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2015年5月1日

長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)についての意見

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘
〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-6-13
新横浜ステーションビル9階
電話:045-473-1031、FAX:045-473-9272
Yoshihiro.Maruyama@ucoop.or.jp

 

1.日本の未来に責任を持つ立場で検討すべきです。

私たちは私たちにつながる未来の人々に対して責任があります。持続可能な社会を未来につなぐ視点からエネルギー政策を検討すべきと考えます。

 

2.総エネルギー消費量の削減及び高効率化の推進を前提とすべきです。

エネルギー消費量及び二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を削減させつつ経済成長を実現することは可能であると、既に欧州諸国の取り組みで実証済です。日本社会においても徹底した「熱効率社会」「徹底した省エネルギー社会」を実現ように注力すべきです。

また化石燃料を燃焼させて電気を得る場合、その投入された熱量の約6割は廃熱となるとされています。現在の火力発電の高効率化を加速化させて発電時のエネルギー消費量自体を削減することやコージェネレーションなど様々な分野の熱エネルギーの利活用を推進することは重要と考えます。

 

3.「再生可能エネルギーの導入の最大限加速」を図るべきです。

再生可能エネルギーについては、エネルギー基本計画において「2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していく」とありますが、現在導入を最大限加速しているのか疑問です。またこれまでの検討が現状の電力システムを前提としているもので、再生可能エネルギーの優先的な接続も地域間の電力融通も殆ど行われない中での検討内容です。火力や原子力発電を稼働させた残りのすき間への対応や分割された地域ごとの調整ではなく、再生可能エネルギーの最大限の導入自身を目標として必要な施策を推進すべきです。

現在示されている2030年電源構成は原子力発電20〜22%、再生可能エネルギー22〜24%とされています。国の案は老朽原発の使用延長や新規原発の稼働なども視野に入れたものです。東京電力福島第一原発の過酷事故後の基本政策とはとうてい思えません。

 

4.エネルギー消費と電力消費の見通しは、始まっている社会経済構造の変化や実際に減少しているエネルギー消費動向を踏まえるべきです。

日本のエネルギーの最終消費量は2004年度をピークとして減少しており、2013年度までにピーク比で11.3%の減少となっています。電力会社の10社合計発電電力量は2007年度をピークに減少しており2013年度はピーク比で8.8%の減少となっています。これは社会経済構造変化を背景とするものであり、将来推計人口からみてもエネルギー需要は更に大幅に減少します。この動向をしっかりと押さえた上で検討するべきです。

 

5.エネルギー源の選択の際には本来かかるコスト全体から評価するべきです

エネルギー源の選択においては、安全性、供給の安定性、環境負荷に加えて、発電時の直接コストのみならず、安全対策費用、非常時対策費用、廃棄物の最終的な処理・処分費用や事故発生時の損害賠償費用など、本来かかるはずのコストの全体を俯瞰して評価すべきです。

東京電力福島第一原発事故をきっかけにして露わになったことの一つは、これまで説明されていた「原発はコストが安い」ということは間違いであるということです。

 

6.大規模一極集中型システムから地域分散型システムの推進へ転換を積極的に推進するべきです。

再生可能エネルギーの多くやコージェネレーションは、様々な主体によりそれぞれの地域にあわせて取り組まれます。地域が主体となるエネルギーの仕組みづくりやエネルギーの地産地消は日本全体のテーマとなっている「地方創生」の柱となり得ます。

 

7.原子力発電については安全の確保と国民の理解が最優先されるべきです。

原子力発電については、すべての判断の大前提として安全の確保と国民の理解が最優先されるべきです。東京電力福島第一原発の大事故では現在でも汚染水問題や建屋の高濃度放射能汚染が続いています。福島県の避難者は福島県内に7万2,790人、県外に4万7,219人と、くらしの基盤を失ったままの過酷な生活状況にあります。現在どの世論調査を見ても原発再稼働について反対の割合は賛成を大きく上回っています。事故については原子炉の損傷状態や水素爆発の全容解明が終わっているとは言えません。未解明事項は数多く、「事故当時何が起こったのか全容はまだ分かっていないことの方が多い」とされています。 従って十分な安全対策は未だ立てられてはいません。

さらに、使用済み核燃料の処理、高レベル放射性廃棄物問題などの見通しが立たないことを考えると原子力発電に頼らないエネルギー政策を目指すことこそが一番現実的な選択であると考えます。

 

8.情報公開は大原則です。

電力システム改革を通じて、消費者・需要者がエネルギーを積極的に選択できるようにするため、積極的な情報公開・情報提供を行い、公正な競争を確保できる条件整備を図るべきと考えます。

情報公開は信頼を確保する上でのすべての大前提です。情報公開を前提に、エネルギーに関する国民各層の理解の増進と双方向的なコミュニケーションの充実を図ることを求めます。

 

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