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2014年6月15日

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿

規制改革会議「農業改革に関する意見」について強い懸念を表明します

神奈川県生活協同組合連合会
会長理事 木下 長義

協同組合が時代の変化に対応し、常に改革の努力を行っていくことは、言うまでもありません。しかし、それらの改革は、あくまで協同組合自身による組合員の立場に立った自己改革が基本でなければなりません。しかしながら今回の規制改革会議の「意見」は、「自主・自立」、「民主的運営」を基本に組合員の出資・運営参加により事業を行う協同組合のあり方がまったく考慮されていません。協同組合の存在価値を否定し一方的に制度の改変を迫る姿勢には強い懸念を覚えます。

 

5月14日、政府の規制改革会議の農業ワーキング・グループにおいて「農業改革に関する意見」が取りまとめられ、5月22日の規制改革会議本会合で了承されました。その中で「農業協同組合の見直し」が提起されました。

政府の規制改革会議は6月13日の会合で「規制改革に関する第2次答申」をとりまとめました。農協改革は単協が主役であることを強調するとともに、中央会については「中央会制度から新たな制度への移行」として関連法案を次期通常国会に提出することをめざすとしました。5月22日とりまとめの同会議の「意見」にあった「廃止」との文言はなくなりましたが、与党のとりまとめ文書にはない「中央会が単協の自由な経営を制約しないようその在り方を抜本的に見直す必要がある」と盛り込まれました。

 

規制改革会議の「農業改革に関する意見」に対し、日本協同組合連絡協議会(JJC)(日本の各種協同組合運動相互の連携、共通問題の解決、わが国協同組合運動と海外協同組合運動の連携を図ることを目的に1956年より活動)は賛同団体6団体とともに5月30日に共同声明を発表し、協同組合の自主・自立を考慮しない一方的な制度改変に強い懸念を表明しました。

また6月1日には、世界の協同組合の連合組織で、世界最大の非政府組織(NGO)である国際協同組合同盟(ICA)が「協同組合の価値や原則を完全に無視するものである。日本の農協運動が解体され、このような形で組合員の権利が損なわれることについて、世界中の10億人に人々からなる世界の協同組合運動の全体が、日本の協同組合の仲間たちとともに反対する。」「国連は2014年を国際家族農業年と定めたが、この『意見』の考え方全体がそれに全く反するものである。国連が家族農業の持続可能な農業や環境への貢献を認めているのに対し、この『意見』は家族農業の価値を認めず、企業による農業を促進しようとしている。」と声明を発表しています。

 

国連は2012年を「国際協同組合年」と宣言し、各国政府に協同組合を支援していくことを呼びかけました。これは、世界全体が金融や経済の危機に直面する中で、協同組合のもつ社会や経済の安定に果たす役割を高く評価したためです。

日本政府も2012年の政府広報において、「協同組合は、地域社会に根ざし、人びとによる助け合いを促進することによって生活を安定させ、地域社会を活性化する役割を果たしています。人と人が支え合い、支え合うことによって生きがいを感じられる社会を形成していくことは重要な視点であり、協同組合はその主要な担い手のひとつです。(中略)国民生活に重要な役割を果たしている協同組合の地域に根差した助け合い活動がさらに広がっていくよう、次のような基本的考え方で、協同組合の発展をできる限り後押ししていきます。」として、「政府も協同組合の活動を後押ししていきます」の表題で、「(1)協同組合の価値と原則の尊重(2)協同組合による地域社会の持続的発展への貢献を重視(3)協同組合を事業や経営の有力な担い手として位置付け」を述べています。

 

今回の規制改革会議「農業改革に関する意見」は、これまで政府自身が表明してきたこと、協同組合の「自主・自立」、「民主的運営」を基本に組合員の出資・運営参加により事業を行う協同組合のあり方が考慮されていません。

協同組合の存在価値を否定し一方的に制度の改変を迫ろうとする姿勢には強い懸念を表明します。

 

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