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2009年4月2日

2009年「協同組合のつどい」「かながわ『食』の学習会」開催

□ 開催日時

2009年3月11日(水)13:30〜16:30

□ 開催場所

波止場会館  4階 大会議室

□ 主催

神奈川県協同組合提携推進協議会

□ 参加者

85名

内容

神奈川県下の農業・漁業・消費をめぐる現況と、生産者・消費者の交流の場でもある食育(食農教育)活動・地産地消等の取組みについて報告を行い、相互理解を得る。あわあせて、県下の協同組合が、提携の場を通し、「組合員と県民の『食』と『生産』を守る」新たな活動の契機とすることを目的に開催しました。

開会挨拶:県生協連 小林会長理事

1.開会挨拶

主催者挨拶として神奈川県生活協同組合連合会 小林勉会長理事より挨拶がありました。


2.活動報告

(1)「農業をめぐる現況と活動報告」
   (JA神奈川県農協中央会常務理事 原田喜代治 氏)

「農業をめぐる」活動報告:
JA中央会 原田常務理事

1かながわ農業の現況:かながわ農業の全国における位置:耕地面積は畑が27位と高い。 所得、生産性は全国より高い。生産額は平成18年度で野菜を中心に736億円。野菜は31万t(流通販売は野菜の63%が県内向)で31.6%の充足率。

2かながわ農業の課題:農地減少と耕作放棄、農業労働力減少、農畜産物価格低迷。

3JAグループ神奈川の対策:営業指導機能強化対策、優良農地確保対策、担い手確保対策、“地産地消”を基本とした販路拡大対策、“食と農”の理解対策等。

4政策提言:基本農政の確立(WTO農業交渉、食料・農業・農村基本計画見直し、食料自給率向上、等)、都市農業の確立と農地等の課税適正化。

(2)「漁業をめぐる現況と活動報告」
  (神奈川県漁業協同組合連合会副会長 岡彬 氏)

「漁業をめぐる」報告  県漁連 岡副会長

1漁業をめぐる現況:(a)長期減少傾向にある本県漁業:平成19年を昭和63年との比較で就業者数57%、生産量61%、生産高43%。(b)厳しくなる漁業経営:沿海地区漁協と漁連の事業別利益平成19年と平成9年の比較では、漁業自営を除き、信用・購買・販売・製氷冷凍・その他で事業利益の減少。(c)進む魚離れ。

2販売事業における活動:(a)「お魚くん餃子」の開発と学校給食への普及:カジキ端材の活用、商標登録、学校給食。(b)大型農産物直売店における鮮魚類の試験販売:秦野の「じばさんず」、川崎の「セレサモス」で行ってる。

(3)「消費をめぐる現況と活動報告」(神奈川県生協連専務理事 毛内良一 氏)

「消費をめぐる現況」報告
 県生協連 毛内専務理事

1消費をめぐる現況:(a)地域購買生協利用状況は1月まで104.8%の伸び(組合員数の伸びは102.9%)。利用組合員は増え、利用単価は低下しているのが特徴。(b)組合員の要望:「バラ・少量等適量販売希望」「素材需要増」「低価格志向」「安全性(国産品・地産地消へ)志向」

2地産地消・食育の取り組み状況:各生協で地産地消への関心が高まり、地域生産者の地場野菜の取り扱いや、JAや生産者と見学・交流会・学習会を始め、援農・体験、監査活動、環境保全型農業推進など多彩な取り組みなどが広がっている。

3組合員の「食」の要求にもとづく提携活動の今後の課題:(a)消費者と生産者の連携と協働(学習・交流会・イベント開催等)。(b)地産地消の取組み(「顔が見える関係」「都市農業を地域で支える」「環境保全」等の視点からも意義大)。(c)各生協で地域生産者の地場農水産物の取扱いの拡大。

3.講演  テーマ:「食糧危機の教訓と協同組合への提言」

講師:東京大学大学院教授  鈴木 宣弘 氏

《講演概要》

(1)「食糧危機」から学ぶこと―輸出規制の教訓とWTOの弱点:

1過去の経験法則通じない穀物高騰。

2露呈したWTOルールの限界、

3不測の事態に備え平時から戦略必要。

4意識が高まる国産食料の重要性にも関らず疲弊する農業・農村。

(2)自給率の低さは支援水準の低さの証―日本の食料市場の閉鎖性と農業過保護論の誤り:

「食糧危機の教訓と協同組合への提言」東京大学 鈴木 教授

1わが国の農産物関税が高いというのは誤り。

2我が国の国内補助金が多いというのは誤り。

3食料の内外価格差を非関税障壁とするのは誤り。

4FTAにおける悪玉論は誤り。

5我が国は世界で最も農産物輸出における保護が少ない。

(3)欧米輸出国の自給率の高さは競争力ではなく手厚い支援の結果
(4)食料自給率低下の流れは止められるか:

1土地賦存条件の誤り。2日本への食料優先供給論の誤り。

1土地賦存条件の誤・・規制緩和すれば、日本の競争力が備わる前に壊滅的な打撃を受け、自給率は限りなくゼロに近づくであろう。

2日本への食料優先供給論の誤り・・自由貿易協定を締結すれば、不測の事態における日本への優先的な供給約束の実効性は無いに等しい。

(5)国土環境と国民の健康―農業は環境にマイナスか

農産物、及び畜産飼料の輸入、科学肥料使用増により、硝酸態窒素が増加し、農地が適正に循環できる窒素の限界量の2倍近い238万トンの食糧由来の窒素が環境に排出されている。幼児の酸欠症、消化器系ガンの発生リスクの高まりなど、人間の健康に深刻な影響が指摘されている。「輸入食糧をこれ以上増やさない」「循環型農業の推進」「輸入飼料・化学肥料を減らすこと」が不可欠だ。

(6)狭義の経済効果を超えた総合的判断基準の必要性

食料貿易自由化は、輸出産業及び消費者が短期的に利益を得られるが、自給率低下は国家の安全保障問題。地域社会の崩壊、窒素過剰による人・環境への悪影響等、長期的に失うものが大きい。総合的・持続可能な将来を構想し、適切な判断必要。

(7)WTOの懸念

今の状態でWTO合意が成立した場合、日本のコメ、乳製品、畜産物、砂糖、でんぷん等における影響度、放置すれば自給率への影響度、その損失を補填するには、どれだけの差額補填が国民的に必要か、などデータ提示を行い、日本の選択方向・どの水準を砦として守るか、国民に問うべき。貿易立国として発展した日本であるが、これ以上の自由化は、将来の日本の食糧確保と国土の荒廃等への不安と、輸出による発展とのバランスをとる、限界水準に近づいている可能性があり、一部の利害者の判断ではなく、日本の将来の姿を選択するための、国民全体の判断が必要。

(8)日豪EPA等の懸念

参加国以外の国々を差別するFTAは、WTOの無差別原則に真っ向から反する。FTAは仲間はずれをつくる「悪い」グループ形成のような側面がある。差別的なFTAが生まれと、不利にならないよう、仲間に入れてもらうしかない。

オーストラリアに関税撤廃を行うと、他の競合国にも同様の措置を迫れれる。アメリカ、EUとの協定を望む強い声に応えれば、世界全体に対して関税撤廃する道筋を示す事を意味。全世界に対し自由化の場合、コメは90%、酪農は、中国・韓国からの乳飲用流入も含め88%、牛肉も79%の国内生産が消失すると農水省は試算。

(9)消費者と生産者の絆の強化:

1いくらコストダウンしても価格競争は出来ない。

2少々高くても消費者は支えてくれるか。

3価格に反映されていない価値への直接支払いは合意されるか。

4行動への誘引となる仕組みづくり。

(10)水田の活用と施策の集中化

割高でも買い支える消費者の支援、消費者の理解を得られるような根拠を明確にした、直接支払いの拡充等の財政支援も早急に求められる状況。我が国の食料自給率の向上を考えるとき、飼料穀物の9割以上を海外に依存している以上、総合自給率の大幅引き上げは困難である事も踏まえ、我が国の潜在生産力の最も高いコメを基軸に、不測の事態に備える視点も重要。エサ米や米粉に販売した場合の、主食用米と遜色ない収入を保証する支援や備蓄の拡充など、国家戦略・正解貢献として、省庁の枠を超え、思い切った予算の再編・拡充、国家全体として予算配分すべき時。

(11)【結論】政策は現場と消費者が創る

霞ヶ関や永田町ではなく、現場が政策を決めなければ、本当に皆に役立ち、自給率向上に結びつく政策は実現できない。同時に、消費者、一般国民が納得できる政策でなければ長続きはしない。政策を作るのは農村現場であり、消費者である。ポイントを押さえた効率的な対策を早急に進めることが必要。

4.閉会

JA神奈川県農業協同組合中央会 光岡祐治専務理事より挨拶がありました。

閉会挨拶・JA中央会光岡専務理事

     会場の様子

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