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2014年8月18日

内閣官房特定秘密保護法施行準備室「意見募集係」 御中

「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)に対する意見

団体
神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘
横浜市港北区新横浜2-6-13 
新横浜ステーションビル9階
電話:045-473-1031、FAX.:045-473-9272
Yoshihiro.Maruyama@ucoop.or.jp

項目:特定秘密の指定等(施行令第2条―第7条)について

意見

特定秘密となる対象指定や運用について恣意的になる懸念は払拭されていません。

理由

特定秘密保護法の運用基準素案がパブリッココメントに付されています。これを見ると冒頭に「留意事項」として掲げられた3項目では、(1)法律を拡大解釈しない(2)基本的人権を侵害しない(3)報道の自由に配慮する―。となっています。この留意事項ではあまりにも抽象的であり恣意的運用の歯止めになるものではありません。また秘密の対象とする55項目では、例えば防衛分野では「自衛隊、米軍の運用」が、外交分野では「国際社会の平和と安全の確保」とされています。防衛や外交の情報は何でも特定秘密にすることが可能になっています。

特定秘密の定義については、広範な概念を持つ事項も多く政府の解釈次第で決められてしまうため、情報公開をしない場合の妥当性を客観的にチェックすることが出来ません。行政裁量に任せれば、本来は早く公開されるべき情報や政府にとって都合の悪い情報が表に出ない場合があり、秘密の乱造につながるとの懸念を持ちます。

 

項目:指定を行う行政機関の長の限定(施行令第3条)について

意見

特定秘密を指定する各行政機関の中で、実務的に指定や解除、管理などがどのような分担となるのか不明です。

理由

特定秘密を指定するのは 19行政機関(@国家安全保障会議 A内閣官房 B内閣府 C国家公安委員会 D金融庁 E総務省 F消防庁 G法務省 H公安審査委員会 I公安調査庁 J外務省K財務省 L厚生労働省 M経済産業省 N資源エネルギー庁 O海上保安庁 P原子力規制委員会 Q防衛省 R警察庁)の長のみとされました。

実際の事務については指名された特定秘密管理者が行います。特定秘密保護法でも、基準素案、施行令案では特定秘密管理者までしか定めていませんが、特定秘密管理者は局長級を充てるようですので、さらに実務は分散されると思われます。どのような分担になるのか、行政機関毎に異なるのか、それとも一定の指針、方針が示されるのかなど明確ではありません。

 

項目:特定秘密指定管理簿の整備(施行令第4条)について

意見

特定秘密に指定された情報が秘密の指定期間の途中で破棄されてしまう恐れがあります。

理由

行政文書を管理するものが行政文書ファイルで、特定秘密はこの中から指定されます。そして、特定秘密が含まれる行政文書ファイルが特定行政文書ファイル等として独立公文書管理監に報告されることになっていますが、行政文書ファイル管理簿には特定秘密を含むかどうかの記載はされません。

そのため特定秘密の指定期間が、行政文書としての保存期間より長い場合、特定秘密の指定期間が終わっていないのに文書が破棄されてしまうおそれがあります。

指定・解除等を適切に管理するためには特定行政ファイル等については、特定秘密の指定の整理番号、特定秘密と指定した年月日、満了年限などを記載事項とすることが必要です。

 

項目:特定秘密の表示(施行令第5条等)について

意見

特定行政ファイル等には、特定秘密の指定の整理番号、特定秘密と指定した年月日、満了年限などを記載事項として含めることが必要です。

理由

行政文書を管理するものが行政文書ファイルで、特定秘密はこの中から指定されます。そして、特定秘密が含まれる行政文書ファイルが特定行政文書ファイル等として独立公文書管理監に報告されることになっていますが、行政文書ファイル管理簿には特定秘密を含むかどうかの記載はされません。

そのため特定秘密の指定期間が、行政文書としての保存期間より長い場合、特定秘密の指定期間が終わっていないのに文書が破棄されてしまう恐れがあります。

指定・解除等を適切に管理するためには特定行政ファイル等については、特定秘密の指定の整理番号、特定秘密と指定した年月日、満了年限などを記載事項とすることが必要です。

 

項目:特定秘密の保護措置(施行令第3節第12条)について

意見

特定秘密が「破棄」される場合のルールに明確な基準がなく、報告や検証の体制もありません。

理由

施行令では、運用基準で定めるところにより措置の実施に関する規程を定めるものとして、「特定秘密文書の奪取その他特定秘密の漏えいのおそれがある緊急の事態に際し、その漏えいを防止するため他に適当な手段がないと認められる場合における場合」について「焼却、破砕その他の方法による特定秘密文書等の破棄」(12条1項10号)をあげています。まず「おそれ」、「緊急事態」、「適当な手段がない」については、客観的に判断できるよう基準を明確にするべきです。

また、もしも特定秘密文書等の「廃棄」を行った場合には、行政機関の長、および独立公文書管理監ないし、保全監視委員会に報告する事を定め、例外的な廃棄が行われた場合にはきちんと報告がされその理由が妥当であったか、チェックが行われる制度とするべきです。

 

項目:適性評価等(施行令第19条―第23条)について

意見

特定秘密の取扱者の制限における適性評価はプライバシーの侵害につながるとの懸念を持ちます。

理由

適性評価の評価項目として法第12条第二項に掲げられている事項、即ち、特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第3号において同じ。)及びテロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第4号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む、としています。これらの項目はプライバシーの侵害につながるものです。

また、テロリズムの規定には市民が意見を表明・表現することまで入れ込んでいます。これは市民が政府に対して批判的な意見を表明・表現することを「テロリズム」と決め付け押さえつけるものです。

 

項目:法律の施行の時期について

意見

議論が尽くされないまま法律を施行させることには反対します。

理由

特定秘密保護法の附則では、2013年12月13日に公布から「1年以内の政令で定める日」から施行する、となっています。しかし、法律案自体も多くの批判がありました。自治体からも多くの反対や慎重審議の意見書があげられ、またパブリックコメントも反対意見が大半であったにもかかわらず、充分な議論はなされませんでした。民主主義社会では、主権者である国民の意思は最大限尊重されるべきです。昨年9月のパブリックコメントでは募集期間が通常30日間の半分の15日間であったにもかかわらず90,480件の意見が集まりその77%が反対でした。少なくとも多くの疑念があるならば、拙速に審議をするのではなく議論を深めるべきです。

今後、施行令や運用基準などの議論も充分に行われないまま、「1年経ったから」との理由だけで法律が施行されてしまったら、国民の知る権利は大きく損なわれてしまうおそれがあります。

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