HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2013年7月15日

「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」は問題があります

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘
横浜市港北区新横浜2-6-23 
金子第2ビル3階
電話045-473-1031、FAX045-473-9272
Yoshihiro.Maruyama@ucoop.or.jp

 

「規制改革会議」(内閣総理大臣の諮問機関)は6月5日、「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」を求める答申を安倍総理に提出しました。

6月14日に閣議決定した、「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」では、「テーマ1:国民の「健康寿命」の延伸」の「食の有する健康増進機能の活用」として「いわゆる健康食品等の加工食品及び農林水産物に関し、企業等の責任において科学的根拠をもとに機能性を表示できる新たな方策について、今年度中に検討を開始し、来年度中に結論を得た上で実施する。検討に当たっては、国ではなく企業等が自らその科学的根拠を評価した上でその旨及び機能を表示できる米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にしつつ、安全性の確保も含めた運用が可能な仕組みとすることを念頭に行う。」とされました。

また6月28日に改定された「消費者基本計画」でも、「消費者の自助・自立の促進を図る『消費者力向上の総合的支援』」の「6.いわゆる健康食品の表示等」で、日本再興戦略と同文の「いわゆる健康食品等の加工食品及び農林水産物に関し、企業等の責任において科学的根拠をもとに機能性を表示できる新たな方策について、国ではなく企業等が自らその科学的根拠を評価した上でその旨及び機能を表示できる米国のダイエタリーサプリメントの表示制度を参考にしつつ、安全性の確保も含めた運用が可能な仕組みとすることを念頭に検討」と記述がされました。

「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」の方向については、問題があると考えます。

 

1.いわゆる健康食品等は消費者苦情相談が多く寄せられている分野です。

過去5年間で見ても各地の消費生活センターには年間1万2千から1万5千件の消費者苦情相談が寄せられています。健康食品等の分野での消費者トラブルは「健康被害」と「財産被害」及びそれらが重複した深刻被害例であり、被害防止へ向けた有効な規制策の導入こそが検討されなければなりません。その対策を抜かした大幅な規制緩和は悪質事業者の違法行為を合法化させ、消費者トラブルの拡大につながりかねません。

「意欲と創意工夫に満ちた新規参入者が広く知恵と資金を集めることで、産業の発展可能性が広がる」とはその通りです。そのためには、この分野については政府が、「科学的根拠を持った表示制度とは?」という観点からの政策検討を進めていくべきです。そして現状の根拠も曖昧なままに「体験談」等による、あたかも健康増進に寄与するかのようなイメージだけで流通している「いわゆる健康食品」についての規制の強化をすべきです。

消費者は、公正な事業活動が社会的に評価され成長していくことを求めています。

 

2.企業による自己評価を前提にした制度は問題があります。

機能性表示は食品の信頼性に関る問題であり、企業による自己評価を前提にした制度は、混乱のもととなります。機能性を表示して販売するのであれば、その科学的根拠が十分なものでなければなりません。「国ではなく企業等が自らその科学的根拠を評価した上でその旨及び機能を表示」とされていますが、個々の企業による科学的根拠を評価するだけでは限界があり不十分です。

現在も問題・課題が多いトクホと栄養機能食品の制度導入に関するこれまでの経緯も軽視する措置です。

 

3.「現行の特定保健用食品制度(トクホ制度)において、錠剤・カプセル等形状の食品(サプリメントを含む)を認めることを改めて明確にすること」は問題があります。

答申は、トクホの認可では「形状規制がすでに廃止されているものの、錠剤・カプセル等形状のサプリメント等については、実態として、申請が認められないケースがある」とし、「現行の特定保健用食品制度(トクホ制度)において、錠剤・カプセル等形状の食品(サプリメントを含む)を認めることを改めて明確にすること」と求めています。

健康被害に関係する製品の大部分は、錠剤・カプセル等形状の食品です。錠剤・カプセル・濃縮型等のサプリメントは、その形状(容器形状を含む)から医薬品と誤解して病気の治療目的に使われやすく、特定の成分が濃縮されているために過剰摂取等の可能性が指摘されており、また、医薬品との併用や2種類以上の併用による健康被害の可能性も指摘されています。現行の特定保健用食品制度において、錠剤・カプセル等形状の食品(サプリメントを含む)を認めるのは問題があります。また健康被害は、粗悪製品の利用、アレルギー体質の人の利用でも発生しています。

トクホの認可においては、健康被害防止の観点からも総合的に検討すべきものです

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ