HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2016年1月22日

神奈川県地震防災戦略(改定素案)に関する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

 

誰もが安心して暮らし続けられる神奈川県づくりに向けて、防災という県民のくらしの安全・安心に係る重要な取り組みにご尽力を頂いていることに感謝致します。

この平成22年3月に策定された神奈川県地震防災戦略も今回の改定作業の中でより充実したものになっております。 官民を車の両輪とした県民総ぐるみの災害対応とするためにも、行政自身のより一層の役割発揮が求められるところと認識します。阪神・淡路大震災の経験を経て「ボランティア」の役割が、東日本大震災の経験を経て「自助」「共助」による取り組みの重要性が強調されてきましたが、全体の底上げを図るために大きな力となるものは「公」の役割です。安易に「自助」「共助」が重要と市民活動に委ねてそれでよしとするべきではありません。引き続き県の積極的な役割発揮を期待して以下に意見を述べます。

私ども生協をはじめとした協同組合はそもそも助け合いの組織であります。「分かち合い」「助け合い」「共に生きる」ことを身上とする者として、この県民総ぐるみアクションに対しては、自らを取り組みの主体としてしっかり意識し関わっていきます

 

1.備えの徹底について

防災・減災対策を推進するにあたっては、自らの身を自ら守る「自助」、地域などで互いに協力し助け合う「共助」、県・市町村・国等が行う「公助」が連携し一体となって取り組んでいくことが必要、との考え方には深く同意し、取組んでいことを表明します。

(1) 自分の身を自ら守る「自助」について

まず自らの身を守り、生き延びる事、「生き延びなければ何も始まらない」という事実を徹底して県民・事業者と徹底して共有し、その上に立って、居住環境関係の住宅の耐震化、家具の転倒防止、建物の不燃化・難燃化、感震ブレーカーの設置などとあわせて、食関係の家庭における回転備蓄の考え方を普及し、常に10日分以上の水・食料品の準備、トイレ対策及び非常持ち出し袋の準備などの徹底を推進することが必要と考えます。

想定する都市型大規模災害の際には発災から公の援助が届くまでには相当の期間が必要と思われます。水や食料などについては、従来のような3日分では明らかに不足すると思われます。

(2)  ちょっとした見守りや心配りが本来必要な県民について

その際に、県のいう「要配慮者」ではないがちょっとした見守りや心配りが本来必要な県民、例えば独居者、高齢者、心身や生活に困難を抱えているさまざまな多くの県民とともに私たちは暮らしています。県民総ぐるみアクションとするためにも何らかの公の支援や配慮が必要です。

 

 

2.共にに生きるために

(1) 東日本大震災における障がい者の状況を学び活かす

東日本大震災における障がい者の死亡率は健常者よりも4.3倍(宮城県調べ)と高かった(特に聴覚障がい者の死亡率が高い)と報告されています。非常時における「大規模災害と障がい者」という観点から、直近の東日本大震災反面教師として徹底して学び(発災前の状況、直後からの生活の状況(避難、避難所、仮設住宅など))、その内容を広く公表して県民と共有を図ることは県民が「共に生き延びる」ために重要なことであると考えます。

(2) 福祉避難所について

災害時に、一般の避難所で健康な人と同じ環境で生活するのが困難な認知症患者や障がい者、妊婦らを受け入れる福祉避難所の指定を、県下全ての自治体で小学校学区に1つは指定できている状況にしてください。また広域的な応援体制の確立や、介護ボランティア養成などに積極的に取り組んでください。

(3) 「障害者差別解消法」の反映

障がいを理由とする差別の禁止に関する具体的な規定を示し、それが遵守されるための具体的な措置等を定めることにより、「障害者基本法」第4条の差別の基本的原則を具体化し、全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目的として障害者差別解消法」が2016年4月1日に施行となります。この法律では「差別的取扱いの禁止」及び「合理的配慮の不提供の禁止」は国・地方公共団体等の義務です。

本地震防災戦略においても、「障害者差別解消法」に基づいて取り組むことは勿論ですが、障がいを持つ県民をはじめ要配慮者、ちょっとした見守りや心配りが本来必要な県民、例えば独居者、高齢者、心身や生活に困難を抱えているさまざまな多くの県民と共に、備え、生き延び、再建するとの視点を持ち積極的に取り組んでください。

(4) すべての人と生きる

県内には多くの外国籍県民の方々がくらし、その国籍も多岐にわたっています。かながわグランドデザインでも多文化共生の項で、「災害時における外国籍県民支援の推進」が挙げられており心強いところです。更にこの間の野放しのヘイトスピーチ(差別扇動表現)も考えると、朝鮮半島や中国、台湾等から様々な経緯から日本に来て今私たちと共にくらしている県民も含めて、どんな状態でも共にくらしていけるように強い県の役割発揮を求めます。

 

3.地域における受援力の強化

(1) 災害ボランティアネットワーク空白自治体の解消

阪神・淡路大震災以降、市民活動としてのボランティア活動が大きく位置づけられるようになっていきました。その際に重要な点は「受援力」です。有事の際の災害ボランティア活動は、地元の社会福祉協議会が窓口となって「災害救援ボランティアセンター」を立ち上げ、そこを核として活動が展開されます。「災害ボランティアセンター」が機能するためには、普段より県域や地元・近隣市町村の災害ボランティア団体との連携を行い、防災ボランティアや防災リーダーを積極的に育成していることが必要です。

まずは、その働きが社協とともにできる災害ボランティアネットワークの地域組織の空白地域を無くすことに取組んでください。

(2) 災害時における対応力の県内の地域間格差の是正

例えば県西部地域のように規模が小さい町においては、行政も社協も発災後の活動には人的体制的にも大変困難さを抱えます。明らかに想定できる事ですので、災害時の対応力について県内で地域格差が生じないように、ふだんからの準備をすすめてください。

 

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ