HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2015年12月9日

機能性表示食品に関する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

今年の4月から機能性表示食品の制度が施行されました。機能性表示食品については、これまでのいわゆる健康食品の玉石混交の無政府的流通から、科学的根拠のあるものへ移行することの期待もされていました。

しかしながら実際は、事前に懸念する意見等出されたことについては一向に顧みられることなく進行しており、この「制度」のままで進行することは、消費者が安全・安心できる消費生活を送っていく上で、問題と思われる状況となっています。

早急に見直して制度の是正を行う必要があると考え、この意見書を提出します。

 

1.公的機関が安全性について疑義を示した製品・機能性関与成分について、消費者庁は届出を受理すべきではありません。

安全性が確認できないため特定保健用食品(トクホ)では「却下」された製品が、機能性表示食品として受理されています。「事業者責任」の名のもとで、書式さえ揃っていれば消費者庁は受理するようなやり方では、消費者が安心して適切に選んで賢く使うことは困難です。

国内外の公的機関が安全性について疑義を示した製品・機能性関与成分については、届出を受理すべきではありません。安全性については、公的機関のリスク評価の結果を尊重するべきです。

 

2.「食経験」にサプリメント形状の「加工食品」の販売実績を認めるのであれば、判断基準を明確にすべきです。

サプリメント形状の「加工食品」については、機能性関与成分の含有量やその原料、製法などにより安全性や機能性が異なるものと思われます。企業のいう、販売製品の内容や実績の詳細、消費者からの苦情やその対応等については、適切なものかどうかの把握が必要と思われます。

サプリメント形状の「加工食品」を食経験とするのであれば、明確な判断基準が必要と考えます。

 

3.誤認を招くような広告・宣伝に対する指導を求めます。

現在、消費者庁で公開されている情報では消費者が安全性や機能性について理解し選択をするには困難です。また実際に広告・宣伝されている表現や表示、広告・宣伝には消費者の合理的な選択を混乱させるものも散見されます。「消費者のための機能性表示食品」として、事業者の指導を求めます。

 

4.消費者庁は消費者の権利を守る立場で仕事をするべきではないか。

機能性表示食品制度が導入され、消費者庁が届出を受理した食品が消費者庁のホームページに掲載されています。この間、消費者・市民団体から安全性や機能性について疑義が提起をされたものも、そのまま含まれたままです。事業者利益だけが優先されており、消費者にとって本当に有効な制度であるのか、深い疑問を感じます。

そもそも機能性表示食品制度は「事業者の責任で表示する」もので、消費者庁は、「届出等に関するガイドライン」に沿った資料が提出されたかどうかを形式的に「審査」して届出を受理し、その後の対応は事業者任せにするものです。

そのためトクホの審査では「安全性が確認できない」との評価がされた関与成分であっても、こちらの機能性表示食品では、同成分を含む食品を機能性表示食品として販売することについて、消費者庁は何ら規制措置を行いませんでした。

同じ成分でトクホと機能性食品とで違いが出ることは制度の欠陥を示すものではないでしょうか。機能性表示食品制度の欠陥を認め、トクホや栄養機能食品制度も含めて、総合的な見直しをすることが、消費者の権利を守る消費者庁のなすべきことと考えます。

 

5.あくまでもバランスの取れた食生活の推進がベースでなければなりません。

「〇〇に役立つ」という情報だけが独り歩きすることは、消費者の適切な食生活の推進に混乱をもたらし、消費者の利益とはなりません。重要なことはバランスの取れた食生活を推進することであることを徹底し、望ましい食生活の啓発を行ってください。

 

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ