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2017年1月13日

声明 給付型奨学金制度の創設に関する談話

労働者福祉中央協議会
事務局長 花 井 圭 子

 

1.政府は本日、大学生等を対象とした給付型奨学金制度の創設を盛り込んだ 2017 年度予算案を閣議決定した。給付型奨学金は、2018 年度から住民税非課税世帯のうち1学年2万人を対象に月額2〜4万円が給付され、私立大の下宿生や児童養護施設出身者等については 2017 年度より先行実施される。

これまで貸与型の奨学金しかなく OECD 諸国の中でも特異な存在であった日本において、高い壁であった給付型の導入に風穴を開けた意義は極めて大きく、一歩前進と評価する。中央労福協で取り組んだアンケート調査や約 304 万筆に及ぶ署名活動をはじめとする国民的な運動の成果である。

 

2.しかし、対象者は1学年2万人という規模であまりにも小さく、諸外国の水準にはほど遠いうえ、住民税非課税世帯の進学者の中でも3人に 1 人しか対象とならない。また、月額 2〜4 万円という金額も、子どもたちの進学を後押しバイト漬けの学生生活を改善するには不十分と言わざるを得ない。また、対象者の選定にあたっての基準の設定や公平性のあり方、学業不振の場合に返還を求める取り扱いなど、様々な課題もあり、制度導入後も不断の検証と見直しを行っていく必要がある。

 

3.今回の制度設計にあたっては、残念ながら文部科学省「給付型奨学金制度検討チーム」は非公開で議論経過が明らかにされていない。今後の国会審議においては、検討経過も含めて制度内容についての充分な審議を行い、当事者や学校現場の声も聴取し制度改善に反映していくことを求めたい。

 

4.2017年度予算案では無利子奨学金も拡充されるなど一定の改善もあったが、既存の奨学金返済者に対する制度改善は不十分である。返済困難者の実情に応じた救済措置の充実や所得連動型返還制度の改善も今後の大きな課題である。また、大学等の学費があまりにも高すぎることが根底にあり、給付型奨学金の拡充とあわせて、学費の引き下げを含めた教育費負担の軽減をどう実現するかが、次へのステップとして重要である。

 

5.今回の給付型の導入はあくまでもスタートラインであり、対象者や給付金額を拡大していくことで、給付型中心の本来の奨学金制度へ転換していかなければならない。2017年の通常国会では、給付型奨学金を創設するための日本学生支援機構法の改正や予算審議が行われる。この国会審議を通じて、少しでもよりよい制度に改善し、将来の拡充につなげるための道筋をつけていくことが必要である。

このため、中央労福協は様々な分野の方々と共同で進めている「給付型奨学金制度の創設等を求めるアピール」への賛同を更に広げ、多くの国民の声を政府・国会に届けることにより、奨学金制度の拡充に向けて全力で取り組みを進めていく。

以上

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