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2016年2月11日

平成28年度神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)に対する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

平素より県民の食の安全・安心に係る重要な取り組みにご尽力を頂いていることに感謝致します。この食品衛生監視指導計画も年々改善をされて判りやすくまた充実したものになっており、今後も継続的改善を期待するところです。

食の安全・安心の確保は行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものでありますが、これからも引き続き県の積極的な役割発揮を期待して以下に意見を述べます。

 

1.意見募集について

この間の神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)に対して提出された意見は、2015年が意見提出者4(3団体・1個人)の意見項目数25件、2014年が意見提出者4(3団体・1個人)の意見項目総数33件、2013年が意見提出者5(4団体・1個人)の意見項目数35件、2012年が意見提出者4(4団体)の意見項目総数25件、2011年が意見提出者5(4団体と不明1)の意見項目27件と、寄せられる意見数は決して多くはありません。

しかし、この意見募集期間においても、例えば1月に発覚した産業廃棄物処理業者と食品業者による廃棄食品の横流しと違法販売のように、毎年食生活を不安にする出来事が起こっている一方で、食品衛生行政の柱でもある食品衛生監視指導計画への関心が食品関連事業者も含めて低調であることを本当に残念に思います。

より多くの県民・食品関連事業者に食の安全・安心の確保の取り組み及び食品衛生監視指導計画を認識し関心を持っていただくためにも、更なる広報の工夫や連携のあり方について引き続き検討してください。

食品衛生監視指導計画は食品衛生法に基づいて策定される重要な役割を果たしているものです。食の安全・安心の確保は、行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものとして関係者の積極的な関与がすすむようにこれからも努めてください。

 

2.第1 「食品衛生監視指導計画」策定の基本的考え方について

国及び県等は監視指導その他の食品衛生に関する様々な施策を策定し実施する責務があります。勿論、行政の施策実施だけでその目的を達成することは困難で、まず食品の安全性を確保する第一義的な責任は食品を提供するものとして食品関連事業者にあります。また消費者も食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、安全施策について適切な意見を提言するよう努めるなど、積極的な役割を果たすことが期待されています。

従って、確かに「食品の安全性の確保は一義的に食品関連事業者の責務である」訳ですが、監視・検査体制の充実とともに、消費者に対する食の安全性確保に関する知識の普及啓発を図り、消費者・食品関連事業者・県の三者での取組みを通じて相互理解を深め、リスクコミュニケーションの推進により、食に対する信頼の醸成を図ることが重要と考えられます。

「県、食品関連事業者、消費者の役割分担」、「フードチェーンの各段階における監視指導の実施に関する基本的方向」等、基本的考え方として記述をしておく方がより理解がすすむように思われるので検討して下さい。

 

3.国の平成28年度輸入食品監視指導計画(案)との関係について

平成28年度の国のモニタリング検査計画数は96,000件、重点的に監視指導を実施すべき項目は4点で、@病原微生物に係るモニタリング検査の着実な実施、Aポジティブリスト制度の着実な施行のため残留農薬検査等の継続、B冷凍加工食品等の成分企画違反の状況を踏まえた加工食品の成分規格に係るモニタリング検査等の継続、CBSEの問題に係る対日輸出牛肉の安全性確保、であるとし、二国間協議や現地調査を行うなど安全対策の推進を図り、輸入食品の安全確保に取り組んでいくとしています。 国の輸入食品監視指導計画ともリンクをした県の食品衛生監視指導計画ですので、簡略に関係が示されていると、理解も増すものと思われます。

 

4.第2 重点監視指導事業について

(1) 食中毒予防対策について

東京都保健福祉局の事業者アンケートを見ると、生食メニュー提供のきっかけは「客の求めに応じた」45.3%、「他の飲食店で提供している」18.8%であり、うち居酒屋では「客の求めに応じた」55.6%、焼肉専門店では「客の求めに応じた」36.4%、「他の飲食店で提供している」27.3%となっており、その提供の頻度は、「よくある」2.7%、「たまにある」13.4%となっています。また、食肉の生食の安全性に関する知識の有無では、経営者や調理従事者の知識は必ずしも満足できるものではないことを踏まえると、食肉の生食等による食中毒予防対策に関しては、個々の食品等事業者への指導だけでは拡大防止につながらないこともわかります。裏メニュー化を許さないためにも、情報提供や啓発・教育に関して、業界団体とともに消費者団体等と連携をして下さい。

(2) 適正な食品表示の徹底について

食品表示法の施行により、周知について食品等事業者に対して積極的に行うのはもちろんですが、その表示を活用しくらしを支えているのは消費者です。消費者の運動としても安全性の確保の取り組みとして表示の課題に取り組んできました。消費者への啓発・教育については積極的に生協や消費者団体とも連携をして、新しい表示の理解が進み、積極的に活用されるようにしてください。

(3) 危害分析・重要管理点方式を用いた衛生管理の普及啓発について

HACCPの導入は確実に、授業員の衛生管理に対する意識やモチベーションの向上、従業員の経験やカンに頼らない安定した安全な製品の生産、不具合が生じた場合の対応が迅速化等につながり、社外へのアピール力にもなります。今後も普及啓発を図ってください。

(4) 輸入食品の監視

厚生労働省生活衛生・食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室の2015年12月18日に公表によると、2015年4月から9月の輸入届出件数は1,134,155件、輸入届出重量は11,416千トンで、これに対し101,922件(検査命令31,764件、モニタリング検査28,539件、自主検査47,067件)について検査を実施し、このうち、431件を法違反として、積み戻し又は廃棄等の措置を講じ、また海外での違反食品の回収等の情報に基づき、同年度においては、南アフリカの瓶入りぶどう酒からガラス片が確認された事例、フランスにおいてナチュラルチーズからサルモネラが検出された事例について、積み戻し等を行う措置を講じ、輸入時の監視体制の強化等を行ったと報告されています。

引き続き「輸入食品衛生対策」を重点監視指導事業としていることを評価します。

 

5. 第10 県民との意見交換及び情報提供について

(1) 「食品衛生情報の提供」について

行政の媒体だけではなく、引き続き消費者に近い生協や消費者団体などの様々な媒体との連携により、多くの県民の目に触れる工夫をして下さい。神奈川県生協連としても様々な食品衛生情報の提供、食中毒の注意喚起と予防に関する知識の普及啓発等、食品衛生情報の提供について今後も協力をしていきます。

食品表示や食や「健康」情報等をテーマにした情報提供や意見交換の場も引き続きすすめてください。

 

6. 第12 食品衛生に係る人材の育成について

 (1) 「食品等事業者等の人材育成」について

適正表示は消費者の求めるところですが、現行はわかりにくくかつ適切ではない表示も散見されます。業界団体を通じて全体のレベルの底上げを図ることは大変重要であり積極的な取り組みを期待します。メニューや食品表示の偽装、更にはあろうことが廃棄食品の横流しまで発生しています。人材育成には終わりはありません。消費者の期待を裏切ることのないような食品関連事業者の育成推進を求めます。

また一方で消費者も食品衛生に関わる当事者です。食の安全・安心の確保は、行政・食品関連事業者・消費者の三者で連携して取り組むものです。消費者が食品安全基本法で謳われている「消費者の役割」を果たすためには、食や健康、食品の安全に関する「消費者力」を高めることが大切です。そのためには消費者団体を位置づけ、連携を積極的にすすめてください。

 

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