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2016年11月19日

意見 日印原子力協定の締結について

神奈川県生活協同組合連合会
会長理事 當具 伸一

 

安倍晋三首相とインドのモディ首相は11月11日、日本からインドへの原子力関係の技術を輸出することを目的とする協定を締結することで最終合意し協定に署名しました。

この協定により、核拡散防止条約(NPT)非加盟でCTBT(包括的核実験禁止条約)を無視して核軍拡を続けるインドに対して、日本が原発建設を協力していくことなりました。協定で認めるとされる「使用済み核燃料の再処理」により抽出されたプルトニウムが、国際的監視もなく軍事転用されるおそれもあります。インドは核を保有するパキスタンと対立し、中国のほぼ全域に届く弾道ミサイルも開発している国です。

 

日印原子力協定は「核不拡散」の理念に大いに反するものです。

インドが核実験をした場合は協力を中止するとしていますが、間接的な表現にとどまり、しかも協定本文ではなく別文書の記載となっています。使用済みの核燃料の再処理は平和利用に限定するとは定めていますが、国際原子力機関(IAEA)の査察対象は民生用だけで、軍事転用の有無を完全に証明するのは難しいと指摘されています。

インドは1998年を最後に核実験の一時停止を続けており、日本はインドがこれまで核物質や技術を他国に拡散させていないと判断し、経済実利を優先させて協定署名に踏み切ったとされています。

今回の原子力協定締結は、危機に直面する核軍縮・不拡散体制をいっそう弱めるものです。

 

国連総会第一委員会が核兵器禁止条約の制定を目指して交渉を始めるという決議案を採択した際の「反対」。東京電力福島第一原発事故の収束もできておらず、多くの避難者に苦しい生活を現在も強いている日本政府が、世界に原発を売り込んでいこうとする非倫理的ふるまいは、これまで日本が積み上げてきた世界からの信頼を喪失させてしまうものです。

 

日本の採るべき態度は、唯一の戦争被爆国としてインドに対しては、何よりも早期にNPT体制に加わるように働き掛けていくこと、そして諸国と連携して「核兵器のない世界」の実現に向けたリーダーシップを発揮することです。

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