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2015年7月25日

地域を支える農協は組合員の自らの意思に基づく改革がされるべきです。 今回の農協改革関連法案については問題があります。

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

「協同組合は、経済的な持続性と社会的責任の両立が可能であることを国際社会に気づかせてくれる存在である」とは国連事務総長の潘基文氏の言葉です。

協同組合は、「自発的で開かれた組合員制」「組合員による民主的管理」「組合員の経済的参加」「自治と自立」「教育・研修、広報」「協同組合間の協同」「コミュニティへの関与」の7つを原則として活動しています。

協同組合は、この協同組合原則とそれぞれの根拠法に基づき、利用者である組合員が出資し運営参加して事業を実施することを通じて、国民生活及び地域経済の安定と発展に寄与する民間組織です。

時代の変化に対応し、協同組合が常に組合員と地域社会のために改革の努力を行っていくべきことは言うまでもありません。そしてこの改革はあくまでも組合員の立場に立ち、協同組合自身による自己改革が基本でなければなりません。

 

2014年5月14日、政府の規制改革会議の農業ワーキング・グループで取りまとめられ、5月22日の規制改革会議本会合で了承された「農業改革に関する意見」の内容について、日本協同組合連絡協議会(JJC)や国際協同組合同盟(ICA)、日本協同組合学会では、「『自主・自立』、『民主的運営』を基本に組合員の出資・運営参加により事業を実施する協同組合のあり方が考慮されておらず、一方的に制度改変を迫るものであり、強い懸念を感じます」「日本の農協と家族農業を脅かす」「組合員により運営されてきた自主的・自立的組織としての協同組合の存在意義を無視ないし否定し、構成員自身による主体的・協同的自己革新の道を閉ざすことになる規制改革の推進を断じて容認できない」とアピールしてきました。

またJAグループでは2014年8月以降、JA全中会長の諮問機関である総合審議会で検討を重ね、有識者会議等の意見も取り入れて、11月6日にJAグループの自己改革を「食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」として取りまとめ、この実現に向けて組織内の議論を積み重ねてきました。

 

この4月3日に閣議決定し6月30日に衆議院本会議で採決されて衆議院を通過した政府の農協改革関連法案では、JAの事業目的を「農業所得の増大、その他農業者の利益の増進」「的確な事業活動により利益を上げ、その利益を事業への投資や組合員への投資や組合員への利用高配当に充てる」とし、公認会計士監査の義務づけや、JA全中の社団法人化などを柱としていますが、その本質は協同組合の精神を否定し地域生活基盤としての総合農協の役割を踏まえることもなく、効率一辺倒の市場原理主義に基づく農協解体でしかありません。実際、衆議院の審議において的確な説明や具体例の提示はありませんでした。これでは「TPPに反対する農民団体つぶし」としか理解できるものではありません。

 

また今回は「5年間調査を行った上で慎重に決定する」として先送りされたものの、准組合員の利用量規制については、准組合員の事業利用があたかも大問題であるかのように映り、地域を支える協同組合の性格を弱めるものです。多くの地域においては、農協の金融や共済、医療、福祉、葬祭、店舗、給油所、LPガスなどの様々な事業は地域住民の大切な生活基盤の役割を担っており、准組合員の利用量規制は、そのまま地域社会の衰退に直結する問題となります。

繰り返しになりますが、協同組合は組合員が出資・管理・運営する組織であり、農協改革は組合員の意思に基づく自主的・主体的な改革でなければならなりません。

 私たち神奈川県消費者団体連絡会は、神奈川県協同組合連絡会の構成員として、今回の農協改革関連法案については強い関心をもって注目をしていきます。

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