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2016年2月4日

関西電力・高浜原発3号機の再稼働について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

関西電力は2月29日午後5時、高浜原発3号機(福井県高浜町)を再稼働させました。

九州電力川内原発1号機、2号機に続き3基目、プルサーマル発電では初めての再稼働です。また高浜原発4号機は1月31日に核燃料を装填する作業を始めており、2月下旬に再稼働がされると報道されています。

しかしながら原発の再稼働問題では、東京電力福島第1原発事故の教訓が十分に活かされ、対策が取られているかが問題となります。課題を積み残しにしたまま再稼働に向けてすすむことは、大きな問題があると考えます。

 

1.避難計画の実効性が不明なままの再稼働は「人命無視」と言わざるを得ません

高浜原発の30キロ圏には福井県、滋賀県そして京都府の3府県が含まれその人口は約18万人で、全国の原発で唯一、事故時に即時避難が必要な5キロ圏が県境を越える立地です。報道によれば、避難先も含めた全ての関係自治体が参加する訓練は行われておらず、広域避難計画の実効性が懸念され、避難ルート問題山積とされています。

福島第1原発事故で被害が広域化したことの経験から、避難計画の策定など、事前に対策をとる原子力防災の重点区域は10キロ圏内から30キロ圏内に拡大されています。

またこの間大きな課題として浮彫りとなっている弱者、要援護者への対応について、例えば、緊急避難時における要援護者(寝たきりの高齢者や障がい者など)のための寝台車の確保、在宅の要援護者の避難先での対応(病院などの確保)、避難する住民や車両のスクリーニング(放射線汚染検査)の場所の設定、緊急時に使うバスの手配等をはじめとして、避難先の避難施設数、道路の渋滞状況の想定、人が多く集まる施設や企業での避難のあり方など、「安全性の確保が再稼働の大前提」であるとするならば、これらの課題は十分に解決されなければならず、その上で住民に説明責任を果たすことが社会的義務です。

これら社会的義務を果たすことなく、まず再稼働ありきで前のめりにすすむような国民の命を大切にしない政策にはとうてい同意できるものではありません。

 

2.原発の再稼働には30キロ圏内の全自治体の同意があるべきです。

今回の稼働にあたり、高浜町長・町議会、福井県議会が同意し12月22日に福井県知事が同意表明をして地元同意手続きは終了したとされています。しかし、事故時に即時避難が必要な5キロ圏には福井県境を越えて京都府の舞鶴市がかかり、30キロ圏には京都府の舞鶴市、綾部市、南丹市、福井県おおい町、小浜市、若狭町、滋賀県高島市がかかります。原子力防災の重点区域として事故を想定した地域防災計画や避難計画を定めることを義務づけられる30キロ圏自治体に、なぜ稼働について同意の権利がないのか整合性がなく理解できません。

以前、衆院原子力問題調査特別委員会で、菅直人衆議院議員は「30キロ圏の自治体がこれでいいと言わないと(再稼働の)スイッチは押せない、そういう理解でいいんですね」との質問しましたが、電力会社を代表して参考人として出席した東電常務の姉川尚史参考人は「地域防災計画が定まっていない、すなわちご理解いただいていないということであれば、我々事業者としては再稼働の条件が十分でないという風に認識しております」と回答しています。  

電源開発鰍フ大間原発に関して30キロ圏内にある函館市は、「住民の生命、安全を守らなければならないのは、最終的に基礎自治体である市町村である」として、「30Km圏内に入る函館市や道南地域への説明もなく、また、同意を得ることもなく、建設が再開」していることに対して、東京地方裁判所に建設差し止め請求裁判を提起しています。

繰り返しますが福島の原発事故で被害が広域化したことの経験から、避難計画の策定など、事前に対策をとる原子力防災の重点区域を10キロ圏内から30キロ圏内に拡大したのです。ですから、関係する地元自治体として30キロ圏の自治体を同意の対象とするのは、当然の理と考えます。

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