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2008年3月27日

かながわ食の安全・安心の取組み(平成20年版)(素案)
への意見・要望書が提出されました。

神奈川県保健福祉部生活衛生課
食の安全推進班  殿

2008年 3月 10日

神奈川県生活協同組合連合会

会長理事  小林 勉

横浜市港北区新横浜2-6-23金子第2ビル

tel 045−473−1031、fax 045−473−9272

 

かながわ食の安全・安心の取組み(平成20年版)(素案)
への意見・要望書

 

1.かながわ食の安全・安心の取組み(平成20年版)(素案)(以下、「平成20年度素案」という)の以下の施策は前進面として評価できますので積極的な推進をのぞみます。

(1) 食品関連事業者への「食品適正表示の啓発」を新規事業として位置づけたこと

(2) 食品等の検査で「残留農薬及び残留動物用医薬品」の検査項目を昨年に続き500項目増やしたこと

(3) BSE検査について、牛の月齢に関らず「全頭検査を行う」こと

(4)「かながわ食の安全・安心基礎講座」の開催数を3回から5回に増やしたこと

(5)「出前講座」を新規事業として盛り込んだこと

(6)「情報誌等」の発行を増やしたこと

(7)「かながわ食の安全・安心モニター」を増員したこと

 

2.平成19年度の取組みの評価と到達点、食の安全・安心をめぐる情勢認識を明確にして新年度方針を掲げてください。

(1)平成19年度の食の安全・安心取組みの評価(前進面と課題)や食の安全をめぐる情勢などが表現されていませんので、平成20年度素案は何が重点なのかその真意が十分伝わってきません。「平成19年度かながわ食の安全・安心モニター第1回アンケート及び意見募集の調査結果」や、昨年、世間を騒がせた「食品の原材料偽装・表示の改ざん」、そして、今年になって発生した「中国製冷凍ギョーザ食中毒事件」等から見えてくる課題をあきらかにして、平成20年度の施策に生かしてほしいと思います。

また、国における消費者省(庁)設立や食品表示一本化の動きを県としても注視し食品安全・消費者行政の一元化等について検討をすすめてもらいたいと思います。

(2)あわせて、神奈川県は平成15年に「神奈川県食の安全・安心推進会議」を設置し、食の安全・安心施策を推進してきましたが、この4年間の取組みの総括をしっかり行い、今後の長期的で総合的な基本計画を打ち出してほしいと思います。

これまでの単年度計画では、消費者として、県の食の安全・安心行政がどの進路や方向を目指しているのか十分に分からないため不安を抱きます。

 

3.基本方針に関しての意見・要望・提言

(1) 基本方針1(食品関連事業者の自主管理)に関して

@食品の安全性の確保に第一義的な責任を有する食品関連事業者の自主管理の取組みは、ますます重要になっています。トレーサビリティシステムの導入促進が平成20年度素案から消えていますが、むしろ、残留農薬等の自主検査の推進、GAPやHACCPの普及、消費者・県とのリスクコミュニケーションの推進、消費者への情報提供の促進などを含めて、食品関連事業者の自主的な取組みを支援する施策を充実させてください。

A「食品の適正表示の啓発」はタイムリーな新規事業として歓迎しますが、啓発の内容について、具体的な施策があればお聞かせください。また、あわせて以下の点について一層の強化を要望します。

a.食品事業者を対象にして「食品の適正表示推進者」を育成すること。

b.JAS法、食品衛生法など食品表示に関する一元的・専門的に行う部署を(担当)を設置し、法令に基づく表示事項を遵守できるよう指導・援助を強化すること。

c.これらの施策を食品表示ウォッチーの活動とも連携させること。

この施策は事業者への牽制だけでなく、表示の監視をとおして、消費者みずから表示に対する理解を促進し広げる意味からも有効と考えます。

(2) 基本方針2(指導・検査の充実強化)に関して

@残留農薬及び残留動物用医薬品の検査項目数を500項目増やすことは歓迎します。

あわせて、県民が不安に感じている「加工食品を含む輸入食品の安全性」を確保する施策を強めてください。

a.県から国に対して輸入食品の安全性確保に関して以下の要望をしてください。

  • 相手国の農薬等の使用状況をよく調査し必要な対策を講じてください。
    また、相手国と食の安全に関してよく話し合い国民の要望を伝えてください。
  • 日本に輸入した際、冷凍加工食品もキチンと検査するよう検査官を増員するなど検査体制の強化を図ってください。
  • 輸入食品の安全性に関する情報開示を強めてください。

b.県として以下のことを強めてください。

  • 輸入加工食品の残留農薬等について小売段階の収去検査を強化してください。
  • これらは広域流通品でありコストもかかりますので、例えば「八都県市」(東京都、神奈川、埼玉県、千葉県、横浜市、川崎市、さいたま市、千葉市)で足並みを揃え、商品を分担して検査するなど、神奈川県として八都県市会議へ積極的に提案を行って下さい。

A 食品表示の適正化の確保に関する調査・指導について、

a.国の動きを先取りして、表示担当部局を一本化してください。

b.食品の原材料偽装や表示の改ざんを防止する施策を強化してください。

c.業者間取引に係る適正表示について施策を強化してください。

d.食品表示ウォッチャーは50人ではなく、少なくとも1,000名規模の参加を促し、県民運動として推進してください。

BBSE検査について、平成19年度に引き続き、全頭検査の実施を歓迎します。BSEについては消費者の間に漠然とした不安感があり、国まかせにせず、県においても、国内・県内対策や輸入措置等に関するリスクコミュニケーションの強化を要望します。

(3) 基本方針3(情報提供と意見の反映、リスクコミュニケーション)に関して

@「神奈川県食の安全・安心県民会議」の位置づけ・役割を高めてください。

県の食の安全・安心施策は、神奈川県食の安全・安心推進会議で策定し推進していますが、施策策定過程への県民参画という点では極めて不十分であります。

神奈川県食の安全・安心県民会議は年2回の会合しか開かれず、重要施策についての話し合いが不十分に終わっています。審議会が設置されていない現在、それにかわって、神奈川県食の安全・安心県民会議の位置づけを高めることは行政施策の決定過程への県民参画をはかる視点からすれば、重要かつ当然のことと思います。

例えば、下記のテーマの県民会議での検討が必要です。

  • 食の安全・安心に関するリスクコミュニケーションのあり方について
  • 輸入食品の安全性をどう確保するか
  • 表示の適正化をどう確保していくか
  • 食の安全・消費者行政の一元化について、など

これらの重要施策の話し合いをするために、県民会議を年4回以上開催することを要望します。

また、推進会議と県民会議が協働し、ワーキンググループを結成するなどして検討を深め、県の施策に反映していくことは有用だと考えます。

A「かながわ食の安全・安心シンポジウム」の開催方法を改善してください。

昨年まで計4回開催されてきましたが、年々参加者が減少する傾向にあります。

県としての原因分析はなされていますか。年1回一ヶ所開催は無理があり、テーマ設定の工夫も重要かと思います。「県内3〜4ヶ所ぐらいに」分けて開催するなど、県民が参加しやすい条件づくりを行うよう要望します。

B「かながわ食の安全・安心意見交換会」の評価はどうでしょうか。

施策について突っ込んだ意見交換をするよい機会かと思いますが、個人参加者にこだわらず、生産者・消費者団体等に参加を呼びかけることもご検討ください。

C「かながわ食の安全・安心基礎講座修了者」を食の安全・安心サポーターに!

講座修了者を「食の安全・安心推進サポーター」として認定し、地域での学習会講師や口コミなどの活用を検討してください。食の安全・安心推進人材の育成強化の視点から制度設計の検討を望みます。

D「出前講座」の新設は歓迎します。地域の10人程度集まりからでも、気楽に講師派遣を行うよう要望します。あわせて、出前講座に関心を持ってもらえるよう出前講座の具体例をテーマ出しするなどして、県民への宣伝を強めてください。

E「かながわ食の安全・安心相談ダイヤル」に県民相談窓口を一本化し、位置付けを高め、お知らせ強化・受付時間・受付曜日の拡大等について検討してください。

F「かながわ食の安全・安心モニター」を150名に増員することは歓迎します。

現在アンケートをとって、その結果の公表までは行っていますが、最終的に食の安全・安心施策にどのように生かしているのか明確ではありません。

運用状況の明確さと公表を要望します。

G「神奈川県食の安全・安心推進会議」は、文字通り、県の食の安全・安心行政の中枢的存在だと思います。しかし、推進会議、幹事会、6つの専門部会は年何回、何をテーマに開かれているのかホームページを見ても公表されておりません。

行政の情報公開の視点からは極めて問題ですので公表するよう強く要望します。

H関係機関との連携

食品は広域流通品であり、一県の取り組みで食の安全・安心確保をするのは困難な時代です。広域的な食の安全・安心の課題について1都3県や八都県市が共同して取組むよう県としても働きかけを強めてください。

I食の安全・安心確保にむけて国に要望してください。

また共通する事項について県として検討をすすめてください。

a.食品行政のタテ割り弊害の是正を行い。食品行政がフードチェーン全体を網羅するよう体制を整備すること。

食品は生産から消費まで多くの関係者が関与し大変複雑な経路をたどり、全体像が消費者としてわかりにくくなっています。

b.食品関連法規を統括する上位法を制定し一元運用を行うこと。

表示は複数の法律があり消費者にとってわかりにくく、事件が起きても何が原因だったか、どのように改善されたのか理解しにくい構造です。

c.食品の安全確保と偽装防止のための国、県においては各省庁、各部局横断的な監視指導システムを構築すること。

  • 未然防止の観点からの監視指導結果の科学的な調査研究の推進
  • 消費者の意見を集約解析し事業者に提供するシステムの構築

d.消費者及び事業者への正確な知識の普及と企業倫理の確立(国、県)

  • 学校や地域、家庭、職場などつうじて食生活に必要な知識及び判断力を取得し主体的に行動できる消費者の育成をはかるため消費者教育を実施すること。
  • 事業者に対しては現行法体系の必要な知識取得、不正や偽装を行わないための企業倫理醸成やCSRの考え方の普及に努めること。

J神奈川県は全国自治ネットワークに参加しているとお聞きしていますが、これらの連携もキチンと表現すべきと思います。

K生産者・食品事業者との「見学・交流会」制度の新設を求めます。

消費者との交流や農場・工場など生産現場の見学受入を希望する生産者・事業者を県のホームページで公開し、消費者が現地を訪問し、農場・工場見学や生産者・事業者との交流会が行なえる「食の生産・流通現場の公開と交流促進制度」の導入について検討を行って下さい。

(4) 基本方針4に関して(緊急時対応等)

@緊急時対応

今回の中国製冷凍ギョーザ食中毒事件では、まさに緊急事態として県もいち早くホームページ等を活用し情報提供を強めるなど頑張って頂いていると思います。

a.緊急時対応マニュアルはあるのでしょうか。あれば関係者と県民に公表し共有化し徹底しておくことが大切と思います。また、「推進会議を中心に、飲食に起因する重大な健康危害等の緊急事態に対応します。」とありますが、今回の中国製冷凍ギョーザ食中毒事件ではどう対応され、また、どう教訓化されたのですか。

b.今回の中国製冷凍ギョーザ食中毒事件では、千葉市の保健所では「年末年始の休み」であったため、第一報の受け取りが遅れました。緊急事態時に保健所が休みであればどこに連絡するのか、関係者と県民に周知徹底しておくことが必要と思われますが、神奈川県の緊急時対応はどうなっていますか。

c.日常的に、自主回収を行った企業は必ず県に報告し、県はホームページなどで公表する「自主回収報告制度」を制度化すべきです。

被害の拡大防止をはかる上で消費者への情報提供の強化は非常に大切です。 

A鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザの「人から人への感染」はいつ起きてもおかしくないといわれるほど、その危機感が高まっています。県としてのパンダミック発生時の対応マニュアルの策定と準備はどこまですすんでいますか。

 

4.神奈川県の食の安全・消費者行政の一元的強化と総合的な飛躍のための提案

(1) 食の安全・安心と食育、地産地消、遺伝子組換え作物との関連を明確にし、総合的な食の安全・安心の取組み施策の策定を望みます。

「平成20年版素案」では、「食育及び地産地消の推進」が外されています。昨年は「遺伝子組換え作物」が外されました。いずれもそれぞれ関連する別な機関で検討するからとのことです。食の安全・安心は、神奈川県食の安全・安心推進会議、食育と地産地消は、かながわ食育推進会議、遺伝子組換え作物問題は研究会で検討するということですが、行政の都合で分断されており県民としては戸惑いを覚えます。

食育、地産地消、遺伝子組換え作物のどの問題でも「食の安全・安心確保」が根底にあることが前提であり共通しております。従ってこれらの4つの課題の関連づけを明確にし、総合的な食の安全・安心施策として仕上げていくことが必要です。

県の食の安全・安心の総合的な基本計画の策定、それらを食の安全・安心県民会議での協議が必要です。そのためにも食の安全・安心県民会議の役割強化が必要です。

(2) 食の安全・安心・消費者行政の一元化推進について

福田首相は、食の安全、消費者行政の一元化を表明し、今回のギョーザ事件を受けて前倒しに消費者行政担当大臣を任命し消費者行政推進会議をたちあげました。

国はこれまでの縦割り行政が国民にとって弊害であったと反省し、「消費者・国民の立場・生活者の視点」にたって施策展開を行おうとしております。神奈川県でも食の安全と消費者行政の一体化、一元化を真剣に考えるときであります。

たとえば、各部局の上位をなす知事直轄の「消費者局」を立ち上げ、食の安全・安心と消費者行政を総合的・一元的に推進するよう要望します。

(3) かながわ食の安全・安心条例(仮称)の制定を

これまで、県は「今の法律や制度を駆使すれば十分食の安全・安心施策は推進できるので県に条例は必要ない」旨の表明をし、私たちの食の安全・安心条例制定要望に消極的でした。

ところが、昨年来の相次ぐ食品原材料偽装や表示日付の改ざん、今年になって輸入食品による食中毒事件・健康被害などが多発し、国民の事業者や行政への不信がかつてなく高まっております。現在の法律体系の限界や国・自治体のタテ割り行政による運用上の弱点が白日の下にさらされています。事業者として食の安全への真剣な取組みがこれまで以上に求められるのは当然ですが、食料の大部分を外国に頼る(カロリーベースで61%)日本においては、もはや事業者の努力だけで食の安全確保が困難になっています。国として、輸出相手国との関係整備や食品関係法規の整備、食品安全行政の一元化の推進など強力な施策展開が望まれます。

同時に国の努力だけでも不十分です。神奈川県など地方自治体が各地域において、きめの細かい食の安全確保に関する施策展開するとともに、事業者・行政・消費者のそれぞれが責任と役割をしっかり果たしつつ、情報提供・意見交換を活発にし、信頼を深め、協働していかないと食の安全・安心が確保できないことは明らかです。

このような地域のすべての関係者が協働する食の安全・安心社会システムとしての「食の安全・安心条例(仮称)」の制定はもはや避けられない情勢です。

県として、事業者や県民と一体となり協働して食の安全・安心を確保していくという強い意思を表明し、全国最先端の施策を盛り込んだ条例をつくるよう要望します。

県が条例制定を躊躇する時期はとっくに過ぎました。

「かながわ食の安全・安心条例(仮称)」制定に向けて、県の真摯な検討を切に要望します。

以上

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