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2015年9月7日

原子力事業の方向及び経済的優遇措置などについて

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

 

国は、国民の大多数が原子力発電依存からの脱却を求めていることを受け止め、省エネルギーや再生可能エネルギーへの転換を積極的に推進するべきです。原子力事業の維持、継続のためにさまざまな経済的優遇措置を導入するべきではありません。

 

1.東京電力福島第一原子力発電所の事故は何も終わっていません

(1) 東京電力福島第一原子力発電所の事故以降私たちが経験し認識したことは、原子力発電所の事故は膨大な国富を失うこと、多くの人々の数々の基本的人権が奪われ続けていること、誰もその責任を取らないこと、全国の原子力発電所がすべて停止をしても停電等の支障は生じないこと、原子力発電が低廉な電源であるという従来の説明は誤魔化しだったこと、さまざまな名目で莫大な原子力関係費用を国民は負担させられていたこと、再処理技術も最終処分技術も未確立であること、廃炉には20〜30年かかりその費用は360億円〜770億円(総合資源エネルギー調査会資料)であること、そもそも原子力発電はウラン鉱採掘、稼働、廃棄物処理、核拡散などその全過程において放射能汚染のリスクが大きいエネルギー源であり、重大で深刻な環境問題を抱えていること、等たくさんあります。

(2) 2014年8月に日本経済新聞が行った全国世論調査では政府が重要電源と位置づける原子力発電に関しては「再稼働を進めるべきではない」は56%、「再稼働を進めるべきだ」は32%。2014年11月に行ったNHK放送文化研究所の「川内原発とエネルギーに関する調査」では「原子力発電所を全て廃止すべき」が30%、「減らすべき」が37%に対し、「現状維持」は21%、「増やすべき」は3%、2015年8月の毎日新聞の全国世論調査では川内原発再稼働に反対は57%、賛成は30%と、国民が求めているものは明らかです。

 

2.原子力事業の維持、継続のための経済的優遇措置は導入すべきではありません

(1) 経済産業省は長期エネルギー需給見通しにおいて原子力発電の2030年の電源比率を20%〜22%とし「重要なベースロード電源」としていますが、この考えは上記に述べた通り、国民の求めているものとは真逆のものです。

(2) 原子力発電所の運転期間は原則40年と福島第一原発事故後の法改正により決められ、福島第一原発を含む11基の廃炉が決まっています。今後設置許可を出している3原発以外はリプレースも狙っているようですが、現実性を欠くものです。

電力自由化の進展の中で競争環境に置かれる原子力事業の維持・支援をすることは、エネルギー基本計画にある原子力依存度を可能な限り低減させるとし、「原子力発電については、・・・安全性の確保を大前提としつつ、エネルギー自給率の改善、電力コストの低減及び欧米に遜色のない温室効果ガス削減の設定といった政策目標を同時に達成する中で、徹底した省エネ・再生可能エネルギーの最大限の拡大、火力の高効率化等により可能な限り依存度を低減することを見込む」とする長期エネルギー需給見通しに反するものです。

また「技術・人材維持のために原子力の事業規模を定め、これを確保する」という発想は大きな間違いです。人材の確保で必要なことは廃炉を目的とした技術と人材の確保にほかなりません。

(3) 9月1日の報道では、日本原子力研究開発機構が800億円以上の費用をかけてもんじゅなどの使用済核燃料の再処理を研究する目的で建設し2000年に工事を中止した高速増殖炉研究の関連施設について、別目的の東海村に保管中の高レベル放射性廃棄物を最終処分場に運ぶための容器に入れるための施設に改造するため、現在維持費として年間2,700万円が掛かっているが、更に100億円を投じる計画とされています。

原子力事業の維持・継続のためにさまざまな優遇措置を講じたり、莫大な財政を投入することには反対します。

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