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2011年12月27日

「集団的消費者被害回復のための訴訟制度骨子」に対する意見

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘
〒222-0033 横浜市港北区新横浜2-6-23
金子第2ビル 3階
電話:045-473-1031、FAX.045-473-9272

 

標記の件について、以下のとおり、意見を述べます。

主旨  集団的消費者被害回復のための訴訟制度の早期創設を求めます

1.特定適格消費者団体が必要な報酬・費用を回収できる仕組みが必要です。

消費者委員会集団的消費者被害救済制度専門調査会の報告では、「本制度の持続性を保つ観点から、これらの業務を遂行する上で不可避的に生ずる人件費その他の一定の支出について、適格消費者団体が合理的な範囲でこれを回収できるようにする」旨記載しています。本制度を持続させるためには、特定適格消費者団体が必要な報酬・費用を回収できる仕組みが必要です。

2.「通知・広告の費用負担」は、「原則として被告が負担すること」とするべきです。

骨子では、「通知・広告の費用負担」は、「原則として申立団体が負担することとする」とし、何らかの事情を裁判所が考慮した際に「事情により通知・広告費用の全部もしくは一部を被告に負担させることができることとする」としています。しかし、通知・広告にかかる費用が非常に多額となる事案もあり、制度の一方の担い手である特定適格消費者団体の財政的基盤を揺るがし、制度自体の存立も危うくなることが想定されます。

また、どのような場合に被告に負担させるのか、裁判所の判断基準が明確にならない限り、「事情により通知・広告費用の全部もしくは一部を被告に負担させることができる」と謳っても有名無実のものとなってしまいます。通知・広告費用は「原則として被告の負担すること」とするべきです。

3.訴訟制度の創設と同時に財産保全制度の創設が必要です。

消費者庁の取りまとめた「財産に対する重大な被害の発生・拡大防止のための行政措置について」では、「財産の隠匿・散逸防止策」、「行政による経済的不利益賦課制度」については引き続きの検討課題と整理されました。しかし、悪質な事業者は、一段階目の訴えを起こされた段階で、財産隠しなどを行なうことが容易に想像できます。被害回復には事業者の財産保全は重要なポイントです。訴訟制度の創設と同時に財産保全制度の創設も必要だと考えます。

4.制度の早期創設を求めます。

「消費者に被害が生じた場合には適切かつ迅速に救済されること」とは消費者基本法に掲げられた消費者の権利です。これまで消費者が集団的な消費者被害にあった場合に、被害者が被害の回復を実現するためには、自らの力で大変な労苦を重ねて訴訟を起こさなければならず、失われた権利を回復することは大変困難でした。今回検討が行われている「集団的消費者被害回復のための訴訟制度」は、2007年に消費者団体訴訟制度が導入されて以来の課題であった被害回復に係る制度であり、骨子がまとめられ公表されたことについて歓迎し早期の制度創設を求めるものです。

5.より多くの被害者の救済につながるように継続的に見直しをしてください。

制度導入後の実効性を確保するためには、まず担い手となる特定適格消費者団体にとって利用しやすい制度であることが重要です。実際に制度の運用が始まると当初の想定とは異なる事態が生じたり、補強すべき点も明らかになります。特定消費者団体や裁判所に加え、幅広い消費者の声を聞くなどしながら、実際に運用する中で明らかになった制度の問題点を把握して速やかに修正を行い、より多くの被害者の救済につながるよう継続的に見直しをするべきです。

 

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