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2014年2月12日

神奈川県保健福祉局生活衛生部
食品衛生課食品衛生グループ 御中

「平成26年度神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)」に対する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘
〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-6-13
新横浜ステーションビル 9階
電話045-473-1031、FAX.045-473-9272

平素より県民の食の安全・安心に係る重要な取り組みにご尽力を頂きありがとうございます。この食品衛生監視指導計画も年々改善をされて判りやすくまた充実したものになってきており、今後も継続的な改善を期待するところです。

この数年間を振り返ってみると2011年は東京電力福島第一原子力発電所の大事故や牛生肉ユッケ食中毒事件、2012年の白菜浅漬け食中毒事件、記憶に新しい2013年には有名ホテル・旅館やデパート等におけるメニュー表示の食材偽装問題や冷凍食品における農薬マラチオン混入事件がありました。食の安全・安心の確保は行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものでありますが、これからも引き続き県の積極的な役割発揮を期待して以下に意見を述べます。

 

1. 意見募集について

この間の神奈川県食品衛生監視指導計画(素案)に対して提出された意見は、2013年が意見提出者5(4団体・1個人)の意見項目総数35件、2012年が意見提出者4(4団体)の意見項目総数25件、2011年が意見提出者5(4団体と不明1)の意見項目27件と、寄せられる意見数は低迷しています。毎年のように食生活を不安にする出来事が起こっている一方で、食品衛生行政の柱でもある食品衛生監視指導計画への関心が食品関連事業者も含めて低調であることを残念に思います。より多くの県民・利害関係者に食の安全・安心の確保及び食品衛生監視指導計画を認識し関心を持っていただくためにも、下記の点について引き続きご検討をお願いします。

(1) 食品衛生監視指導計画について関心を持ちやすくする工夫

県の取り組みとして「食品衛生監視指導計画(素案)」の概要版の作成や、情報提供として小学生向けの「かながわの食品衛生for KIDS」「かながわの食品衛生」などを積み重ねている点は評価します。しかしながら、食品衛生監視指導計画は食品衛生法に基づいて策定される重要な役割を果たしているものです。食の安全・安心の確保は行政・食品関連事業者・消費者の三者で取り組むものとして関係者の積極的な関与がすすむように努めてください。

 

2. 第1 「食品衛生監視指導計画」策定の基本的考え方について

@県、食品関連事業者、消費者の役割分担、Aフードチェーンの各段階における監視指導の実施に関する基本的方向等、基本的考え方として記述をしておくべき項目があると思われるので検討して下さい。

@では、国及び県等は監視指導その他の食品衛生に関する様々な施策を策定し実施する責務があります。しかし行政の施策実施だけでその目的を達成することは困難で、食品関連事業者にも食品を提供する者として、食品の安全性を確保する第一義的な責任があります。また消費者にも食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、安全施策について適切な意見を提言するよう努めるなど、積極的な役割を果たすことが期待されています。従って、監視・検査体制の充実とともに、消費者に対する食の安全性確保に関する知識の普及啓発を図り、消費者・食品関連事業者・県の三者での取組みを通じて相互理解を深め、リスクコミュニケーションの推進により、食に対する信頼の醸成を図ることが重要と考えられます。

Aでは、食品安全基本法の規定の通り、食品の安全性確保のためには、農林水産物の生産から食品販売にいたる一連のフードチェーンの各段階において、必要な措置が適切に講じられることが需要であり、フードチェーンの各段階において食中毒等の危害の発生状況を分析評価し、その事を収去検査等に反映させることにより、重点的かつ効果的な監視指導となると考えます。

 

3. 第4 重点監視指導事業について

(1) 食中毒予防対策について

肉の生食等による食中毒予防対策に関しては、未だ事業者で不適切提供が散見されています。また食品等事業者への指導だけでは拡大防止につながりません。裏メニュー化をさせないためにも、市民への情報提供や啓発・教育に関して、消費者団体等と連携をしていくことを求めます。

(2) 食品中の放射性物質への対応について

昨年に引き続き重点監視指導事業として「食品中の放射性物質への対応」に取組むことについて評価します。対応にあたっては引き続き、@積極的に放射性物質濃度検査を実施し検査データは政令市等も含めて公表すること、A学校給食に関する検査の充実を図ること、B県民からの検査の申し出に対しては柔軟に対応できるようにすること、Cリスクコミュニケーションを積極的に行うこと、を求めます。

(3) メニュー表示の食材偽装問題に関連して

2012年12月に東京都調布市で給食を食べた小学校5年の女児がアナフラキシーショックを起こして死亡した事故がありました。文科省の調査によると、「アレルギーのガイドライン」に関する周知は、管理職や養護教諭ら一部の教職員にしか周知されていないという結果が報告されています。食中毒やアレルギー物質など、子どもの生命や健康に関する情報は、児童に関わるすべての関係者に周知を図ることが必要です。この間のメニュー表示の食材偽装問題では、成形肉にアレルギー物質の乳、大豆、小麦が含まれていました。監視指導の更なる強化を求めます。

(4) 輸入食品の監視

厚生労働省輸入食品安全対策室が公表した平成25年度輸入食品等監視指導計画監視結果(中間報告)によれば、食品衛生法違反として積戻し又は廃棄の措置が取られたものが562件と、昨年同時期の492件の1.14倍と増加しているのが気になるところです。輸入食品衛生対策について重点的に取り組む対象としていることを評価します。

 

4. 第10 県民との意見交換及び情報提供について

(1) 「食品衛生情報の提供」について

@ 情報誌、ホームページ等を活用して情報提供を行うとありますが、自らの媒体だけではなく、消費者に近い協同組合や消費者団体などの様々な媒体との連携により、多くの県民の目に触れる工夫をして下さい。神奈川県生協連は食品衛生情報の提供について協力するつもりです。

A 「かながわ食の安全・安心基礎講座」の企画については、テーマの選定をはじめ、認知度が高まる告知の仕方や早めのお知らせ、協同組合や消費団体などの協力できる諸団体のネットワークを活用するなど、参加者増に向けた取り組みをすすめて下さい。また、当日配布の説明資料が必要に応じてホームページから取得できるような工夫もしてください。

(2) 「県民との情報及び意見交換の実施」について

「県民との情報及び意見交換の実施」について、「かながわ食の安全・安心キャラバン」の開催を通じて、県民との情報及び意見の交換を行うとありますが、専門分野の学習効果はもとより、県民同士がそれぞれの意見を共有できる貴重な場として幅広い年代層の参加が望まれます。認知度アップや早めのお知らせ等は勿論のこと、特に子育て世代などが積極的に参加できるようなテーマ、日時、会場、保育の確保など、参加しやすい体制・内容の充実をすすめて下さい。

近年感染が大きな問題となっているノロウイルスなど、県民がどのように対処すればよいかなど適切な情報を伝え、不安感の払拭と県民が理解し行動できるようなリスクコミュニケーションをすすめてください。

 

5. 第12 食品衛生に係る人材の育成について

(1) 食品衛生監視員等の人材育成

HACCPの普及は食品衛生事業の推進にとって重要なテーマです。自主衛生管理の講習会を食品関連事業者と一般県民が参加できる形にするなど、安全な食品を選択する上で有益な情報を市民が得られるようなことも検討してください。

(2) 「食品等事業者等の人材育成」について

食品関係団体等の中で、適正な表示について食品等事業者に対して助言、指導が出来る人材の育成を支援する、とあります。適正表示は消費者の求めるところですが、現行はわかりにくくかつ適切ではない表示も散見されます。業界団体を通じて全体のレベルの底上げを図ることは大変重要であり積極的な取り組みを期待します。特に、この間のメニュー表示の食材偽装問題について消費者の期待を裏切ることのない適正表示の推進を求めます。

消費者も食品衛生に関わる当事者です。消費者が食品安全基本法で謳われている「消費者の役割」を果たすためには、食や食品の安全に関する「消費者力」を高めることが大切です。そのためには消費者団体を位置づけ、食の安全に様々な情報の提供やリスクコミュミケーションを消費者団体等とも連携して積極的にすすめてください。

 

6. その他

2013年に発生した潟Aクリフーズ群馬工場における冷凍食品に対しての農薬マラチオン混入事件は衝撃的な出来事でした。フードディフェンス(食品への意図的異物等の混入に対する防止対策)について生産・流通全体にわたる対策を検討してください。

 

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