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2016年10月14日

「神奈川県循環型社会づくり計画改定素案」に対する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

 

神奈川県として廃棄物処理計画を「廃棄物処理」と制限せず「循環型社会づくり計画」として、目指す社会の方向を明確にし、取り組みを積み上げていることに敬意を表します。今回の素案への意見募集にあたり、生協としても循環型社会づくりに積極的に関わる立場でいくつか意見を提出します。

 

1.水銀について 3ページ、12ページ、23ページ、他

水銀に関する水俣条約2013年10月に採択され、我が国においても「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」が作られています。

今後は、「家庭で眠っている」水銀を使用した製品の、短期間での回収が課題となります。また、

  • 市町村において、蛍光管や乾電池など、水銀使用廃製品の分別回収・適正処理システムの早期構築とその周知。
  • 水銀使用製品に関して、「水銀が使用されている」ことをわかりやすく表示するなどの適切な情報提供が行われ、消費者が水銀を使用した製品を廃棄する時点で正しく分別できるようにする。
  • 回収された水銀の長期にわたる保管対策の確立。
  • 水銀に関わる環境影響リスク評価を行い、大気・河川・土壌などの環境基準についての整備とモニタリング体制の強化。
  • 水銀体温計・水銀血圧計等、医療機関へも回収システムづくりに積極的に取り組むように促す。
  • 産業廃棄物事業者組織において、水銀使用廃製品全般の取り扱いルール整備を促す。

などが必要です。

また並行して廃棄物処理法施行令・施行規則が改正され、該当する水銀廃棄物の処理基準等の追加・強化がされました。

  • 「廃水銀」と「廃水銀を処分するために処理した水銀処理物」が特別管理一般廃棄物及び、特別管理産業廃棄物として追加。
  • 廃水銀及び水銀処理物の埋立処分についての基準が定められた。
  • 廃水銀について、密閉容器に入れて運搬することや、硫化・固型化してから埋立処分を行うよう求める等、処理基準が強化。
  • 水銀使用製品産業廃棄物は、「破砕することのないように運搬する」「積替保管は、その他の物と混合するおそれのないように仕切りを設置する」等の基準が定められた。
  • 水銀使用製品産業廃棄物及び水銀含有ばいじん等の処分または再生を行う場合の基準が定められた。

などがその内容です。

これらを踏まえて、25ページで有害物質を含む廃棄物等の計画的な処理で触れられてはいますが、3ページ「計画の位置づけ」、12ペ−ジ「施策の基本的な方向」、23ページ「適正処理の推進」をはじめとして、水銀についての記述を補足することが必要と考えます。

 

2.アスベストについて 7ペ−ジ、12ページ、23ページ、他

この間アスベストが起こした健康被害については、「建設従事者が受けた被害の深刻さに対し、国のみでなく、製造企業を含めた補償へ、立法府及び関係当局における真剣な検討を望む」との東京地裁判決(2012年12月5日)があり、2014年10月9日には、最高裁第1小法廷では国の規制権限不行使の違法を認めており、アスベスト被害者の全面救済のための補償制度が社会的課題にもなっています。

日本では戦後1,000万トンものアスベストが輸入され、様々な用途に使われてきました。その8割は建材として使用されましたが、アスベストが使用された建物の解体は2030年頃をピークに全国的に増加することが見込まれています。アスベストを吸い込むと数年から数十年後に中皮腫などの重篤な病気の発症が懸念されます。解体時の粉じん拡散対策、建設労働者の健康対策はもちろんですが、廃棄後の管理など、県民の健康被害を防ぐ、県のアスベスト対策の充実が必要となっています。

2014年6月より、建築物・工作物の解体工事等に伴うアスベスト飛散防止対策が強化されています。

これらを踏まえて、25ページで有害物質を含む廃棄物等の計画的な処理で触れられてはいますが、7ページ「産業廃棄物 課題」、12ペ−ジ「施策の基本的な方向」、23ページ「適正処理の推進」をはじめとして、アスベストについての記述を補足することが必要と考えます。

 

3.計画目標について 10ページ、11ページ

全一般廃棄物において、「生活系ごみ」と「事業系ごみ」の比率は65:35で生活系ごみが事業系ごみの2倍近く排出されていると指摘されており、生活系ごみ排出量の削減が重要です。年齢別の1人当たりのごみ排出を見ると、食品ロス量は、年齢が高くなるほど増加する傾向がありますが、全年代でロス量の半分が直接廃棄及び食べ残しとなっています。

スマートなくらしづくりとして、食品提供側の適切な商品提供単位化の推進や様々なかたちの消費者教育や啓発活動とあわせて、15ページにあるようなフードバンク的な社会のつながり作りも含めて新たな視点で意欲的に排出量の減量化をすすめていくことは減量化のカギとなります。

目標1の生活系ごみ1人1日あたりの排出量の目標は、凡そ直接廃棄及び食べ残し量合計の1/2強であり、妥当と思われます。また目標3「一般廃棄物の再生利用率」、目標4「製造業における産業廃棄物の再生利用率」、目標5「不法投棄等残存量」についても妥当と考えます。

 

4.災害廃棄物対策について 31ページ、32ページ

新たに想定し記述することに賛成します。その上で、東日本大震災で明らかになった、大規模災害時における放射性物質の発散・漏洩の深刻な問題は、東京電力福島第一原発事故で体験しています。神奈川県をみると川崎や横須賀に原子力関係施設があります。また横須賀には原子力空母や原子力潜水艦が頻繁に出入りしている事も考えると、災害廃棄物対策に放射性物質汚染廃棄物対策も加えるべきと思われます。

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