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2014年1月11日

新しい年を迎えて

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

謹んで新春のお慶びを申し上げます。

さて今から40年前の1974年は、山口百恵によって「ひと夏の経験」が歌われていた年ですが、その前年10月6日に勃発した第四次中東戦争に端を発した第一次オイルショックによってもたらされた、「狂乱物価」(名付け親:福田赳夫)の真っ最中(1974年の消費者物価指数は23%も上昇)でした。神奈川県の消費者の運動は、「作られた物不足」を怒り、「高物価公害反対」「灯油、チリ紙、砂糖をよこせ」「洗剤よこせ」と灯油缶デモや県民集会、石油元売り各社との集団交渉など様々に運動を積み重ねていました。

その当時の状況は、青焼き資料で残っている神奈川県消費者団体連絡会の代表幹事会(第1回:74年12月13日)の紙面からも先輩達の熱い議論が伝わってきます。議題は「砂糖、天ぷら油、サラダ油の一斉価格調査の結果と今後の取り組み」「標準価格米についての運動」「灯油についての運動」「公共料金値上がりについて」でした。

第1回神奈川県消費者大会は20団体による実行委員会によって、「物価値上げ反対・生活防衛神奈川県消費者大会」として横浜公園野外音楽堂を会場に、74年11月13日に開催されています。翌年2月25日には、「公共料金値上げ反対 独禁法強化改正・神奈川県消費者大会」として、「郵便料金、たばこ、酒税など、公共料金の値上げをやめること」「大企業の横暴を許さず消費者を守るため、独禁法の改正強化をはかること」が決議されています。

神奈川県消費者団体連絡会は、このような時代の渦の中から誕生しました。

この40年間、多くの皆さまからご支援やご指導を賜り今日を迎えることができました。心から感謝を申し上げます。

 

運動の形は大きく変わってきましたが、衣食住に係わる安全で安心できるくらしを求め、子どもたちに幸せで平和な環境を残したいとする消費者の願いは少しも変わるものではありません。

消費者の運動はいつの時代でも、くらし(台所)から社会を見てきました。

 

いま私たちはどのような時代に立っているのでしょうか。どのような社会に生きているのでしょうか。なぜこれほどまでに格差が拡大し、貧困が固定化されてしまったのでしょうか。

現在の貧困は「経済の貧困」と「関係の貧困」の2つで構成されているように思われます。市場経済至上・拝金主義が蔓延し、実態経済とはかけ離れた金融経済が社会を動かした結果、社会の不安定化が許容限度を超え、社会の持続性そのものが問われるようになってしまいました。

これ以上の貧困・格差・分断・孤立の拡大をさせる訳にはいきません。これからの時代は、「他者とともに生きていく」事を真剣に考える必要があると思います。

人と人との関係が希薄となり、心のつながりや思いやりが実感しにくくなっている今こそ、表からは見えにくくなっている弱い立場の人々の存在に気付き、ともに生きていこうとする事が大切です。

 

経済成長のためには需要の拡大は不可欠です。個人消費は最大の需要項目(生産・輸入品に課される税を除いてGDPの約41%程度)であることは確かです。国民の消費に関する法的な環境を整備し満たしていくことは、需要喚起を図る大前提になります。ですから私たちは消費者行政の充実強化を、経済活性化の施策の面からも求めてきました。

この間に、過去の市場経済の悪弊を通じて人々が到達し世界の認識になってきたことは、「市場経済は国柄や時代によっての違いはあるかもしれないが、何よりも一番広く国民生活の安定と向上に資するような市場経済を求めるべきだ」ということではないでしょうか。

「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」と、現在進められている経済政策の効果は、大企業を中心に明るい兆しが見え、経済は復調気配にあるように感じられます。しかし一方で、TPP参加、特定秘密保護法や国家安全保障会議(日本版NSC)設置法などの成立、集団的自衛権の行使容認に向けた動き、首相の年末の靖国神社参拝など、国民の権利や平和をめぐる課題も大きな転機を迎えています。

 

日本は、何処に向かおうとしているのでしょうか?

いくつか気に掛かることがあるのです。

 

生きていくことすら困難になってしまいかねない医療・介護・福祉の制限と自助(自己責任)の押し付け、公助(国の責任)の放棄の傾向が強まってはいないでしょうか。現在の経済政策を歓迎する声は強くありますが、その一方で生活保護の切り下げや若年齢者の雇用問題など、更なる格差の拡大に向かっているようにも感じます。

東京電力福島第一原発事故による放射性物質の大量拡散は、収束されている状況とは言えず深刻な健康被害や生態系汚染を招いています。汚染水の漏出は「コントロール」などという状態にはとてもなく、除染作業も大手ゼネコンには寄与していますが、効果ある策とはなり得ていません。根底には、原発や原発事故への軽視があるのではないでしょうか。にもかかわらず、国は原発を輸出し、原発推進政策を推し進めようとしています。

食料自給なくして国の自立はあり得ません。政府はTPPを見越した政策の推進をおこない、地域社会を構成している小規模農家切り捨てを強めています。TPPは、食の安全・安心政策を根幹から崩壊させかねません。既に日本は世界で1番の遺伝子組換え作物の輸入国です。「表示=情報公開」と「選ぶ力」の獲得は、消費者運動が長い間取り組んできたテーマにほかなりません。

 

消費者運動は、消費する者として様々な切り口から生活・くらし・社会を見直し、消費者の権利の確立を目指す社会的な運動です。

2008年1月18日に行われた福田首相の施政方針演説「生活者・消費者が主役となる社会を実現する国民本位の行財政への転換」を聞いた時の身の震えるような感動、そして福田首相の消費者行政推進会議における「日本の政治に欠けているのは国民目線であり、具体化するには消費者庁創設と地方の消費者行政を強化する必要がある」との発言を思い起こし、消費者の権利の確立の実現に向けて、連携を拡げ心と力を合わせて頑張っていくことを改めて決意します。

 

消費者の8つの権利

生活の基本的ニーズが保障される権利/安全である権利/知らされる権利/選ぶ権利/意見を反映される権利/補償を受ける権利/消費者教育を受ける権利/健全な環境の中で働き生活する権利

 

消費者の5つの責務

批判的意識/自己主張と行動/社会的関心/環境への自覚/連帯

 

これからもよろしくご指導ください。

 

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