HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2014年6月30日

正規の憲法改正手続きを行うことなく、解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認することには強く反対します

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

集団的自衛権の行使容認に向け6月27日に政府は、自民、公明両党に憲法解釈変更の閣議決定最終案を示しました。神奈川県消費者団体連絡会は、国際情勢の変化を理由として「正規の憲法改正手続きを行うことなく、解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認する」一連の動きは、近代の法治国家の基本をなしている「国民主権」と「立憲主義」を否定するものであるとの認識から、日本の行く末に強い危機感を抱き、5月3日に続いて再度、反対の意見を表明します。

6月28日時点では全国の政令市を含む159の市町村議会が反対や慎重な対応を求める意見書を可決しています。神奈川県内でも基地を抱える市を含む座間市、茅ヶ崎市、鎌倉市、大和市、三浦市、葉山町、大磯町の7市町が「閣議決定だけで憲法解釈を変更しないように求める」との意見書を採択しています。

 

そもそも日本国憲法は、立憲主義の立場に立ち、「基本的人権の尊重」「国民主権」「恒久平和主義」の3つの基本原則を定めています。とりわけ、恒久平和主義は、先の悲惨な戦争行為への深い反省に基づくものです。「していい戦争なんて無い」「もう戦争で加害者にも被害者にもなりたくない」。これが戦争を体験してきた私たち日本人の原点です。ですからその思いは、日本国憲法の前文にある「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように」との決意や、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認した上で、第9条で戦争の放棄と戦力不保持及び交戦権の否認を定めていることを大切に受け入れてきているのです。この内容は、恒久平和への指針として世界に誇りうる先駆的意義を有するものです。

 

憲法は言うまでもなく国の最高法規です。その性格は「立憲主義」として、個人の人権を保障し、国家権力の行使を制限するところに意義を持つものです。

しかしながら現在の動きは、憲法を改正することなく、「閣議決定」という形での解釈変更によってあるいは法律の制定によって、集団的自衛権の行使を認め、また海外での武力行使にも至りかねない道を開くことにつながるものです。この事は日本国憲法第9条を実質的に否定し、憲法の平和主義の理念と基本原理を根本から覆すものです。

 

日本国憲法は、前文において恒久平和主義と平和的生存権の基本原理を確認し、第9条において、戦争及び武力の行使等を放棄するとともに、戦力の不保持と交戦権の否認を規定しています。

国際法上「戦争の違法化」が確立している現在において、更にこの第9条2項によって「正しい戦争」も含めて一切の戦争を禁止したところにこそ、日本国憲法の世界憲政史上における画期的意義があります。

 

これまで政府においては、日本国憲法第9条の下では自衛権の発動は、@我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)が存在すること、Aこの攻撃を排除するため他に適当な手段がないこと、B自衛権行使の方法が必要最小限度の実力行使にとどまることが必要(1954年4月6日衆議院内閣委員会・内閣法制局長官答弁、1973年9月23日参議院本会議・総理大臣答弁等)としてきました。そして、海外での武力行使は基本的に上記@の要件を満たさないものとされてきました。集団的自衛権の行使は、1981年5月29日・政府答弁書のように、「我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべき」で、「自衛権の行使の範囲を超えるもので憲法上許されない」とされ、もし集団的自衛権を認めるのであれば、憲法改正という手段を取らざるを得ない(1983年2月22日衆議院予算委員会・内閣法制局長官答弁等)というのが政府見解であり憲法解釈です。

2004年に閣議決定した政府答弁書では、「憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に憲法の解釈を変更することができるという性質のものではないと考えている。仮に、政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の憲法解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねないと考えられる。」と述べられています。

これは今日まで政府内で維持されてきた内容であり、国民の中でも定着した価値である事にとどまらず、世界において日本が高い信用と高い評価を得ている基盤ではないでしょうか。

 

1989年の東西冷戦終結宣言以降も世界の各地で戦争や紛争は続いています。人類はテロや核拡散の不安から逃れられてはおりません。東アジアでも緊張が高まっています。

しかしだからこそ日本の採るべき真の「積極的平和主義」とは、過去の戦争を忘れず、憲法9条を手に平和外交を究めていくことだと考えます。

 

繰り返せば、その時の政府の都合で憲法解釈を変更することや、国家安全保障基本法その他の法律を制定することで憲法の精神を実質変更することは、容認されるものではありません。それは、憲法を最高法規と定め、第98条でこれに反する法律や政府の行為等を無効とし、第99条で国務大臣や国会議員に憲法尊重擁護義務を課す、立憲主義に真っ向から違反するものです。

 

憲法は国民の安全や権利を守り、時の政治の暴走を防ぐ役割を持つものであることを確認し、「憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認する」動きには反対であることを重ねて表明します。

 

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ