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2014年5月28日

「消費者基本計画」の見直しに対する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

施策番号

意  見

これまで1985年採択の「国連消費者保護ガイドライン」は世界中の消費者の権利保護の取り組みの上で重要な役割を果たしてきました。現在、国連貿易開発会議(UNCTAD)においてガイドラインの見直しが進められています。見直しの内容は我が国の消費者基本計画の改定に多くの示唆を与えてくれるものと思いますので、消費者基本計画の見直しにあたっては反映させてください。


(No.26)

食品の安全と消費者の信頼の確保のためには、生産から消費に至るフードチェーン全体としての取り組みが必要です。HACCPの普及を一層促進を図るとともに消費者教育が必要ですが、2013年12月に発覚したアクリフーズ農薬混入事件のような食品を標的としたテロをも考え、フードディフェンスの取り組みも課題となっています。課題として記述してください。


(No.47)

「商品先物取引法の迅速かつ適正な執行を行う」について、「勧誘を要請しない一般顧客への訪問・電話による勧誘(不招請勧誘)の原則禁止等についての規定を導入し」の記述がありますが、その一方でこの規定を緩和する方向で商品先物取引法施行規則および商品先物取引業者等の監督の基本的な指針が改正されようとしています。PIO-NETに登録された国内商品先物取引に関する相談件数は減少しているとはいえ、改正の方向は消費者保護の観点から見て大きな問題です。今後、電力システム改革による電力先物市場創設などに伴う新たな消費者被害の発生も懸念されます。消費者庁は、不招請勧誘の規制緩和には大きな問題があるとの立場を貫き、公正な取引を発展させ、消費者被害の未然防止や拡大防止に努めてください。


(No.70、75)

表示について、「加工食品の原料・原産地表示」「中食・外食へのアレルギー表示」「食品添加物表示」「遺伝子組換え食品表示」等の個別課題についての表示基準の見直しについては、今後検討すべき課題として、実態調査を含め、準備が整ったものから検討を開始するとされています。「消費者にとっての表示はどうあるべきなのか」との視点を押さえて議論をしてください。

重1
リコール情報の周知強化等

リコール情報をよりわかりやすく消費者に伝える取り組みとして、サイト上にリコール対象製品の写真の掲載を行い掲載情報を拡大したことは有効です。しかし、消費者がわざわざ日常的にリコール情報サイト検索を行う訳ではありません。リコール情報の伝達や注意喚起等については、一番消費者に近いところで行うべきです。従って特に重篤な身体被害の恐れあるいは火災などの重大事故につながる恐れのあるものについては、それを販売したすべての販売店や営業所などにリコール対象製品の写真を含めたお知らせ掲示を行わせるとともに、全国の消費生活センターに同様の啓発コーナーを作らせて事故の再発を防いでください。また通信販売についても販売店や営業所と同様の対策を取らせてください。

重2
食品と放射能に関するリスクコミュニケーション等

食品に関するリスクコミュニケーション「食品中の放射性物質に関する現状と今後の取り組み〜正確な理解のために〜」について、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省の連携の下に継続していることは評価します。しかしながら不信のそもそもは、東京電力福島第一原子力発電所事故発生から始まる様々な対応のまずさ、問題解決の進捗の遅さ、汚染水処理の不適切さ、放射線管理区域と現在の居住規制のダブルスタンダード、食品の基準値、現在でも出荷停止が福島県だけではなく発生している現実も忘れてはなりません。根本の問題の対策が不十分なまま「正確な理解」ということでは片手落ちです。

重4
公共料金等

消費生活に大きな影響のある公共料金のあり方は、消費者の立場に立ち十分に検討すべきものです。検討にあたっては形式だけの消費者参画ではないように工夫するべきです。

電気料金についてはこの数年間で情報公開と消費者参加の点では改善が認められますが、ガス料金や水道料金等では未着手です。電気・都市ガスの料金制度については制度改革も進められています。十分に議論が尽くせるように検討時間の確保と情報公開に努めてください。

LPガス、灯油、ガソリンについては生活必需品でありことから、準公共料金と位置づけ、価格動向の監視や料金体系の公開の義務づけなどについて実施するようにしてください。

重5
食品表示法

食品表示の義務化にあたっては、@消費者の安全確保のために必要かつ十分な内容であること、A食品の内容が正確かつ分かりやすく伝えられるものであること、B消費者の自主的で合理的な選択のために必要かつ十分な内容であること、C消費者の健康増進目的を達成するために必要かつ十分な内容であること、D消費者の選択を誤らせる表示や不正な表示が防止されていること、を押さえたものにしてください。

重6
いわゆる健康食品の表示等

消費者の健康に対する願望は強くそのためいわゆる健康食品の市場拡大は大きいものがあります。その一方で健康食品に対する不十分な理解により必要な医療機会を逸失したり、薬との併用による健康被害の発生という問題や、送り付け商法など取引被害の問題も生じています。消費者に対する適切で継続的な情報提供と併せて、景品表示法の優良誤認・有利誤認表示に該当する表示広告については、措置命令を含む厳正な取締りを行ってください。

「国民生活センターのPIO-NET情報」「保健所からの情報提供」「医療機関から寄せられた情報」などが健康被害情報としてありますが、企業には有害事象を消費者庁に報告する義務はありません。情報全体を把握して、速やかな対策につながるような仕組みづくりを求めます。

健康的な生活を送るには、バランスの取れた食事と十分な休養、運動が大切です。いわゆる健康食品に頼る生活では健康的な生活は送れないことも常にお知らせをしてください。

重7
消費者教育

消費者教育を推進していくには、地方公共団体が消費者教育推進地域協議会を設置し、推進のための計画を策定することが重要です。全ての都道府県へ設置の働きかけを行うとともに、単独の設置ではなく消費生活審議会などの既存組織の活用の場合には、その活動状況の把握と評価をしっかりと行ってください。

重8
消費者被害救済制度

消費者被害の未然防止、拡大防止のため適格消費者団体が担う差止請求が効果的に行えるように適格消費者団体へのPIO-NET端末設置を急いでください。

消費者被害の救済のために必要と思われる「財産の隠匿・散逸防止策」及び「行政による経済的不利益賦課制度」の検討については、消費者被害救済の次のステップとして検討をすすめてください。

重10
地方消費者行政

消費者安全法改正で検討された地域の見守りネットワークの構築のための地方公共団体による消費者安全確保地域協議会の活動は、消費者教育推進協議会との連携を強化してすすめてください。

誰でもどこに住んでいても質の高い相談が受けられる体制づくりにおいては小規模市町村の現状を踏まえ、地方消費者行政における格差是正の観点からも取り組んでください。

重13
消費者安全行政

捜査機関や司法機関が収集した情報の中には事故原因を究明するのに役立つ情報が当然多く含まれています。然しながらエレベーター事故やエスカレーター事故のように発生してから時間が経過し、訴訟中となっている案件の捜査記録や裁判記録を消費者安全調査委員会が利用できる仕組みではありません。改善をしてください。

事故を取り巻く環境や人々の生活や行動のあり方にまで踏み込みながら、未然防止のために調査を行い、行政機関等に意見具申するという、その役割を大いに期待する消費者安全調査委員会の活動が消費者伝わっていません。

重16
詐欺的投資勧誘等

高齢者をねらった詐欺的投資勧誘の消費者トラブルが後を絶ちません。計画されている関係省庁による金融商品取引法、刑法、特定商取引法、消費者安全法の詐欺的投資勧誘に対する厳正な執行は継続して取り組み、更に取組強化事項として、@これまでの金融機関ATMや窓口における水際対策が有効であったことから、増加傾向にある宅配便を使った送金指示に関する対策として、郵便局や宅配便取扱い窓口でも中身の確認等の声掛けを働きかける、A 地方消費者行政による見守りネットワークの構築の促進を図る、Bマスメディアを活用した、高齢者に対する消費者被害防止の呼びかけを行ってください。

重17
有料老人ホーム

近年増加しているサービス付高齢者住宅についても対象とし、実態調査や必要な方策を検討してください。

重18
電気通信事業における販売勧誘方法の改善

電気通信分野における消費者相談は、年々増加傾向にあります。電気通信事業法の改正を検討してください。検討にあたっては、@電気通信事業法に特定商取引法と同等レベルの消費者保護規定を導入すること、A店舗販売においても、電気通信サービスの特性(サービス内容が複雑、個々の条件によってサービスが受けられない場合もある等)及び他製品にセットして通信サービスが不意打的に勧誘されている現実を踏まえて、クーリング・オフ規定を導入する、B複雑な代理店構造や行き過ぎたインセンティブの発生を見直し、料金水準の低廉化をはかる、C電気通信サービスを横断した紛争解決機関を設置すること、を検討項目に加えてください。

重19
追加部分

不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案が成立した後、施行に向け準備を行うにあたり、消費者の誤認を招かない表示についての事業者自身及び業界団体による表示に関する自主的な取組み強化を指導してください。

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