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2014年8月20日

内閣官房特定秘密保護法施行準備室「意見募集係」 御中

「特定秘密法 統一的な運用基準(案)」に対する意見

団体 神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘
横浜市港北区新横浜2-6-13 
新横浜ステーションビル9階
電話:045-473-1031、FAX.:045-473-9272
Yoshihiro.Maruyama@ucoop.or.jp

項目:策定の趣旨(T 1)について

意見:

特定秘密法が恣意的に運用されないように、ツワネ原則に従って少なくとも以下をきちんと法律に明記すべきです。

  1. 秘密指定の立証責任は国にあることを法律に明記する。
  2. 何を秘密としてはならないかを法律において明記する。
  3. 秘密指定を60年より短い期間にすることを法律に明記する。
  4. 市民が秘密解除を請求するための手続きを法律で明確に定める。
  5. 刑事裁判において、公開法廷で秘密の内容を議論できることを法律において保証する。
  6. すべての情報にアクセスし、秘密指定を解除できる政府から独立した監視機関 を法律に基づいて設置すること。
  7. 内部告発者が刑事処罰から解放されることを法律上明確に保証する。
  8. ジャーナリストと市民活動家を処罰してはならず、情報源の開示を求めてもならないことを法律に明確に定めること。

理由:

政令および運用基準の制定には、国連自由権規約委員会の勧告意見に従い、ツワネ原則などに基づいて、より情報公開が図られ、市民の知る権利を保証する方向で、全面的な制度の見直しを行うべきです。法律案自体も多くの批判がありました。自治体からも多くの反対や慎重審議の意見書があげられ、またパブリックコメントも反対意見が大半であったにもかかわらず、充分な議論はなされませんでした。民主主義社会では、主権者である国民の意思は最大限尊重されるべきです。昨年9月のパブリックコメントでは募集期間が通常30日間の半分の15日間であったにもかかわらず90,480件の意見が集まりその77%が反対でした。少なくとも多くの疑念があるならば、拙速に審議をするのではなく議論を深めるべきです。国民主権を破壊し、知る権利やプライバシー権を侵害するとの強い懸念を持たれており、このような権利侵害のおそれがある以上、仮にこの法律を施行するとしても、その運用基準は、国連自由権規約委員会の勧告意見などを踏まえ、特定秘密の指定範囲を限定し、恣意的な秘密指定をなくし、適性評価を受ける者のプライバシー保護を徹底すべきです。

 

項目:特定秘密法の運用に当たって留意すべき事項(2 (1))について

意見:

特定秘密となる対象指定や運用について恣意的になる懸念は払拭されていません。

理由:

拡張解釈の禁止、基本的人権及び報道・取材の自由の尊重の項で、「特定秘密保護法が定める各規定を拡張して解釈してはならないこと」「憲法に規定する基本的人権を不当に侵害することのないようにすること」「報道又は取材の自由に十分に配慮すること」とされています。この留意事項ではあまりにも抽象的で無限定であり恣意的運用の歯止めになるものではありません。また、「電波情報,画像情報その他情報収集手段を用いて収集した情報」には、違法な情報収集活動を用いて収集した情報は含まれないと明記すべきです。「特段の秘匿の必要性」の判断基準について、基準案に書かれている程度では何ら限定がないのと同じです。

また秘密の対象とする55項目では、例えば防衛分野では「自衛隊、米軍の運用」が、外交分野では「国際社会の平和と安全の確保」とされています。防衛や外交の情報は何でも特定秘密にすることが可能になっています。

特定秘密の定義については、広範な概念を持つ事項も多く政府の解釈次第で決められてしまうため、情報公開をしない場合の妥当性を客観的にチェックすることが出来ません。行政裁量に任せれば、本来は早く公開されるべき情報や政府にとって都合の悪い情報が表に出ない場合があり、秘密の乱造につながるとの懸念を持ちます。

 

項目:指定の要件(U 1)、指定の解除(V 2)について

意見:

政府の違法行為は秘密指定にしてはいけないという規定のない運用基準は見直すべきです。また特定秘密の指定期間は,国民の知る権利の観点から必要最小限でなければならず,安易に延長すべきではありません。

理由:

特定秘密保護法第3条第1項は、行政機関の長が指定する特定秘密について、3つの要件を規定しています。その要件の中に自らの違法行為を秘密にしてはいけないという規定がなく、秘密指定においては行政の長の裁量に任されています。政府の違法行為や汚職腐敗、環境汚染などを秘密指定にしてはならないことを要件として、法律の段階できちんと書いてしかるべきです。せめて政令には書くべきです。

また、そのような事項を違法に秘密指定したり、これを黙認した公務員に対して、懲戒責任を問えるようにすべきです。

また秘密指定期間延長時には「指定の理由を点検する」としか定めておらず,安易な延長への歯止にはなりません。それに秘密指定期間が30年を超えてよいかは、行政権内部の内閣が判断するに過ぎません。「特に慎重」に判断するとは基準ではありません。特定秘密とされた情報で指定期間が30年以下のものが秘密でなくなった場合、この行政文書が歴史公文書でない限り首相の同意を得て廃棄されます。しかし,国民がその存在すら知り得なかった秘密ですから、廃棄する前に国民に全面開示して,秘密指定が妥当だったか検証できるようにするべきです。

 

項目:適性評価の実施に当たっての考え方(W 1)について

意見:

運用基準では思想信条、政治活動、労働組合活動について調査することは慎むとされていますが、記録さえしなければ調査の結果として知ることまでは否定されません。

どのような調査がなされたか評価対象者には知らされず、運用基準違反に対する処罰もないため、思想信条等の調査が広く行われるおそれがあります。

理由:

人事評価のために適性評価の結果を利用等してはならないとされていますが、適性評価の実施責任者は、官房長、局長又はこれに準ずる者という人事の責任者であり、適正評価が事実上人事評価のために利用される危険性は否定できません。

評価対象者は、適性評価を拒むことができますが、不同意書には、「特定秘密の取り扱いの業務が予定されないポストに配置換えになること等があることについても理解しています」と書かれており、配置換え等の不利益を受けたくなければ適正評価を受けるしかなく、事実上同意は強制です。

質問票には、既に処罰が終わった犯罪や懲戒処分の経歴を申告させる質問があります。正直に答えなければ不合格になりますし、正直に答えても適正評価で不合格になった場合は処罰済みの犯罪や懲戒処分で特定秘密を扱わないポストに配置転換されることになり、これは二重処罰を受けるのと同じです。しかも、犯罪や処分行為の動機まで書かせるとは、過剰なプライバシー取得です。

適正評価では、家族や同居人の住所・氏名、生年月日、国籍を報告します、評価対象者に対する外国の情報機関等からの働きかけが、それだけの情報で明らかになるとは考えられません。この情報を元にさらなる内偵が予定されていると考えられ許されません。逆に、外国籍の家族がいるだけで不合格にするのであれば憲法上許されない差別となります。

 

項目:公務所又は公私の団体に対する照会(W 5 (5))について 

意見:

医療機関には医療情報の照会をするべきではありません。

理由:

医療機関に対して個人の医療情報の照会を行うことは、医師に対して守秘義務違反の情報提供を強要することとなる。また心配から患者が医師の治療を受けなくなるおそれがあります。医療機関への照会は悪影響があり、除外すべきです。

 

項目:内閣府独立公文書管理監(仮称)による検証・監察・是正(V 3 (1))について

意見:

独立公文書管理監は秘密の指定、解除について行政機関を管理監督するというが、独立人事は否定しなければ独立性は確保できません。

理由:

独立公文書管理監が特定秘密の開示を求めても、行政機関は「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められない」ときには、理由を疎明すれば開示を拒否できるとされています。特定秘密に対する完全な開示の権限をもたないような、第三者機関は存在する意味がありません。知る権利と安全保障に関する国際基準であるツワネ原則では、すべての情報に対するアクセスを認められた独立第三者機関が必要であるとしています。今回の独立公文書管理監は、このような機関に該当していません。

 

項目:特定秘密の指定及びその解除並びに適正評価の実施の適正を確保するための措置等(X )について

意見:

秘密の指定、解除、適性評価実施の適正の監督は、行政組織である内閣官房や内閣保全監視委員会が行うとされていていますが、検証・監察には強制力がなく、調査拒否に対する罰則もなく、拒否要件も疎明と緩やかなので、検証・監察に実効性は期待 できません。

内部通報は原則上司である行政機関の長に行うため、通報は躊躇される可能性が高くなります。

 

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