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2016年11月19日

原発廃炉費用を託送料金に上乗せする動きについて

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

現在原子力発電所の廃炉費用・賠償費用に関して、政府内で検討がすすめられています。費用の転嫁先として想定されているのは、電力自由化後も公共料金として残る託送料金(発電事業者や電力小売り会社が、送配電事業者(電線を持っている会社)から電線を借りる時に支払う料金。現在電線を持っているのは既存の10電力会社。私たちの電気料金に占める割合は3割〜4割程度とされる。)です。

原子力発電所の廃炉費用はこれまでも計画的に引き当てられてきましたが、電力自由化に伴い、これまでの規制料金の下で保証されてきた原価回収が見込めなくなるとして、総括原価方式が残る託送料金に廃炉費用を計上して、原発を持たない新電力も含めて確実に回収できるように制度変更することを検討しています。

 

1.廃炉費用を託送料金に上乗せする考え方には賛成できません

原子力発電に係る費用はすべて、原子力発電事業者の売電価格に反映させるべきです。発電所からでる廃棄物等の処理費用や発電所の維持・解体にかかる費用は、通常その発電所が負担をしており、発電所の費用として発電所が電気を売る際の売電料金のコストに乗せられます。今回のように原子力発電所の廃炉費用を託送料金に上乗せするということは、原発とは関係のない他の発電業者にも原子力発電にかかる費用負担を強いるものとなり、原子力発電という特定の発電方法を不当に優遇する措置に他なりません。

また電気料金の3割から4割を占めるとされる託送料金は、新規参入発電業者にとっては、自ら低減の努力のしようがない「固定的費用」となり、この割合が高くなることは、新規参入電気業者には不利になります。電力システム改革がうたってきた筈の「競争」「選択」とはなりません。

 

2.託送料金の内容を明確にするべきです

託送料金は電力システム改革後も公共料金として残るものです。その内容は消費者委員会の報告書(電力託送料金に関する調査報告書)でも指摘されているように、「送配電ネットワークに関する費用」に限定すべきです。

現在でも電力料金の3割から4割を占めるとされる託送料金に、原発発電事業者救済のためにその廃炉費用を上乗せする考え方は、結果として原発とは関係のない他の発電業者にも原子力発電にかかる費用負担を強いるものであり、原発とは関係のない発電業者も消費者も納得できものではありません。

託送料金は「送配電ネットワークに関する費用」に限定し、その原価算定と料金の明示をすべきです。

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