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2016年8月19日

「核先制不使用」宣言に対する首相の対応について

神奈川県生活協同組合連合会
                                  専務理事 丸山 善弘

 

8月15日付の米紙ワシントン・ポストは、オバマ米大統領が核兵器を最初に使わない先制不使用宣言を検討していることについて、複数の米政府関係者の話として、安倍晋三首相がハリス米太平洋軍司令官に反対の意向を伝えたと報じました。北朝鮮などへの抑止力が低下し、紛争リスクが高まる懸念があると伝達したとしています。

これは核兵器の惨禍を知る国のトップの採るべき態度ではありません。このような態度は、核兵器のない世界を願う被爆者や日本国民の願いにも、核兵器の禁止を求める世界の流れにも逆行するものであり、強く抗議しその撤回を求めます。

 

オバマ大統領は、広島訪問で改めて発信した「核兵器なき世界」の段階的実現に向け、核攻撃への反撃を除いて核兵器を使わない政策を検討しており、核実験を禁止する国連安全保障理事会決議を採択する構想もあるとされています。

「先制不使用」は、通常兵器や化学兵器などによる攻撃への反撃として核兵器を使わず、対核兵器に限ることで核使用を限定するもので、核保有国の中では中国が先制不使用を宣言しています。

8月10日、田上長崎市長は松井広島市長との連名で、米の先制不使用の実現を後押しするよう日本政府に求める要請書を安倍首相らに出し、8月16日には、核廃絶の道筋を探る賢人会議の共同議長を務めた川口順子元外相と豪のエバンズ元外相らアジア太平洋地域の元閣僚や軍高官ら40人が、オバマ米政権に核兵器の「先制不使用」政策の採用を強く促し、「太平洋地域の米同盟国」に採用支持を求める声明を連名で出しています。

 

今年の広島市と長崎市の平和祈念式典で安倍首相は、核兵器のない世界に向けて「努力を重ねていく」と述べましたが、この間の日本政府の実際の行動は、核軍備の縮小・撤廃にむけた多国間交渉の前進をはかる国連作業部会で「核兵器を禁止し、全面廃絶を導く法的拘束力のある協定交渉の会議開催」に反対し、核兵器の廃絶を願う国民を裏切っています。

作業部会議長が作成した報告書案では、核兵器禁止条約の交渉を2017年に始めることについて、「結論と合意された勧告」の部分で、「核兵器を禁止し、全面廃絶を導く法的拘束力のある協定を交渉するため、すべての国家、国際組織、市民社会に開かれた会議を、総会が17年に招集することを、過半数の国が支持した」とし、アフリカ諸国54カ国、中南米カリブ海諸国共同体33カ国、東南アジア諸国連合10カ国、太平洋諸国4カ国の合計101カ国が支持していると報道されています。

 

私たちは、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名(ヒバクシャ国際署名)」に心から賛同し、被爆者と世界の市民の皆さまとともに開始いたしました。

政府が日本の国是である「非核三原則」を厳守し、核兵器の非人道性を正面から見つめ、核兵器のない世界を心から願う被爆者や世界の多くの国や市民に応え、唯一の戦争被爆国として、核兵器廃絶の確実な道筋をつけるためにリーダーシップを果たしていくことを強く求めます。

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