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2013年10月29日

第1次オイルショックから40年目を迎えて

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長  丸山 善弘

第1次オイルショックから40周年を迎えました。

1973年10月6日に第4次中東戦争が勃発し、16日にはOPEC(石油輸出国機構)のペルシア湾岸6か国が原油公示価格を1バレル3.01ドルから5.12ドルに引き上げ、17日には更に(OAPEC)アラブ石油輸出国機構が原油生産の段階的削減を決定しました。このことに端を発した原油の逼迫と価格高騰は、大きく社会に混乱をもたらしました。

この当時の世界の一次エネルギー消費に占める石油のシェアは47%強、日本は77%強という時代でした。

 

1973年11月1日には、大阪の千里ニュータウンでトイレットペーパーパニックが起こりました。「物不足」が始まり、砂糖・洗剤・トイレットペーパーなど様々な生活物資が店頭から消え、灯油も品不足で寒い冬を過ごさざるを得ませんでした。

神奈川県内の消費者団体・婦人団体・労働団体・生協などは、1973年10月21日:高物価公害反対県民集会(2,000人)、11月13日:高物価公害反対県民集会(1,700人)、12月6日:灯油等生活物資獲得「灯油、チリ紙、砂糖をよこせ」消費者決起大会(2,000人、灯油缶デモ)と灯油問題で石油元売り11社と集団交渉(200人)を行いました。前年1缶270円〜300円だった灯油が500円にも値上げされる状況で、更にメーカーは「前年実績の25%カット」を通告していました。

実はこの時、国内の大手メーカーの11月在庫量は前年よりも5.4%多く備蓄されており、灯油不足は人為的に作り出されていたもののでした。灯油隠しとその一方での一斉価格吊り上げにより、同年10月〜12月だけで600億円もの儲けが出ていました。

 

「消費者は泣き寝入りしない」との決意のもとに川崎生協(現ユーコープ)の組合員と主婦連合会の会員あわせて98人が石油元売り6社を独占禁止法違反で、東京高裁に提訴したのは1974年11月22日です。これはヤミカルテルによる不当値上げ分を賠償させることを求める刑事訴訟です(東京灯油裁判)。

また、山形・鶴岡生協(現生協共立社)の組合員1,654人は、元売り全社と業界団体の石油連盟を民事訴訟で訴えました(鶴岡灯油裁判)。

東京灯油裁判は、75年2月25日の第1回公判から6年半後の81年に「カルテルがなくても、もっと値上がりしたかもしれない」と、損害賠償請求を退けられました。判決を不服として最高裁に上告しましたが、87年7月2日に最高裁は1度も公判を開くことなく上告を棄却、東京灯油裁判は敗訴。鶴岡灯油裁判は、85年仙台高裁秋田支部で勝訴したものの、89年には最高裁で敗訴となりました。

15年におよぶこの灯油裁判は最終的には敗訴とはなったのですが、消費者運動としては大きな成果を手にすることができました。「消費者を敵にまわせない」ことを産業界全体に知らしめるきっかけになっただけでなく、学者やマスコミを巻き込んで世論を起こし、のちの独占禁止法の強化(1977年)、製造物責任法成立(1995年)、民事訴訟法248条の改正(2006年)まで、脈々とつながる「消費者の権利の確立」の出発点として、大きな意義のある裁判闘争となったのです。

 

県内では引き続き1974年1月26日:洗剤よこせ消費者決起集会、4月16日:物価値下げを要求する消費者決起集会(1、000人)などをはじめとした度重なる集会やデモ行進や要請行動を積み上げ、物資の放出を求めました。

この1974年は国内の消費者物価指数が23%も上昇した年でした。

 

運動は9月19日:神奈川県生協大会(1,000人)、そして11月13日:第1回神奈川県消費者大会(1,000人)、1975年10月7日の第2回神奈川県消費者大会は3,232人の参加と大きな盛り上がりを見せ、その盛り上がりを背景に、県下で活動する20の消費者団体・婦人団体・住民団体の共同と連帯、運動の統一の場として私たちの神奈川県消費者団体連絡会が発足したのは1975年11月16日です。

 

この40年間、消費者運動の前進のためにご尽力を頂いた皆さま、心を寄せ支えて下さった多くの関係者の皆さまに心から感謝を致します。

 

法律の面では、77年:独占禁止法改正、78年:無限連鎖講の防止に関する法律施行、95年:製造物責任法(PL法)施行、98年:民事訴訟法改正、01年:消費者契約法施行、04年:消費者基本法施行、05年全面施行:個人情報保護法施行、06年:公益通報者保護法施行、08年:特定商取引法改正、09年:消費者安全法施行、消費者庁及び消費者委員会設置法施行、12年:消費者教育推進法と少しずつ整備もすすんでいます。

現在は集団的消費者被害回復に係る訴訟制度を求めて全国の消費者団体と力を合わせて取り組んでいます。

 

神奈川県においては、消費者保護基本法が大幅に改正され消費者基本法として施行されたことを受けて、県消費生活審議会の答申を踏まえ、05年3月に消費生活条例の改正と併せて、消費生活審議会で「消費者基本法等に対応した今後の消費者施策のあり方」について審議がされ、同年11月に「消費者行政ステップアップへの15の施策提言」が出されました。

県はこの報告を基本に、中長期的視点に立った消費者施策展開の基本方針として、「かながわ消費者施策推進指針」を2006年に策定しました。この指針は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を基本理念に、「消費者施策の重点目標」や「施策展開の方向」を定めたものです。

 

しかしながら一方、消費者被害の急増、食品をはじめ商品やサービスの虚偽表示や安全性の問題が頻発し、消費者行政が十分に役割を果たさなくてはならない状況であるにもかかわらず、地方自治体における消費者行政は後退を続けてきました。

消費者庁の資料でも「消費者庁設立までの10年間で相談件数は2倍以上増加した一方で、消費生活センターや相談員数など体制整備は十分に追いついてこなかった」「加えて、地方自治体の消費者行政予算は大幅な減少を示してきた。これを、地方自治体全体の予算と比較しても、減少幅は大きく、厳しい予算削減の動きの中、相対的に消費者行政に『しわよせ』されていることが伺える」と表現されている状況です。

2008年からの地方消費者行政活性化基金の活用による改善効果は出てきていますが、依然として貧弱な状況にあることに変わりはありません。

 

なお2012年度の神奈川県内の消費生活相談は64,500件(うち苦情相談は60,183件)、その特徴は「デジタルコンテンツに関する苦情相談が1位」「60歳以上の苦情相談件数が全体の1/3(70歳以上の苦情相談件数は、40歳代に次いで2位に)」「オンラインゲームの苦情相談件数は09年度の約4.3倍」です。表に出ているほかに、被害にあってもどこにも相談することも伝えることもなく泣き寝入りの人が相当いることも押さえておかなければなりません。

 

消費者運動は、消費者として様々な切り口から生活・くらし・社会を見直し、消費者の権利の確立を目指す社会的な運動です。

「生活者・消費者が主役となる社会を実現する国民本位の行財政への転換」と、2008年1月18日に福田首相の施政方針演説を聞いた時の身の震えるような感動、そして消費者行政推進会議における「日本の政治に欠けているのは国民目線であり、具体化するには消費者庁創設と地方の消費者行政を強化する必要がある」との発言を噛み締め、消費者の権利の確立を実現をしていくために、一方の主体の一翼として連携を拡げ心と力を合わせて頑張っていくことを40年の節目に立って決意します。

 

大切なこと

消費者の8つの権利

生活の基本的ニーズが保障される権利/安全である権利/知らされる権利/選ぶ権利/意見を反映される権利/補償を受ける権利/消費者教育を受ける権利/健全な環境の中で働き生活する権利

そして、

消費者の5つの責務

批判的意識/自己主張と行動/社会的関心/環境への自覚/連帯

 

これからもご指導ください。

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