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2016年7月30日

奨学金制度改善に関わる要望

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

 

大学の学費高騰と家計収入の減少により、奨学金に頼らなければ大学に進学できない学生が増え、20 年前には2 割程度だった奨学金の利用者は現在では2人に1人となっています。多くの学生が奨学金やアルバイトに頼って生活していますが、その約9割は「貸与型」といわれるもので、卒業後に返済が義務づけられたものです。労働者福祉中央協議会(中央労福協)が2015年7月〜8月に行った全国のアンケート調査(13,342枚回答)によれば、借入総額は1人平均312.9万円にもなっています。加えて非正規雇用や低賃金労働の拡大により十分な収入が得られず、「返したくても返せない」人も増えています。

 

世界の先進諸国では殆どの国が公的な「給付型」の奨学金制度を持っており、大学の授業料が無償の国も半数近くとなっています。OECD 加盟34 ケ国のうち、大学の授業料が有償で、国による給付型奨学金制度がないのは日本だけという惨状です。社会の未来を担う子どもたちの教育は、社会全体で支えていくこと、貧しい家庭に生まれたとしても、教育の機会を保障することは、「世界の先進諸国の常識」です。多額の奨学金返済の苦しさが、職業選択、結婚、出産、子育て、持ち家の取得など、人生の様々なところに強い影響を与えていることもアンケート調査で明らかになっています。

 

中央労福協の呼び掛けによる「若者を苦しめる奨学金問題の解決を求める署名」は、全国から短期間で3,036,007筆が、神奈川県生協連関係でも52,498筆が寄せられました。奨学金返済によって結婚も子どもを生み育てることもできず、親の貧困は子へ連鎖どころか奨学金によって拡大していると言わざるを得ません。早急に給付制奨学金の創設が必要です。

 

以下改善に向けて重点項目を要請します。

 

1.「貸与型奨学金」から、本来の奨学金制度である「給付型奨学金」に

  • 大学等において国の給付型奨学金制度を導入し、高校を含めて拡充を図ってください。
  • 検討のためには、利用者(当事者、保護者)や法律家などの代表を含めた場で検討をしてください。

 

2.「貸与型奨学金」の改善を図ること

  • 利息や延滞金のない、無利子の奨学金制度にしてください。
  • 返済は所得に応じた無理のない制度にしてください。「最低返還月額は0円」とし、返還を開始する際の最低年収も300万円からとすることを求めます。現在ある制度においても、年収300万円以下(給与所得者以外は200万円)は返還猶予を認められていることを踏まえるならば、返還を開始する最低年収は300万円からとし、年収が0円の場合には返還月額も0円としてください。

 

3.大学等の学費の引き下げや授業料の減免制度の拡充を

  • 文科省調べ(平成25年度)によれば、私立大学(平均)の授業料:860,072円、初年度納付金:1,312,526円、国立大学(標準)の授業料:535,800円、初年度納付金:817,800円です。家庭の経済力の差が教育の差を生んでいる現状の改善を早急にすすめてください。

 

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