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2016年8月13日

意見 政府関係機関の地方移転に関して、消費者庁と国民生活センターの徳島移転について!〜

神奈川県生活協同組合連合会
                                  専務理事 丸山 善弘

 

昨年秋、政府の「まち・ひと・しごと創生本部」は、政府関係機関の地方移転発表の中で、消費者庁と国民生活センターを徳島県に移転する方向を出しました。私たちは消費者庁と国民生活センターの移転は、消費者行政の明らかな後退であり、多発する消費者問題、消費者被害の発生抑制と解決に大きなマイナス影響を与えるものと考え、その時点で意見を表明しました。多くの消費者団体、弁護士会等も消費者行政の機能低下を懸念して、移転反対を表明してきました。

その後、2回の「移転試行」が行われ、この7月29日に担当大臣の記者会見があり、消費者庁等の移転検討は3年後に先送りする、徳島県に「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」を設ける、などが示されました。8月末には政府としての結論が出される予定となっています。

以下、この件について意見を述べます。

 

1.そもそも消費者庁と国民生活センターの移転は、まさに有識者会議が示しているものに当てはまるのでは。

私たちは東京圏への一極集中の是正は必要であるとの立場から、中央省庁の地方移転について反対するものではありません。また有識者会議のいう、官邸と一体となり緊急対応を行う等の政府の危機管理業務を担う機関や中央省庁と日常的に一体として業務を行う機関、及び移転すると機能の維持が極めて困難となるもの等は検討対象としない、との考え方は妥当なものと考えています。

消費者庁と国民生活センターを徳島県に移転することは、まさにこの有識者会議が示しているものに当てはまるのではとの疑念があります。政府関係機関の地方移転によって,当該機関が本来果たすべき機能が大きく低下することになっては本末転倒です。

 

2.移転試行の結果は速やかに公表するべきもの。

消費者庁・国民生活センターは、この間の2回の移転試行期間中において生じた課題及び達成できた事及び評価について、判りやすく明らかにしてください。今後の方向が出されるのは、その後であるべきです。消費者にとって一番近い存在であるべき役所の「移転」という大事について、消費者をないがしろにするようなすすめ方では困ります。

 

3.消費者行政の充実強化に逆行しないか。

我が国の消費者行政の充実強化は、消費者被害を受けてきた多くの国民によって長きにわたり求められてきた事です。1955年に経済企画庁が発足し、国として様々に発生する消費者問題に取り組み、消費者を保護する法制度の整備が進められてはきましたが、最終的に消費者被害の発生を食い止めていくためには、縦割り行政を是正し、消費者行政の一元化による推進こそが必要であるとの主旨から、2008年6月27日に閣議決定された「消費者行政推進基本計画」に基づき、消費者の安全安心の確保という視点から、国民生活のあらゆる場面に関わる消費者問題に各省庁の縦割りではない立場で対処し国の消費者行政を一元化して推進する「司令塔」的役割を担うものとして、2009年に消費者庁が新たに設置された筈ではないでしょうか。

現在の消費者庁の仕事ぶりが、司令塔役として機能し消費者行政の充実に十分に役立っているか、国民生活センターが全国の消費生活センターや消費生活相談窓口を支援するセンター・オブ・センターズとして役だっているか、と問われれば、「まだまだ大いに不十分である」と答えざるを得ず、司令塔役として機能を果たすこと、消費者や相談現場に対する幅広い役立ち機能を更に充実させることこそが求められています。不十分ないい例が消費者基本計画の工程表です。

消費者庁がその機能を果たすために関連各省庁との密な連携は必須です。そのためにまず霞ヶ関に所在する各省庁に近接して存在し、関係部局の担当者との直接面談協議や資料提出要請等をいつでも行いうる状況にあることは不可欠です。また、消費者庁と一体として機能すべき国民生活センターの移転も同様に消費者行政の停滞を招きかねません。消費者行政関係機関には、腰を据えて仕事を行って頂きたい。

 

4.両機関の大幅な機能低下は消費者基本法及び消費者庁及び消費者委員会設置法に反する結果をもたらす。

両機関の大幅な機能低下は、消費者基本法の目的「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、国、地方公共団体及び事業者の責務等を明らかにするとともに、その施策の基本となる事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進を図り、もつて国民の消費生活の安定及び向上を確保する」や、消費者庁及び消費者委員会設置法の任務「消費者庁は、消費者基本法第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、消費者の利益の擁護及び増進、商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行う」に反するものであることから、両機関及び消費者委員会の地方移転は、消費者行政を著しく損ない後退させるものであるとの認識から反対し、再考を求めるものです。

従って、「3年後の見直し」は白紙撤回すべきであり、「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」が必要であるとするならば、あくまでも消費者庁、国民生活センターの現有体制は基本的に維持したうえでの機能の強化に係わる追加措置であるべきです。

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