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2015年11月1日

国の重要事項である憲法解釈変更について、
透明性の確保は政府の当然の義務
内閣法制局の公文書管理の姿勢は主権者である国民を愚弄するものです

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

昨年7月1日、安倍首相は臨時閣議を開き、従来の政府解釈を改め日本国憲法の下で集団的自衛権の行使を認める旨決定し、会見を行いました。

内閣法制局は内閣における「憲法の番人」と言われてきました。内閣提出のあらゆる法令が憲法に抵触しないか厳格に審査することが職務とされ、行政府の中での法の解釈を整合性あるものにし、行政府内部での法的安定性を確保することにあたってきたと理解しています。ですから、長年にわたって積み上げてきた憲法解釈の論理からすれば、今回の平和安全法制整備法案並びに国際平和支援法案に対して歴代元内閣法政局長官が「違憲」と断じるのは当たり前であったとも言えます。

 

9月19日未明に法案は参議院議員本会議で可決・成立しました。その後、9月28日に毎日新聞の報道で、昨年7月の憲法解釈変更の閣議決定に際して深くかかわったであろう内閣法制局が内部検討の経緯を示した議事録などを公文書として残していないということが判明しました。

これは一体どういうことなのでしょうか。

 

「公文書等の管理に関する法律」では、目的として第一条に「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」とされています。それなのに今回保存されている公文書は、首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の資料、与党協議会の資料、閣議決定の原案、の3種類だけだとは。

 

横畠裕介内閣法制局長官は、閣議決定後の参院予算委で「部内でも9条に関する過去の国会答弁や質問主意書、答弁書などの政府見解を精査していた」と述べ、今年6月の参院外交防衛委でも「法制局内で議論した」と答弁をしていたそうですが、どのような「精査」がなされたのか、国の政策の重大な変更の筈であるのに「精査をした」とする裏付ける資料は何もありません。従って主権者である国民が、「内閣法制局として、どのような経緯と検討の末に結論を得たのか」を知ることができません。

事はの最高法規の解釈に関わる問題です。透明性の確保は政府の国民に対する当たり前の義務です。

このような国民無視を「憲法の番人」が率先して行っていること、この異常が放置されていることに抗議します。経緯の隠蔽は許されません。主権者たる国民を愚弄するものです。

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