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2017年1月11日

意見 消費者は「ギャンブルで経済成長や地域活性化」という考え方は受け入れない

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

昨年末にカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を促す「特定複合観光施設区域整備推進法案」が短期間の「審議」により賛成多数で可決されました。同法は施行後1年以内をめどに施設設置の詳細なルールなどを定める実施法の整備を義務付けています。

日本では賭博行為は戦前から処罰の対象であり、現行刑法においても第185条・第186条で禁止されています。いわゆる三競オート(競馬・競艇・競輪・オートレース)と宝クジ・スポーツ振興くじ(toto)は公営ギャンブルとしてそれぞれに特別法が定められ監督省庁が存在し、刑法第185条・第186条の対象外となっています。パチンコ・パチスロ店は「三店方式」という営業形態で刑法に抵触することを回避していますが、市民にとってギャンブルであることに変わりはありません。2015年末現在で全国11,310店舗に4,580,197台があるそうです。

問題は、その社会的な影響です。

厚生労働省の研究班の発表によれば、パチンコや競馬などギャンブル依存の人は「成人人口の4.8%に当たる536万人」に上るとの推計されており、この水準は世界でもトップレベルと指摘がされています。

 

そもそも日本では今でもパチンコ、スロット、競馬、競輪、競艇など 、身近に合法なギャンブルが溢れており、「カジノができるから依存症が問題」というのはおかしいとの論もあります。政府では「IR区域整備推進本部」を新設し、内閣官房に「ギャンブル依存症等の対策室(仮称)」を設置し、ギャンブル、アルコール、薬物等の依存も含む対策を協議していくとしています。しかし、「ギャンブル依存症等の対策室(仮称)」は、カジノを導入したいがゆえに、「ギャンブル依存症対策をやっているぞ」との姿を見せるものではなく、「本来やるべきものがやられていなかったが、社会的に大きな損失が発生しており、遅まきながら取り組む」というものです。依存症対策と、更に新たに社会的リスクを増大させるカジノの解禁がどうしてセットになるのでしょうか。理解はできません。

 

私たちは消費者として、刑法が禁じる賭博に民間業者が営むカジノという新たな例外を認めようとするものである事、現在も深刻なギャンブル依存の問題を更に悪化させるものである事、反社会的勢力の資金源やマネー・ロンダリングの場として利用されるおそれも排除できない事などから、「経済成長」や「地域活性化」という名目でカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備を促すという考え方には同意できません。

 

消費者は、「ギャンブルで経済成長や地域活性化」という考え方は受け入れません。

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