省は大学と軍事の共同研究を本格化させる専門部署「技術管理班」を新設しました。

2015年度に防衛省が開始した助成金制度「安全保障技術研究推進制度」を巡り、日本学術会議が揺れていると報道されており、私たちは心配しています。

 

私たちは、杉田敦委員長が説明している「戦後の日本の科学者たちは、戦争に動員されたこと自体に責任があると考えた。科学者コミュニティが政府からの独立性を確保できなかったことを反省し、今後は独立性を確立することを誓った。それは日本学術会議の存在理由に関わるもの。科学者が追及すべきは、学術の健全な発展で、健全な発展を通して、社会への貢献を行うことを目指す。学問の自由とは、学術研究の政府からの独立性を保障するものである。」とする考えに共感します。

そして、戦争を目的とする研究(=軍学共同)と教育、即ち科学研究によって人類の平和と社会の幸福を追求していく本来の科学のあり方を大きく歪める方向を許容することには強く反対します。

 

日本学術会議は戦争の体験に真摯に向き合うべきです。

軍学共同によって戦争に加担してしまった過ちを二度と繰り返してはなりません。

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