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2008年11月25日

「神奈川県食の安全・安心推進条例(仮称)」基本的考え方」への意見書を提出しました。

提出団体 かながわ食の安全・安心条例制定をすすめる連絡会
     代表世話人小林 勉
(住所) 横浜市港北区新横浜2-6-23第二金子ビル3階
(電話) 045−473−1031

 

はじめに

 このたび県が私たち消費者の要望を捉え、食の安全・安心推進条例(仮称)制定にむけて動き出したことに対し深く感謝をいたします。 

 第1回、第2回の食の安全・安心推進条例(仮称)検討委員会を通して感じられるのは、「規制条項2つを規定し、あとはこれまでの考えかたや施策展開を踏襲する」と映ります。これでは何のために条例を制定するのか、その意味合いが半減しそうです。

 私たちは、食の安全・安心推進条例制定にあたって、次の視点・考え方が重要であると考えます。『消費者の視点・消費者の立場で、情報提供と意見交換・リスクコミュニケーションの充実、県・事業者・県民の協働の力で県民運動を、3ヵ年程度の総合的計画的な基本計画策定、県民の施策形成過程への参画(審議会設置など)』

 以上の視点・考え方から、内容の充実した条例実現をめざして以下の意見を提出いたします。県の真摯なご検討を心からおねがいたします。

 

1.神奈川県食の安全・安心推進条例の制定の背景及び趣旨について(1ページ)

 条例の制定背景として 198%のモニターが食品の安全に不安を感じていること 2薬物中毒事件、農薬混入事件等の発生による県民の食の安全性に対する信頼欠如の2点を挙げています。3点目として 3「県民からの条例制定の要望が高まっている」という旨の文言を追加してください。

[理由] 

1 第1回検討委員会の条例制定に係る最近の経緯、食の安全・安心に係る最近の状況でも、「県民からの条例制定の要望が高まっている」と県自身が表現していることです。

2 県消団連や県生協連で「かながわ食の安全・安心条例制定をすすめる連絡会」を昨年結成し、県内1,800の団体賛同署名、209,996筆の個人署名を集めて、本年6月県議会に陳情を行い全会派一致で採択されました。県議会本会議で県知事が「条例制定に向けて検討をおこなう」旨の答弁があり、この検討委員会が発足した経緯があります。これほどの県民大運動の声を背景にして条例制定に踏み切った例はありません。

3 今回の条例制定は、県民の立場に立ち、県民の主体的参加を一層促していくことが重要であることを考慮すれば、「県民からの条例制定の要望が高まっている」という趣旨の文言を追加することは大きな意義があります。また、条例制定後に食の安全・安心確保を実現していくためには、県民運動が大切です。その点からも私たち消費者の進めてきた条例制定を求める県民運動を正当に評価し、「県民からの条例制定の要望が高まっている」ということを追加するよう要望します。

 

2.条例の基本理念について(2ページ)

(1)重さレベルの違いと差し替え提案

1 5項目目の基本理念「(5)食品表示の適正化」は重要ではありますが、他の4項目と比較して「個別施策」であり、重さのレベルが違います。この項目は基本的な施策に移し、理念からは削除すべきと考えます。

2 5項目目に差し替えるものを提案します。「食の安全・安心確保のためには、政策形成過程における県民参画と施策決定と実施のあらゆる段階で消費者の視点の堅持が重要である」

(2)表現の補強修正提案

(3)「食品の安全確保は、食品事業者が、自ら取り扱う食品や生産資材等が食品の安全性に及ぼす影響への配慮について第一義的責任を有していることを認識し、その責務を確実に遂行することを基礎として推進することが重要である」。

[理由] 

平成20年県食の安全・安心モニターアンケートによれば、食品の安全に不安を感じている人が97%、その理由として「食品事業者が信頼できないから」が実に81%となっています。このことから、事業者については、第一義的責任・責務の確実な遂行をキチンといれる。これを抜きにしての自主的取組みだけでは不十分です。東京都条例第3条を参考にしました。

(4)「食の安全・安心の確保のためには、県、県民及び食品関連事業者が、食の安全に関する情報及び意見交換を通じて相互理解を深め、協力することにより信頼関係を確立することが重要である」。と修正してください。

 

3.条例に係る関係者の責務について(3ページ)

(1)(4)として「県・食品事業者・県民の協働のとりくみ推進」を追加してほしい。

三者の責務を規定しているが、それぞれの責務を果たすだけでは不十分であり、三者の協働は極めて大切であり、あえて規定した方がいいと考えます。

従って、小見出しを、「条例に係る関係者の責務・役割と協働」に変えてください。

(2)県民の責務については反対です。県民の役割に変えてください。

[理由] 

1 食の安全・安心条例を制定している全国21都道府県で、県民の「責務」と規定しているのは群馬県だけで、他20都道府県はすべて「役割」としています。

 群馬県は、全国でも最も食の安全・安心行政が進んでおり、県・事業者・県民が一体となり食の安全・安心県民大運動をすすめています。行政や事業者がやるべきことをしっかりやり、県民の信頼も高い。それらを前提として「県民の責務」と規定しています。

 本県では残念ながら、モニターアンケートをみても、事業者・行政も十分県民から信頼されているとは言いがたい状況です。まずもって、事業者・行政が固有の責任をしっかり果たし、信頼関係を醸成する中で県民の責務と規定しないと反発を招きます。

2 そもそも事業者と消費者とでは、その情報量や力の格差は歴然としており、消費者は極めて弱い立場にあります。食品の安全性確保の第一義的責任は事業者がおいます。県は食の安全確保のための施策決定と事業者等への指導権限をもっています。事業者や行政が強い力や権限を持っていることと比べて全く弱い立場にある・何ら権限を有しない県民に責務と位置づけることは到底納得できません。消費者団体としては声を大にして反対します。

(3)県民の役割とし、内容変更を提案します。

「県民は、基本理念にのっとり、食の安全・安心の確保に関する知識と理解を深めるとともに、県の施策に関して意見を表明するなど自ら参画して食の安全・安心確保に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。」

 

4.食の安全・安心の確保に関する基本的な施策について(4ページ)

(1)農林水産物の生産から食品の消費に至る一貫した指導

これはいいと思いますが、「生産・管理記録の記帳と保管、トレーサビリティシステムの導入制度化」を追加してください。

(3)リスクコミュニケーションの促進

これもいいと思うが、前提として「情報の収集・分析、一元管理・共有化をすすめ、機敏で適切な情報提供」を別に柱をたてて追加してください。

(5)遺伝子組換え作物に係る規定

前回委員会では切り離し提案だったが、今回は提案されており歓迎します。

これと関連して「食育と地産地消の推進」を追加してください。

(6)危機管理体制の整備

「消費者行政と食の安全・安心行政を統合し、消費者目線にたった強い権限をもった庁内組織の確立」を追加してください。

 

5.食の安全・安心指針について(5ページ)

(1)「指針」を「基本計画又は推進計画」と改めてください。 

 全国21条例制定県をみると、推進計画8、基本計画7、行動計画2で、「計画」という言葉を使用しているのは合計17。あとは、基本方針3、基本指針1であり、基本「指針」を使っているのは徳島県1県だけである。何か理由がありますか?

(2)基本計画は食の安全・安心に関する施策を総合的・計画的に推進するため、中期的な施策の方向と計画(具体的な方針と達成目標)を表したものとすべきです。

 3カ年程度の基本計画として、3年後食の安全・安心施策としてどのようなものをめざすのか「食の安全・安心確保に関する施策を総合的計画的な推進を図る」ことを目的とし、そのために、1年目は何をやる、2年目は何をやると逆算する。もちろん情勢変化があるので、単年度ごとにローリングをかける。基本計画は審議会に諮問する。県民へのパブコメも行う。多くの条例制定県ではこのような対応が当たり前となっています。

「指針」 向かうべき方向を示す大方針

「方針」 あることをするに当たって定めたその行動や処置の方向・原則。基本方針

「計画」 物事を行うにために、その方法・手順などを筋道を立てて企てること、また、その企ての内容・プラン

 

6.食品による人への悪影響の未然防止策及び規制対象について(5〜7ページ)

 自主回収報告制度については、賛成の立場ですが、自主回収という言葉がわかりにくいので、明確に定義してください。

 

7.県の施策に対する県民等の参画について(7ページ)

 表題が参加ではなく参画としていることは大歓迎です。だとすれば「食の安全・安心審議会の設置」を規定するよう要望します。 食の安全・安心政策決定過程への県民参画として、審議会設置は必要不可欠です。

[理由] 

(1)現在、県の食の安全・安心政策・施策は「食の安全・安心推進会議」で決定されております。県民の食の安全・安心施策の形成過程への県民参画は何ら保障されておりません。たとえば、「食の安全・安心県民会議」は学識・事業者・消費者代表が参加していますが、情報と意見交換の場であり真の県民参画の場ではありません。

(2)県が本気になって、県民の意見を政策・施策に反映するというのなら、政策形成過程での県民参加の審議会は当然設置すべきです。県が県民参画を本気にお考えになっているのか重大なバロメーターです。 食の安全・安心県民会議は本来、事業者・県・消費者のリスクコミュニケーションの場であるが、事業者からのとりくみ報告や情報提供が少ない。審議会がないので、県民会議は県の食の安全・安心施策をめぐっての話し合いに大半をとられてしまい、リスコミの役割が十分果たせないでいる。審議会が設置されれば、審議会は食の安全・安心政策・施策に関する重要事項の審議、県民会議は情報提供と意見交換・リスクコミュニケーションの場として文字通り整理ができて機能発揮ができます。

 「参画」 計画の相談に加わること

 「参加」 仲間に入ること。自由参加 

 

8.予算・体制等の財政措置を規定してください。

 条例を制定することによって、新設する施策や強化する施策展開が考えられます。そのため必要な予算・人員拡充のために必要な財政上の措置をとることを条例に規定するよう要望します。

以上

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