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2015年7月31日

法的安定性を軽視してはならない それは法治国家としての自滅の道だ

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

安全保障担当である礒崎陽輔総理補佐官が大分市内で行った講演内容が問題だとして取り上げられています。

「集団的自衛権の話で、憲法違反だと長谷部先生が言った憲法に自衛権というのは何も書いてない、一字もない。憲法に書いてないのに憲法違反なんかあるはずがない」「必要かどうかも議論しないで 法的安定性を欠くとか法的安定性でね、国守れますか、そんなもので守れるわけないんですよ(7月25日)、「法的安定性は関係ないんですよ。わが国を守るために必要な論理かどうかを気にしないといけない」(7月26日)

 

日本は法治国家の筈です。法的安定性とは「法はみだりに変更されないということ」「法律は安定してあまり変化がないこと、法律に関して確実性の高い予測が立てられること」です。「法的安定性は関係ない」とは法治国家を否定するに等しく、公職にある者の発言として最低です。また、安全保障担当の総理補佐官が(集団的自衛権行使が)わが国を守るために必要な論理かどうかを気にしなければいけない」のであって「法的安定性は関係ない」とすることは、現在、安全保障関連法案について政府が説明している「憲法の範囲内で法的な安定性は確保されている」は、実は「法的安定性を欠いている」ことを事実上認めたことに等しいものです。

 

「安保法制」において行おうとしている集団的自衛権とは、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」です。

これまで内閣法制局は、「憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものである」と解してきました。そして「集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」とし、歴代の首相や閣僚もこれに沿って答弁してきました。

ですから、集団的自衛権を行使できるようにするためには、現在の憲法を決められた手続きに沿って変えることが必要なのです。しかし昨年7月1日に「集団的自衛権の行使は憲法上許される」と閣議決定してしまいました。そのため、昨年の閣議決定の基づく今回の安保法制は「法的安定性」を損なうと、多くの識者や国民から指摘がされ問題視されているのです。

それを「我が国を守るために必要な措置かどうか」が重要で、「法的安定性」は関係ないというのでは、「立憲主義は関係ない」「民主主義も関係ない」「法治国家も関係ない」と言うのに等しいものであり、このような発言が政府中枢から出され、そして放置されてる事について、肌が粟立つような恐ろしさを覚えます。

法的安定性を軽視してはなりません。それは法治国家としての自滅の道です。

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