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2014年11月10日

九州電力・川内原発の再稼働問題について

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘
横浜市港北区新横浜2-6-13
新横浜ステーションビル 9階
電話:045-473-1031
Yoshihiro.Maruyama@ucoop.or.jp

鹿児島県伊藤祐一知事は11月7日、県庁で記者会見を開き、「九州電力川内原発1号機、2号機の再稼働についてはやむをえないと判断した」と述べ、再稼働に同意を表明しました。川内原発を巡っては、10月28日に薩摩川内市が再稼働に同意、鹿児島県議会も11月7日の本会議で再稼働を求める陳情を賛成多数で採決して、議会として川内原発再稼働に同意しています。

しかしながら川内原発の再稼働問題では、3年8か月前に起きた東京電力福島第1原発事故の教訓が十分に活かされているとは言えません。課題が積み残しのままの再稼働に向けた見切り発車については反対の意を表明します。

原発の安全性や経済性については多くの問題がありますが、拙速な川内原発1号機2号機再稼動に反対する理由を2点に絞って述べます。

 

1.避難計画ができていません。

福島第1原発事故で被害が広域化したことの経験から、避難計画の策定など、事前に対策をとる原子力防災の重点区域は10キロ圏内から30キロ圏内に拡大されています。川内原発の場合、対象となる自治体は9市町(薩摩川内市、阿久根市、出水市、姶良市、いちき串木野市、日置市、鹿児島市、さつま町、長島町)です。しかしながら計画では、10キロ圏内にある17施設・約820人の避難先は確保したものの、10キロ圏外の227施設・約9,700人については事前に確保できてはいません。

また鹿児島県は30キロ圏内の21万5千人の9割が圏外に逃げる所要時間は最大で28時間45分としていますが、全員が圏外に避難を終えるのにかかる時間や、市町別の避難時間は試算していないとしています。

政府は当初、要援護者も30キロ圏を対象に避難先の事前確保を求めていましたが、伊藤鹿児島県知事は10キロ圏外について「空想的なものは作れるが。機能しない」と当面策定しない方針を明言、政府も容認していると報道がされています。要支援者への対応すらできておらず、30キロ圏外への全住民の避難計画も作れない状態のままで、前のめりに再稼働ありきで舵を切るような、国民の命を大切にしない政策にはとうてい同意できるものではありません。

 

2.30キロ圏内の自治体の同意がなければ原発を再稼働させてはなりません。

避難計画を義務付けられている自治体が、なぜ稼働について同意するかどうかの権利を持てないのでしょうか。こんな理不尽な話はありません。川内原発の場合、避難計画の策定など、事前に対策をとる原子力防災の重点区域対象となる自治体は9市町です。

30キロ圏内にある日置市、いちき串木野市の両市議会は、今年の9月にみずからの市にも同意を求めるべきだとする意見書を可決しています。また姶良市議会は7月に再稼動反対と廃炉を求める意見書を全会一致で可決しています。このような地元の意見は十分尊重されるべきではないでしょうか。

11月6日の衆院原子力問題調査特別委員会で、菅直人衆議院議員の「30キロ圏の自治体がこれでいいと言わないと(再稼働の)スイッチは押せない、そういう理解でいいんですね」との質問に対して、電力会社を代表して参考人として出席した東電常務の姉川尚史参考人は「地域防災計画が定まっていない、すなわちご理解いただいていないということであれば、我々事業者としては再稼働の条件が十分でないという風に認識しております」と回答しています。  

大間原発に関して30キロ圏内にある函館市は、稼働に関して同意を持つ権利を持っているはずだと東京地方裁判所に裁判を提起しています。

福島の原発事故で被害が広域化したことの経験から、避難計画の策定など、事前に対策をとる原子力防災の重点区域を10キロ圏内から30キロ圏内に拡大したのです。であるなら、関係する地元の中には30キロ圏の自治体を同意の対象とするのは、当然の理と考えます。

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