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2013年10月9日

特定秘密の保護に関する法律案に対する意見

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

政府は「特定秘密の保護に関する法律案」について、9月3日から9月17日というごく短期間のパブリックコメントを行い、この秋の臨時国会に提出しようとしています。2年前には「秘密保全法案」として提出されようとしていました。法案概要では、「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動の防止」の4分野のうち、国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあり、秘匿の必要性が特に高い情報を行政機関の長が「特定秘密」に指定し「保護」する「ものとされています。

以下法案に対しての懸念を述べます。

 

1.パブリックコメントの原則を守るべきです。

パブリックコメントは原則30日間で、30日未満の場合その理由を明確にすることがルールの筈です。今回は、9月3日から9月17日というごく短期間で行われ、短期間で行う理由も明示されていません。内容が国民の権利に大きな影響を与えるものであるにもかかわらず、国民無視というべき手続きは大きな問題です。

2.短期間のパブリックコメントにもかかわらず寄せられた9万件の意見を重視するべきです。

不当な短期間のパブリックコメントにもかかわらず、約9万件の意見が寄せられ、しかも約8割が法案概要に反対するものであったということです。政府はパブリックコメントに寄せられた意見を分析・検討し、法案の再検討や法案の提出の断念も検討すべきです。しかしながらパブリックコメント終了後12日目には法案を公表しました。とても寄せられた国民の意見を検討したとは思えません。

3.「特定秘密」の範囲が恣意的に指定される懸念があります。

別表の規定は曖昧でありまた何が特定秘密に当るのかをチェックする仕組みがないため、行政にとって不都合な情報を恣意的に指定したり、国民に必要な情報まで秘匿されたりする懸念があります。例えば、原発の情報など公開すべき事柄までが隠されるのではないかと危惧します。

4.厳罰化の影響についての懸念があります。

現在は公務員が秘密を漏らすと最高懲役1年、防衛に関する秘密で懲役5年です。特定秘密の漏洩に対する10年以下の懲役は、それでなくても行政情報の情報公開が立ち遅れている日本の公務員等の情報公開に対する姿勢を更に後退させる懸念があります。報道機関の正当な取材行為や民間で真実を知ろうと活動している人々が運用によっては「特定取得行為」として漏洩の教唆やそそのかしとされ、罪に問われる心配があります。

5.民主主義の根幹は「国民の知る権利」の保障です。

政府はこの法案の必要性として、各国の秘密保護法の存在を挙げています。しかし各国における秘密保護法は、その一方で行政情報の徹底的な情報公開制度の整備を前提としています。民主主義の根幹は「国民の知る権利」の保障であり、行政情報の公開は民主主義の大前提です。日本は行政情報の情報公開制度の整備は他国より大幅に立ち遅れており、国民の知る権利が確立された国とは言えません。そのような中で、この法案の制定を進めることは、世界的な行政情報の情報公開の流れの逆行するものと考えます。

6.「適性評価制度」は人のプライバシーに踏み込むものです。

新しく導入が意図されている適性評価制度は、情報を管理する人について、その人への監視を強化して情報漏洩を防ごうとするものです。調査項目は、住所や生年月日はもとより、外国渡航暦、ローンの返済状況、精神疾患などでの通院歴など多岐にわたるものですが、対象は公務員や業務委託を受けた民間人だけではなくその家族や友人関係にも及ぶ可能性があります。このような適性評価制度は、プライバシー侵害です。

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